松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

制度改正のスケジュール感について―目的養成はSTAY,開放制はGO—

昨日掲載した分科会の記録で,私が次のような質問をしています。 ■質問②制度改正のスケジュールについて(松宮) ・制度改正を見据えた見通しについて,「カリキュラム改正」を念頭に置いた場合のことをお伺いしたい ・担当者の本音としては,制度改正より前…

「第6分科会:課程認定に係る近年の動向と留意事項等について」の記録@全私教協第36回研究大会

以下の記事にアクセスをいただいていますが、こちらは一年前のものです。 2017年度版は、こちらをご覧ください。 2017年度:全私教協第6分科会における尾白専門官との質疑応答(松宮部分) - 松宮慎治の憂鬱 (以上、2017.7.11追記)記録を置いておきます。 …

全私教協の研究大会@京都に参加していました

お声がけいただいたみなさま,ありがとうございました。 もう少しゆっくりお話ししたかった方もたくさんいました。 実家に帰れなかったのが残念ですが,5月の京都は気持ちよくて,特に1日目の懇親会終了後,19:00頃の薄暮のみやこメッセ付近は最高でした。 …

濱口佳一郎著『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)を読了

本書を執筆しているのは労働政策研究・研修機構の首席統括研究員である。 その意味で,アカデミズムを背景とした新書になってるため,特定の価値観を煽るものではなかった。 読む人によっては,当たり前のことばかり書いてあるように感じるかもしれないが,…

浅田次郎著『獅子吼』(文藝春秋)を読了

浅田次郎の新作(といっても1月だが)を拝読した。 時代を遷移するオムニバス形式の良著。獅子吼作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/01/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

奥田英朗『向田理髪店』(光文社)

GWに実家で読んで,実家に置いて帰った。 はっきりと書いてはないが,どう考えてもこの舞台夕張やろ…と思った。 財政破綻しそうな北海道の町をめぐる物語。 本省から来た情熱的な官僚に煽られてUターンする若者と,それを冷めた目で見る親。 突然町が映画の…

吉田修一著『パレード』(幻冬舎文庫)を読了

標記の本を読了した。 レビューを見ているレベルではあったが,すごく面白そうだなと思っていた。 普通に読めば,若い男女がシェアハウスで共同生活を過ごす,比較的淡々とした青春譚である。 そう,最後の章を読むまでは……。パレード (幻冬舎文庫)作者: 吉…

日本私立大学連盟編『私立大学マネジメント』(東信堂)を読了

標記の本を読了した。 35名の執筆者の共著となっており,私立大学をめぐるほぼすべての事項が網羅されている。 ぶ厚すぎてすべてを読むのは一苦労だが,たとえば入職したての職員が,自身の所属部署とかかわる部分だけ読む,といった読み方でも十分価値があ…

喜多村和之著『現代大学の変革と政策―歴史的・比較的考察』(玉川大学出版部)を読了

標記の本を読了した。一部については,以前課題でも拝読した気はするが…。 こちらは,喜多村先生が国立教育研究所を退官された年に刊行された本である。 2部構成だが270頁超の大著で,第一部が「大学の変革と政策―歴史的・比較的考察―」,第二部が「高等教育…

江原武一著『現代高等教育の構造』(東京大学出版会)を読了

広島大学附属図書館で借りた標記の本を読了した。 1984年初版とかなり古い本である。江原先生の博士論文がベースになっているようだ。 本書は,「高等教育の進学基盤」「高等教育の組織と構造」「高等教育の社会的効果」の3部構成になっている。 第1部の「高…

『文部科学教育通信』No.387に,拙稿「私立大学等改革総合支援事業によるIRの「流行」とその問題点」を掲載いただきました

もしよろしければ,ご高覧ください。http://www.kyoikushinsha.co.jp/book/7387/index.html

一度手に入れたものを手放すことができるか

一度手に入れたものを手放すのは難しい。 「生活水準は落とせない」なんて言葉をよく聞く。 一度手に入れたものは,ある種の執着を生むのだろう。 しかしながら,どうなるかわからない世の中,一度手に入れたものを簡単に手放すしなやかさが必要な気がする。…

大学行政管理学会の大学改革研究会をやめました

色々思うところあって,大学行政管理学会のテーマ別研究会のひとつ,大学改革研究会を脱会しました。 この研究会には2013年の12月からお世話になり,さまざまな出会いと,ここに所属していたからこそ来た多くのオファーをいただきました。 これからは大学行…

なぜ残業がなくならないのか?―雇用調整機能としての残業―

一般的に,残業は非効率性の象徴であると考えられている。 個人であれ組織であれ,非効率な仕事の仕方や,非生産的な取組みが原因となって,残業が生まれるという。 では,非効率な仕事の仕事を改善すれば,残業は減るのだろうか? 仕事の生産性を高めれば,…

池井戸潤『BT'63(上)(下)』(講談社文庫)を読了

BT'63という名前のトラックを基点に,父と息子の関係を描いた作品。 タイムトラベルものでもあります。BT’63(上) (講談社文庫)作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/06/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を…

