本書は米澤先生の博士論文がベースになっている。
以前私学助成に焦点化された別の論文を拝読したことがあったが,このように私学政策全体を体系的にまとめられた本書によって,さらに勉強になった。
特にありがたいのは先行研究のレビューで,私学助成に関する論文を個別に見ているだけでは得られない視点を得ることができた。
本研究の分析枠組みは,次の3点に置かれている(p.29)。
第一に市場を介在した政府と私立大学との相互作用、第二に、政府が取り得る政策手段としての助成と規制、第三に、学生の厳格な選抜を主な特徴とする日本型のエリート私立大学の形成・確率
自身の問題関心は第二にあるので,特にここについては熟読した。引き続き何度も拝読したい。
高等教育の大衆化と私立大学経営―「助成と規制」は何をもたらしたのか
- 作者: 米澤彰純
- 出版社/メーカー: 東北大学出版会
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
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