松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

2015-01-01から1年間の記事一覧

「アクティブラーニング」とは何か。そしてなぜ重要か。―大学教育論特講(内容と方法):佐藤万知先生の課題から―

◇講読文献 溝上慎一(2014)「第1章 アクティブラーニングとは」『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(東信堂),pp.3-23.◇課題 *アクティブラーニングとは何か 「アクティブラーニング」は、溝上(2014)に従うと以下のように整理すること…

広島大学高等教育研究開発センターのこれまでの歩みと葛藤。for広大かat広大か―高等教育基礎演習Ⅱ(研究講読):佐藤万知先生の課題から―

◇講読文献 金子元久(2013)「今後の高等教育研究のあり方とRIHEへの期待」『高等教育研究叢書』第124号,pp.1-10. 合田哲雄(2013)「行政サイドからの高等教育研究とRIHEへの期待」『高等教育研究叢書』第124号,pp.11-20. 有本 章(2013)「今後の高等教…

読了した文献(33)

◆坂口小枝(2013)「創造性形成におけるナレッジ・マネジメントとヒューマンリソース・マネジメントのギャップへの考察」『組織学会大会論文集』2(1),pp.9-16 ◆大江秋津(2012)「組織パフォーマンス向上のための組織学習プロセス」『経営情報学会 全国研究…

学生との関係性は、卒業後に決まる

これまでも2回ほど言及したのですが、学生との関係性は卒業後に決まると考えています。shinnji28.hatenablog.com shinnji28.hatenablog.com在学中に、色々と付き合いや交流があるのは、いわば当然なわけです。 しかし、卒業後も付き合いが続くとなれば、これ…

4月から大学職員として働く人に伝えたい3つのこと

そろそろ内定も出たと思うので、4月から大学職員として働く人に伝えたい3つのことを記しておきます。 4月にはこういう記事がばーっと出ますので、今のうちに出しておこうかなと。 ①学生気分は永遠に抜かなくていい これは、「脱社畜ブログ」の日野さんの名…

広田照幸・吉田 文・小林傳司・上山隆大・濱中淳子編『大衆化する大学―学生の多様化をどうみるか』(岩波書店)を読了―「マージナル大学におけるリメディアル教育の到達水準」―

こちらについては、今年のはじめに多様化がテーマになっていた大学職員フォーラムに呼んでいただいたときに既に読んでいました。shinnji28.hatenablog.comが、今回再読してみて、改めてこれは必読書やなと。 特に神戸国際大の居神 浩先生による第3章「マージ…

「学生の学力が低下している」と一方的に断じることは「我々の時代は最高」ということとほぼ同義―高等教育目標論特講(大学と社会の接続):藤村正司先生の課題から―

前期と違って、課題をレビューっぽくまとめることに挑戦してみました。 その方が、このブログに転載したときに読みやすいと思いまして。 それに、書いてあることを羅列するより、そっちの方が難しいですからね。 課題となったこの本は、以前に読んだことがあ…

大学職員が日本高等教育学会に加入するハードルは現状では極めて高い―高等教育基礎演習Ⅱ(研究講読):佐藤万知先生の課題から―

*高等教育研究における高等教育学会とは何か? *「歴史」「比較研究」「経済」「財政」「社会学」の5つのディシプリンが、 ・高等教育のどういった部分を対象として、 ・高等教育を理解する上でどのような役割を果たしているのか、 自分なりの言葉で表現せ…

人と人との出会いは一度ではない。何度か出会い直すことになる。

ここ最近、また学生時代の友人の結婚ラッシュが続いている。 ところで、一口に「学生時代の友人」といっても、その関係性はさまざまだ。 小学校時代の友人、中学校時代の友人、のように学校種で区切られる関係性もあるし、「小学校からの友人」のように、継…