内館牧子著『終わった人』(講談社)を読了

岩手県盛岡市から東大法学部に進学し,卒業後万邦銀行に入社。 エリート街道を進むも,49歳のある日,「たちばなシステム株式会社」に出向。 失意のうちに定年を迎えた,「終わった人」の「終わったあと」の物語。 内館牧子は脚本家だと思っていたが,このよ…

平安寿子著『心配しないで、モンスター』(幻冬舎文庫)を読了

この短編集は音楽と不可分である。 それぞれの短編に登場する音楽は,次のとおりである。 ①丘の上の馬鹿になりたい: ポール・マッカートニー『フール・オン・ザ・ヒル』 ②わけあって、舟唄 八代亜紀『舟唄』 ③黒魔術の女とお呼び サンタナ『ブラック・マジ…

司馬遼太郎著『殉死』(文春文庫)を読了

明治天皇を追って自殺した乃木希典が,大したことない人物として描かれていて衝撃的だった。 特段乃木希典が好きということはないが,母校の近くに明治天皇陵があり,したがって乃木希典を祀った神社(乃木神社)があった。 それで,ここには毎年高校の同級…

【再度ご案内…5月21日(土)です】(ご案内)「第2回 Staff IR Forum(職員IRフォーラム)」について

IR

ぜひぜひ,お越しください~ shinnji28.hatenablog.com締め切りは本日です。

読了した文献(43)

◇荒木俊博(2016)「履修者人数と授業アンケート結果の関連についての検討」『大学評価とIR』第5号,pp.36-43. ◇清水裕士(2016)「フリーの統計分析ソフトHAD」:機能の照会と統計学習・教育,研究実践における利用方法の提案」『メディア・情報・コミュニ…

池井戸潤著『株価暴落』(文春文庫)を読了(ネタバレあり)

怨念からまるドロドロした話かと思いきや,結局は経済犯という落ちであった・・ 銀行の描写が詳細で,そこは面白い。株価暴落 (文春文庫)作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/03/09メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 79回この商品を含むブ…

矢野眞和著『高等教育の経済分析と政策』(玉川大学出版部)を読了

標記の本を読了した(主として私学助成の章であるが)。 私学助成の高い効率性 (1)現行の私学助成はほぼ受益者負担に近く,その意味で効率的である.(2)税収入増を上回る外部効果があるとすれば,現在の助成水準を縮小させるのではなく拡大の方向で検討すべ…

米澤彰純著『高等教育の大衆化と私立大学経営―「助成と規制」は何をもたらしたのか―』(東北大学出版会)を読了

本書は米澤先生の博士論文がベースになっている。 以前私学助成に焦点化された別の論文を拝読したことがあったが,このように私学政策全体を体系的にまとめられた本書によって,さらに勉強になった。 特にありがたいのは先行研究のレビューで,私学助成に関…

ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏は頭がいい

ウーマンラッシュアワーというコンビ芸人がいて,片割れを村本大輔氏という。 私は正直,村本氏がコンビで突っ込みなのかボケなのかも存じ上げない。 ただ,この方はかなり頭がいいなと思った。 きっかけは,GW中に以下の番組を拝聴していたことにある。 abe…

人間が運転するから事故が起こる

先日運転免許の更新にいってきた。 自分は無事故・無違反だったので,30分のビデオ講習で済んだ。 ただ,その映像の内容に色々と疑問を覚えた。 端的にいえば,お子様を事故で亡くした方の遺族が出てきて,やや煽るように車を運転することの恐ろしさを周知し…

青木栄一著「地方分権と教育行政―少人数学級編成の政策過程」(勁草書房)を読了

昨日の投稿に引き続き,教育行政における政府間関係の研究知見が著されたのが本書である。 また,分析枠組みとして,政府間関係論に加えて「政策共同体論」も援用している。 本書で分析の素材となっているのは副題となっている「少人数学級編成」である。 「…

青木栄一著『教育行政の政府間関係』(多賀出版)を読了

教育行政学の知見を著した表記の本を読了した。 「政府間関係」というのは,上位政府(中央)と下位政府(地方)の関係のことをさす。 教育行政の領域の本を読み始めてから知ったことだが,政府間関係の研究に影響を及ぼしているのが,2000年4月に施行された…

中澤渉著『入試改革の社会学』(東洋館出版社)を読了

標記の本を読了した。 もともと手に取った理由は,高校における推薦入学制度の波及にかかわる分析手法を勉強するためであった。 第4章では,「推薦入学政策の普及と定着過程」として,イベントヒストリー分析を用いた計量分析が行われている。 ところで,本…

白石裕著『分権・生涯学習時代の教育財政―価値相対主義を越えた教育資源配分システム』(京都大学学術出版会)を読了

白石先生のご専門は教育行財政学である。 私立大学の補助金のことを考えるにあたって,ここ最近教育行政学関連の文献を講読している。 こちらの本も,教育資源配分の方法について詳細に述べられていて,大変勉強になった。 特に勉強になったのは,中央集権的…

2016年度は,所属機関以外からいただいた報酬は全て,日本赤十字を通して熊本地震の被災地に寄附することにした

生まれてこのかた,「寄附」という行為をしたことがない。 東日本のときも,「せなあかんな」と思いつつ時間が流れてしまった。2016年度は、所属機関以外からいただいた報酬は全て、日本赤十字を通して熊本地震に寄附することにしました— MATSUMIYA,Shinji (…