松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

「報・連・相シンドローム」「みんな病」等​のさまざまな価値観―木下斉さんの影響―

木下斉さんというのは,町づくりの専門家である。
私の思考や価値観はさまざまな人の影響を受けているわけであるが,そのうちの一人である。
町づくりと大学は,実は非常に親和性がある。
このため,彼の意見というのは大変参考にしているところである。
いくつか特徴的な言説を紹介しよう。

組織の文句ばかり言う人と仕事してはいけない、3つの理由。

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これは最近の記事であるが,傑作である。
組織の文句ばかり言う人のダメなところとして,以下の3つを挙げられている。

(1) 語るだけで、結果を出せない。
(2) 自分は上という意識で語るけど、結局はフリーライダー
(3) やる人は言う前に、さっさとやる。

要するに組織の文句ばかり言う人のダメさを盛大にdisっているのである。
表現は過激だが,直観的にはかなりあてはまりがよいと言わざるをえない。
特に(2)における以下の記述は辛辣で笑ってしまう。

自分が文句を言っている周囲の労働によって分不相応な給料をもらっているなんてことは、お小遣いもらいながら親の悪口いうみたいなもんです。自分は他よりも自立している気になっていたりするので、大変困ります。

補助金依存の悪循環」

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これは大学関係者必読である。町づくりにだけでなく,大学にも100%あてはまる。
要するに補助金は百害あって一利なし,自分の頭で考えられなくなるから,ということを仰っている。
ぜひ掲載されている画像だけでも見て欲しい。
当事者なので笑ってはいけないのだが,思わず笑ってしまう。

さあ準備を終わらせよう。

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ここで言ってることは,乱暴にまとめれば「準備なんていくらしても意味ないですよ」ということである。
そして,「準備だけで人生終わっていいんですか」ということを仰っているのだろうと感じる。

ま、これは地味なことばかりやっている僕なりの意見だから、もっとセンスのある人はシャープなやり方をしているのかもしれない。ただもし「何かを始めたい」と思っているのであれば、それをまずは試してみることが大切であって、準備を入念にやって資料作ってプレゼンやって絶賛されるまで頑張るというのはやめたほうがいいと思う。

報連相しない、させないマネジメント」

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木下さんの記事の中で一番の傑作がこちらである。

「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は社会人の基本」と言われて久しいですが、私はそんなことはないと思っています。

冒頭からいきなり爆弾を放り投げてくる。が,読んでいくと,非常に説得力がある。

ホウレンソウが必要なのは、チームで意思疎通を互いに図りながら進めましょう、という意味としては納得がありますが、「部下が上司に常に報連相しなければならない」というような考え方が非効率だと思っています。あらゆる組織で、現状が上手くいかないから、報連相を徹底しろといって報告書を増加させたり、情報共有の名のもとに会議体を増加させたりして、結局は事業が回らなくなって墓穴ほってることが沢山見受けられます。そんなことを増加させても、寛容な仕事はうまく回らないです。単なる管理側の責任回避、精神安定剤であることがほとんどです。私はこれを「ホウレンソウ・シンドローム」と呼びます。

「ホウレンソウ・シンドローム」の中身は,実際の記事を参照されたい。
ちなみにこの理論,実はホウレンソウが必ずしも成果に直結しないことを明らかにした,きちんとした学術的な先行研究を踏まえた上で仰っている。


冒頭で「影響を受けている」と書いたが,自分にはこのように「お,いいな」とおもって色々と考え方をパクっている方が何人かいる。
重たく言えば,私淑している。
私淑する人を何人か作って,真似して表現することを意識しているのである。