松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

私論

Amazonプライム・ビデオの衝撃、そしてTSUTAYAの終焉

Amazonプライム・ビデオの衝撃 「Amazonプライム・ビデオ」をご存知だろうか。 http://www.amazon.co.jp/gp/press/pr/20150827 端的にいってこのサービスは、Amazonの「プライム会員」として年額3,900円を払えば、さまざまな映画が見放題になるというもので…

「早くスタートを切らなかったことを後悔している」-元ベルマーレ平塚のサッカー選手,武市憲資さんの言葉がすばらしい―

私はこの方のことを,正直全然知りませんでした。 中田英寿とも一緒にプレーしたことがあるようです。 以下のウェブサイトで言葉を拝見したのですが,logmi.jp 率直に言うと最初の方は「ふつうのことをおっしゃってるな~」と思いながら流し読みしていました…

ギアは意識して入れよう?

働き始めてから,少しずつ意識してギアを入れるようにしてきた。 自分は怠惰なので,「意識して」入れないとダメなのである。 「頑張っていればいつか自然にギアが入って何もかもうまくいく」というのは,本当であればそれがいいなあと思うが,そんなことは…

「報・連・相シンドローム」「みんな病」等​のさまざまな価値観―木下斉さんの影響―

木下斉さんというのは,町づくりの専門家である。 私の思考や価値観はさまざまな人の影響を受けているわけであるが,そのうちの一人である。 町づくりと大学は,実は非常に親和性がある。 このため,彼の意見というのは大変参考にしているところである。 い…

工程を減らすこと,スピード感,細かいこと​は気にしない,といったもろもろの業務上の​意識について。

業務を効率化するコツは,工程を減らすことにある 業務を効率化するコツは,工程を減らすことだ考えている。 人や組織が増えると効率性が下がるのは,その分コミュニケーションのための工程が増えてしまうからだ。 このため,自身の仕事では工程をバサバサ切…

教育関係者は〈社会〉を知らないという説は妥当なのだろうか-〈一般企業〉という幻想ー

大学ではこうだけど,それは社会では~ 一般企業ならこうだけど,大学では~ このような発言をしばしば聞くことがあるが,まったく意味がわからないというのが率直な感想である。 〈社会〉とは何か。 〈一般企業〉とは何か。 〈大学〉とは何か。 全て多様性…

「取材ノートから」『IDE現代の高等教育​』No.575から考える<学会>―「知識​生産」のためには,「開かれる」べきか,「​閉じられる」べきか―

「大衆化」する学会 ■IDE現代の高等教育 NO.575 2015年11月号(11月1日発行)「文系の危機」 - 出版物紹介 『IDE現代の高等教育』No.575を拝読した。 「取材ノートから」では,前号に引き続き松本美奈さんの<学会>に関する感想が掲載されている。 リ…

自分なりのプランを用意してから質問をすることの意味

blog.livedoor.jp 上記はいつも教職関連でお世話になっている方の記事なのだが、以下のような記述が目にとまった。 最近、質問のマナーが悪く困ってます。 例えばですが「中高の教員免許を取得する場合は教育実習は1回でいいのですか?」というまず1回でよ…

もう名刺を配るのはやめた

名刺を配るのはやめた もう名刺を配るのはやめた。 もちろん、交換を求められれば応じるが、自分から求めに行くことは、基本的にやめた。 不遜なようだが、「求める側」ではなく「求められる側」にならねばならない。 「求められる側」になろう、と決めてか…

大学の教員と仲良くなる方法

大学の教員と仲良くなるのはすごく簡単である。 「どうやったら先生とうまく仕事ができるだろうか」と悩む職員は多いように思うが、要するに仲良くなれば話は早い。 仲良くなるのは簡単である。それは、「専門分野の話をすること」だ。 いまどき、所属の教員…

プレゼンテーションはスキルではない

職場から希望者に対して「プレゼンテーション・スキル研修」の参加案内がきた。 むろんこういったメニューを提供してくださる所属を批判する意図はないが、プレゼンテーションはスキルではない。 たしかに、外形的なスキルというものは存在する。 たとえば、…

なぜブログを書き続けるのか?-自分を「商品として売る」ことへの疑問―

なぜブログを書き続けるのだろうか? 理由は人によってさまざまであろう。 たとえば、同じ大学職員の瀬田さんは、「アウトプット」と「人とのつながり」、そして少しの自己承認欲求を挙げる。setapapa.net 梅木雄平さんは、読者からのフィードバックを挙げる…

4月から大学職員として働く人に伝えたい3つのこと

そろそろ内定も出たと思うので、4月から大学職員として働く人に伝えたい3つのことを記しておきます。 4月にはこういう記事がばーっと出ますので、今のうちに出しておこうかなと。 ①学生気分は永遠に抜かなくていい これは、「脱社畜ブログ」の日野さんの名…

広田照幸・吉田 文・小林傳司・上山隆大・濱中淳子編『大衆化する大学―学生の多様化をどうみるか』(岩波書店)を読了―「マージナル大学におけるリメディアル教育の到達水準」―

こちらについては、今年のはじめに多様化がテーマになっていた大学職員フォーラムに呼んでいただいたときに既に読んでいました。shinnji28.hatenablog.comが、今回再読してみて、改めてこれは必読書やなと。 特に神戸国際大の居神 浩先生による第3章「マージ…

「学生の学力が低下している」と一方的に断じることは「我々の時代は最高」ということとほぼ同義―高等教育目標論特講(大学と社会の接続):藤村正司先生の課題から―

前期と違って、課題をレビューっぽくまとめることに挑戦してみました。 その方が、このブログに転載したときに読みやすいと思いまして。 それに、書いてあることを羅列するより、そっちの方が難しいですからね。 課題となったこの本は、以前に読んだことがあ…