ガイダンスを学生の学びの機会にできないだろうか

これ、以前から思っていて、他大学さんでいうと大手前大学さんなんかがチャレンジをされているようです。 通常大学のガイダンスというのは、「情報提供の場」であるということができます。 しかしながら、単純な「情報提供の場」は多くの場合面白くありませ…

【ご案内】大学改革研究会2015年度第6回ワークショップ開催事前告知(11/28@名古屋) 中堅職員Meetup Nagoya  東海地区初!中堅職員しゃべり場 ~あなたの「これまで」は誰かの「これから」~

例によって私はいけないのですが、もしよかったらどうぞ! 以下転載。 ――――――――――――――――――大学行政管理学会会員 各位■配信者 大学改革研究会 代 表 山咲 博昭(関西大学) 副代表 松田 優一(関西大学) 江端 一揮(関西福祉科学大学) 大学改革研究会2015年…

教務の教職担当者だが学生の応募書類の添削をしばしばしている

通常の学生であればキャリアセンターの領分になるのかもしれないが、学生の教員採用試験の応募書類の添削をするようにしている。 もちろん、学生が希望すればの話ではあるが、「それは先生に見てもらってくれ」とか「キャリアセンターに見てもらってくれ」等…

第19回大学行政管理学会定期総会・研究集会で印象に残った、教職課程にかかわる発表の多さ

もう2カ月近く立ちましたが、標記のことが大変印象に残りました。 具体的にいうと、教職課程にかかわる発表が3つありました。 おそらくこういった自体は始めてで、教職課程への関心の高まりを感じました。 たぶん、教職がテーマになっている発表は、私が2…

広島大学高等教育研究開発センター(RIHE)の先生方の言葉で印象に残っているものベスト3

この半年、広島大学の高等教育研究開発センター(RIHE)でお世話になってきたわけですが、ここで先生方の言葉で印象に残っているものベスト3を挙げたいと思います。 ご迷惑おかけすると恐縮なので、誰がということは伏せます。 第3位 統計学は簡単な学問じ…

個人が組織に「育ててもらう」のはもう無理。これからは「共犯関係」が始まる

私はもはや自分が組織に育ててもらおうとは全く思っておりません。 それは期待していないということでは決してなくて、そういったことを組織に要求するのはお角違いになりつつあるんじゃないかなあと考えているのです。 思っているのは次のようなことです。 …

大学院関連のご報告(2015.9)

職場内の上司、同僚等関係者に月1回配信している報告の転載です(9月分)。◇2015年9月 9月 1日(火)広島泊 10:00~17:00 学術政策論特別特講(研究面から見た大学と政策):山本眞一先生ご担当講義受講@広島 9月 2日(水) 10:00~16:00 学術政策論特別特…

大学院関連のご報告(2015.8)

職場内の上司、同僚等関係者に月1回配信している報告の転載です。 これも完全に忘れていました。◇2015年8月 8月 1日(土)広島泊 9:00~16:30 高等教育基礎論Ⅲ(計量と分析):渡邉聡先生ご担当講義受講@広島 8月 2日(日) 9:30~16:30 高等教育基礎論Ⅲ(…

【解説】サルでもわかる中教審答申(3)『​これからの学校教育を担う教員の資質能力の​向上について(答申素案)』

既に学内向けにはレポートを作成したところではありますが、こちらでも少し内容を削って報告します。 もう各所で報道されていますが、10月15日に中教審の教員養成部会で答申素案が示されたんですよね。 この内容、サルでもわかるように報告します。 教員養成…

2015年9月の自己投資額

こちらも忘れていました。 9月は入学以来一番広島に行かなかったと思います。 ということで、JUAMの宿泊費を除くと大学院に使ったお金は普段より少なかったです。◆総計 80,666円(JUAMをのぞくと68,546円)◇交通費(計:30,540円) 9/ 2 10,180円(広島から…

大学改革研究会2015年度第5回ワークシ​ョップ開催のご案内(11/14@兵庫教育​大学) 

