松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。sanjyuumatsu@gmail.com

ご案内:「理論とデータから学ぶ大学組織論」(9/29(木)午後,早稲田大学アカデミックソリューション様・2022年度SDセミナー)について

標記のセミナーにおいて,お手伝い(ないし,手がけた分析の一部披露?)をすることになりました。
ご関心おありでしたら,お越しいただければ幸いです。

大学はとても複雑な組織です。たとえば、企業のように「利益の追求」のような単一な目標を目指せば良いわけではなく、多様な使命を負っています。それら複数の使命や目標が、時と場合によっては競合することさえあります。また、大学には、教員と職員そして学生が存在していますが、それぞれに目的も役割も違っており、このような異質な成員によって構成される組織は、社会において一般的な企業組織に比しても、異質であるとさえ言えます。
大学のこうした複雑性の一因は、大学が、営利組織としての企業とは異なり、「公共組織」−他には病院、行政組織など−であることに起因しています。公共組織は、市民のために公平や平等といった理念を実現することを重視しており、かつては大学は主として進学機会の均等や保証が重視されていました。

ただし、皆さんもご存じのように、そうも言っていられない事情も生じています。近年では、18歳人口の減少により、大学生の中核を成す学齢期学生の奪い合いが、国公私の設置者を問わず生じており、企業組織のような大学経営が求められています。また、「教学」への一層の注力のための、ガバナンス・マネジメントも求められ、大胆な改革も断行されました。そして大学の経営・質保証を効果的に進めるために、IR(Institutional Research)等を導入してエビデンスに基づいた組織の運営も求められています。また、設置形態を跨ぐ形での連携・統合も大胆に進行中です。

つまり、今大学は、公共組織としての性質と、企業組織としての性質という極めて異質な、対局とも言える性質を同時に満たす必要に迫られており、その複雑性を増大させています。その複雑性にともすると埋もれてしまい、職員は「大学で一体何をやるべきなのか」がわからなくなることも少なくないでしょう。実際、過去の研究でも「大学とは、組織化された無秩序だ」という言及もあるくらいですし。

このような背景を踏まえ、大学という複雑怪奇な組織を、少しでも理解するために、この講座では、様々な理論やデータ分析の結果に、皆さんと一緒に触れてみようと思います。

seminar.w-as.jp

復職します。2022/05/09(月)~

7月25日(月)までとして介護休業を取得しておりましたが,対象者であった母が,残念ながら3月末に永眠いたしました。
これに伴い,5月9日(月)に復職します。
期間中,さまざまな方からご支援を賜りましたこと,感謝申し上げます。
shinnji28.hatenablog.com

しばらく休みます。(2)

2021年11月30日(火)から有休を取得し,親の看病(介護)のため実家に戻っておりました。
その後,2022年1月21日(金)~7月25日(月)までの介護休業が承認されましたので,引き続き休みます。
学内・学外ともご迷惑おかけします。
shinnji28.hatenablog.com

しばらく休みます。

急なことですが,11/30(火)から有休を取得し,親の看病(介護)のため実家に戻っております。
復帰の予定はまったくの未定です。学内・学外ともご迷惑おかけします。
また,このことは多くの方に直接お伝えできておりません。
あわせてお詫びいたします。

SPSS → Stata → Rへの移行期間

具体的には次のとおりでした。

2014年:SPSSを使い始める
2016年:修論SPSSを使う
2017年:Stataを使い始める
2018年:Stataで論文を書く
2019年:Rを使い始める
2020年:Rで論文を書く

実際には区切りはグラデーションです。
たとえば,SPSSを使いながらStataを使い始め,Stataで分析しながらRへの移行を試みる,というように。
ただ,こうしてみるとSPSSからRに移行するまで6年もかかっていることに気づきます。
この理由は,1つには,SPSSやStataではできない分析をするまでに,時間がかかっていることにあるでしょう。
何らかの統計分析活動をしていくときに,「メニューやコマンドがないからできない(したがってあきらめる)」ということにはなりません。
SPSSやStataを使っていると,自ずと行き詰まるタイミングが出てきます。
SPSSやStataでは,Aという分析ができない」というよりは,「SPSSやStataでもAという分析はできるけど,その中でXという処理を施したいが,それはできない」ということが多いです。
端的には,本当にやりたいことができないことがままあるのです。
SPSSは心理統計に,Stataは計量経済に開発の思想が寄っています。
たとえば,SPSSはマルチレベルモデリングが得意,Stataはパネルデータの取り扱いが得意,といったように。
わたしの理解では,マルチレベルモデリングもパネルデータも,階層構造を仮定しているという意味で同じと言えますが,ソフトの上では異なるもののようになっているのです。
ですので,思想的に狭間のような分析を試みようとする場合,「帯に短し襷に長し」という状況がよく発生します。
わたしの研究分野である高等教育論は対象学問であり,方法論を別の分野から学習・摂取し,借りてくることがほとんどなので,なおのこと困るケースが自然と増えます。
Rであればできないことがほぼありません(すくなくとも自分のレベルでは)ので,最終的な移行は常に視野に入れていました。
が,習慣というのは恐ろしく,思考の切り替えが必要で,そのために時間がかかったということです。

Rを使う=プログラミングを行う,ということに等しいので,技術的なことを気軽に質問できる環境が大事です。
わたしは,Tokyo.Rというスラックのチャンネルに大変お世話になっています。
Join Tokyo.R on Slack!
もちろん,大学院のメンバーや先生に伺うこともできますが,彼らとて1ユーザですから,「使い方」を質問するのに時間を奪うのは失礼だと思っています。
逆に,分析の結果や解釈といった,ドメイン知識とRの分析技術との紐づけが必要な場面でこそ,色々一緒に議論できると助かるわけですから,単なる「使い方」に労力を割いていただくのは,その意味でも悪手です。
その点,上記のチャンネルは技術的な情報交換に特化しているので,とてもありがたいです。

なお,SPSSやStataには,高価であるというデメリットもあります(ご承知のとおり,Rは無料)。
GUIが優れているのは事実ですし,「できないことがある」といっても,SPSSやStataでもかなりのことは(当然ですが)できます。
が,高価なのは問題です。
SPSSについては,安価な院生版もありますが,院生でないと利用できませんし,院生であったとしても期間限定です。
ただ,ここ数年,jamoviというとんでもない黒船がやってきました。
Rをベースにして開発された統計ソフトですが,SPSSライクな見た目をしており,いってみれば「無料のSPSS」です。
わたしはほとんど使ったことがないから断言はしにくいのですが,jamoviによってSPSSは不要になるのではないでしょうか?
唯一,英語版しかないことがネックかもしれませんが,日本語の解説本も出版されました。

まとめると,統計分析をこれから始めようという方は,

①高度な分析まで視野に入れるなら,いきなりRを使い始める
②どこまでキャッチアップするかわからないなら,とりあえずJamoviを使い始める

の2択でいいのではないかと思っています。
また,新たなソフトをインストールしたくない,Excel上で完結させたい場合は,清水裕士先生が開発されたHADももちろんおすすめです。
norimune.net