大学職員が日本高等教育学会に加入するハードルは現状では極めて高い―高等教育基礎演習Ⅱ(研究講読):佐藤万知先生の課題から―

*高等教育研究における高等教育学会とは何か? *「歴史」「比較研究」「経済」「財政」「社会学」の5つのディシプリンが、 ・高等教育のどういった部分を対象として、 ・高等教育を理解する上でどのような役割を果たしているのか、 自分なりの言葉で表現せ…

人と人との出会いは一度ではない。何度か出会い直すことになる。

ここ最近、また学生時代の友人の結婚ラッシュが続いている。 ところで、一口に「学生時代の友人」といっても、その関係性はさまざまだ。 小学校時代の友人、中学校時代の友人、のように学校種で区切られる関係性もあるし、「小学校からの友人」のように、継…

個人が組織に「育ててもらう」のはもう無理。これからは「共犯関係」が始まる

私はもはや自分が組織に育ててもらおうとは全く思っておりません。 それは期待していないということでは決してなくて、そういったことを組織に要求するのはお角違いになりつつあるんじゃないかなあと考えているのです。 思っているのは次のようなことです。 …

【解説】サルでもわかる中教審答申(3)『​これからの学校教育を担う教員の資質能力の​向上について(答申素案)』

既に学内向けにはレポートを作成したところではありますが、こちらでも少し内容を削って報告します。 もう各所で報道されていますが、10月15日に中教審の教員養成部会で答申素案が示されたんですよね。 この内容、サルでもわかるように報告します。 教員養成…

大学職員に転職したい、もしくは既に転職した人向け―どうすれば大学職員業界で圧倒的な価値を生めるか―

以下は完全に個人の見解です。 私もなんだかんだで大学職員として奉職して8年目となりました。 この業界の善し悪しもなんとなくわかってきました。 そうした中で、「どうすれば大学職員業界で圧倒的な価値を生めるか」ということについて、考えを置いておき…

他人が読んで面白い文章を書くのは難しい。そこで実名を出すことが生きてくる。

他人が読んで面白い文章を書けるか?というのはブロガーにとって永遠の命題である。 しかしながら、他人が読んで面白い文章を書くのは簡単ではない。 少なくとも自分は、この点についてははじめから諦めている。 プロの作家やプロブロガーですら苦労している…

ある質問をそのまま受けてしまって、素朴に返してしまうという問題

自戒を込めて、ときどき感じている問題がこれである。 誰か、たとえば学生や教員から質問を受けた時に、それをそのまま受け取り、素朴に返すことがある。 このやり方は、しばしば間違うことがある。 なぜなら、質問者が「本当に知りたいこと」を確実に、正し…

研究は勉強ではない

「大学院で勉強していてえらいね」という風に、大学院での活動を勉強と関連づけられることが多い。 しかしながら、大学院でやっていることは実は勉強ではなく研究である。 いや、もちろん勉強はやっているのだが、それは研究のための準備にすぎない。 自分の…

「私は、大学職員になろうと思ってなったわけではない」

以前、とあるシンポジウムの登壇者の言葉にあったのがこれである。 「私は、大学職員になろうと思ってなったわけではない」。 そして、「だから、がっかりさせてしまうかもしれない」と続く。 ここが肝で、この感覚は入職した世代によって違う。 「がっかり…

クリーニングのシミ抜きを依頼したときに、毎回「100%落ちるとは限りません」と言われることにイライラする―「言いましたよ」というアリバイ仕事への苛立ち―

クリーニングでいつもお世話になっているお店があるのだが、シミ抜きを依頼するたびに「100%落ちるとは限りません」と必ず言われる。 これを言われるたびにわりとイライラしてしまう。 イライラの中身なのだが、 ・そんなことはわかっていますよ ・プロなの…

自分のメディアを持つことの価値

ブログをはじめて1年になろうかというタイミングで、自分のメディアを持つことの価値というものを感じ始めています。「自分のメディアを持つことの価値」をとても大切にしていたのが、中田英寿です。 彼はまだインターネットがそれほど発達していない時代に…

なぜわざわざ個人情報を開示しているのか?大丈夫ですか?

ときどき聞かれるので、答えて置こうと思います。 このブログのトップには、gmailとツイッターアカウントを載せています。 ツイッターを見に行っていただけると、電話番号とLINEのIDが掲載されていることがわかろうと思います。 大丈夫なのですか? 結論から…

「若手・中堅」とは何なのか?

※本記事に批判の意図はありません。 かけた時間に依拠した枠組みへの問題意識 以前、高等教育研究会からの依頼を受けて、「未来のわからなさを楽しむために―「大学冬の時代」論への異議―」という文章を『大学職員ジャーナル』に投稿したことがある。shinnji2…

仕事におけるルーティーン

ラグビー日本代表の五郎丸選手のキック前のルーティーンが面白いと話題になっていますが、わりと多くの人が仕事上のルーティーン的なものをお持ちなのではないでしょうか。 レベルは全く下ですけど、自分の場合は、「重要な仕事の直前には歯磨きをする」とい…

学振もそうかもしれないけど、ポスドクの問題も大きい

id:tomotsaan さんのこちらの記事がバズっているようです。d.hatena.ne.jpこの方は一度社会人を経由してから博士後期課程に入り直し、学振に通ったという方で、同じ道を歩もうとする人に「すごく割に合わないから辞めた方がいいよ」という警鐘を鳴らすと同時…