例によって行けませんが、案内だけ転載させていただきます。 大学行政管理学会会員 各位■配信者 大学改革研究会 世話人 松田 優一(関西大学) 江端 一揮(関西福祉科学大学) 大学改革研究会2015年度第5回ワークショップの開催について(11/14@兵庫教育大学…

2015年8月の自己投資額

今さらですが、完全に忘れていました。 8月は渡邉聡先生や山本眞一先生の集中講義があったんですが、お盆は実家に帰っていたので、差し引き普段より少なかったかもですね。◆総計 92,528円◇交通費(計:60,574円) 8/ 2 10,180円(広島から神戸) 8/ 7 8,740…

辻村深月著『ロードムービー』(講談社文庫)

なぜかまた辻村深月作品を買ってしまいました、、 でも、うまいですね。 この文庫には計5つの作品が集録されていますが、オムニバスとして関連があっておもしろかったです。 街頭 ロードムービー 道の先 トーキョー語り 雪の降る道 という5つでしたが、3つ目…

(お詫び)松宮を騙るアドレスからのスパム​メールへの対処について

私を騙るアドレスからのスパムメールが一部の方に届いてしまっています。 既に直接BCCでメールを送らせていただいた方もいますが、どなたに配信されたかわからない状況では全く追いついていると思えないので、こちらでもお詫びしてます。 ご迷惑おかけしたみ…

カール・E・ワイク著『センスメーキング イン オーガニゼーションズ(訳:遠田雄志・西本直人)』(文眞堂)を読了

訳本ですが、難しすぎて号泣しながら読みました……。 センスメーキングというのは、要するに人の行動や組織の意思決定に回顧的な意味づけを行うことのようです。 また、センスメーキングは結果よりも過程における活動に焦点をあてていることから、「解釈」と…

大学職員に転職したい、もしくは既に転職した人向け―どうすれば大学職員業界で圧倒的な価値を生めるか―

以下は完全に個人の見解です。 私もなんだかんだで大学職員として奉職して8年目となりました。 この業界の善し悪しもなんとなくわかってきました。 そうした中で、「どうすれば大学職員業界で圧倒的な価値を生めるか」ということについて、考えを置いておき…

他人が読んで面白い文章を書くのは難しい。そこで実名を出すことが生きてくる。

他人が読んで面白い文章を書けるか?というのはブロガーにとって永遠の命題である。 しかしながら、他人が読んで面白い文章を書くのは簡単ではない。 少なくとも自分は、この点についてははじめから諦めている。 プロの作家やプロブロガーですら苦労している…

ある質問をそのまま受けてしまって、素朴に返してしまうという問題

自戒を込めて、ときどき感じている問題がこれである。 誰か、たとえば学生や教員から質問を受けた時に、それをそのまま受け取り、素朴に返すことがある。 このやり方は、しばしば間違うことがある。 なぜなら、質問者が「本当に知りたいこと」を確実に、正し…

研究は勉強ではない

「大学院で勉強していてえらいね」という風に、大学院での活動を勉強と関連づけられることが多い。 しかしながら、大学院でやっていることは実は勉強ではなく研究である。 いや、もちろん勉強はやっているのだが、それは研究のための準備にすぎない。 自分の…

「私は、大学職員になろうと思ってなったわけではない」

以前、とあるシンポジウムの登壇者の言葉にあったのがこれである。 「私は、大学職員になろうと思ってなったわけではない」。 そして、「だから、がっかりさせてしまうかもしれない」と続く。 ここが肝で、この感覚は入職した世代によって違う。 「がっかり…

クリーニングのシミ抜きを依頼したときに、毎回「100%落ちるとは限りません」と言われることにイライラする―「言いましたよ」というアリバイ仕事への苛立ち―

クリーニングでいつもお世話になっているお店があるのだが、シミ抜きを依頼するたびに「100%落ちるとは限りません」と必ず言われる。 これを言われるたびにわりとイライラしてしまう。 イライラの中身なのだが、 ・そんなことはわかっていますよ ・プロなの…