松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。

佐藤俊樹(2019)『社会科学と因果分析:ウェーバーの方法論から知の現在へ』(岩波書店)を読了

本書は,ウェーバーが構築した方法論の生成過程を解説し,そのことを通して社会科学における因果分析を包括的に論じようとするものである。 ここでいう方法論とは,適合的因果構成をさす。 適合的因果構成とは,「因果を(a)版事実的に(=半実仮想の形で)…

2019年1月に読了した小説,エッセイ,漫画

国を蹴った男 (講談社文庫)作者: 伊東潤出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/05/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)作者: 中原淳,パーソル総合研究所出版社/メーカー: 光文…

Stataのコマンドを公開しました

論文が機関リポジトリでオープンになっていました - 松宮慎治の憂鬱 上記論文のStataのコマンドを公開しました。 下記からDL可能です。 松宮 慎治 - 資料公開 - researchmap

論文が機関リポジトリでオープンになっていました

下記論文,機関リポジトリでオープンになっていました. shinnji28.hatenablog.com よろしければこちらからご高覧ください. ir.lib.hiroshima-u.ac.jp

日々の業務を通して見える学生―10年間の経験から―

以下の文章は,4年前に高等教育研究会の依頼によって行った話題提供(2014年度「大学職員フォーラム」に話題提供者として呼んでいただきました - 松宮慎治の憂鬱)によるものです(原文は,『大学創造別冊大学職員ジャーナル』(第18号,pp.52-59., 2015年5…

論稿が出ました:「『グランドデザイン答申』を読む」『関西教職教育研究 』第3号,pp.46-51.

昨年度現所属の大学を退職された今西幸蔵先生が,組織された関西教職教育研究会の発行です. ほぼエッセイ的な内容ですが,ご入用でしたら冊子お送りしますのでご用命ください. 要旨は以下のとおりです. 『学士課程答申』と『グランドデザイン答申』を比較…

佐藤俊樹(1996)『ノイマンの夢・近代の欲望:情報化社会を解体する』(講談社選書メチエ)を読了

つい先日,以下のような技術革新を話題にしてしまったばかりであるが, shinnji28.hatenablog.com 本書はそうした技術革新(「情報化社会」)が単なる幻想=「近代産業社会がその内部にはらんでしまう夢」(p.220)であることを喝破したものである. 「情報…

柳川堯(2018)『P値:その正しい理解と適用』(近代科学社)を読了

標記の本を読了した. データにバラつきがあり,それが確率法則に従って起きることを出発点として,基本的事項から誤用,算出方法,検定,サンプルサイズとの関係等が丁寧に説明されている.P値 ―その正しい理解と適用― (統計スポットライト・シリーズ)作者:…

インターネット以前と,インターネット以後に関する駄文 #平成ネット史

平成ネット史(仮)という番組 1月2日,3日と連夜NHKで放送されていた「平成ネット史(仮)」を見ていた. 前編は主に90年から2005年頃まで,後編は2000年代後半(主としてiPhone以降)が取り上げられていた. 自分の人生に重ね合わせると,中学生頃から「イ…

yahoo!知恵袋で自身のブログが取り上げられている件

数年前の記事がこうして議論の対象になるのは,おそろしいことだと思います. 過去の記事でも,考え方は日々変わるので,今も同じようなことを考えているわけではありません. これは常にそうです. detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

ガート・ビースタ(藤井啓之・玉木博章訳)(2016)『よい教育とはなにか:倫理・政治・民主主義』(白澤社)を読了

標記の本を読了した. もっとも印象に残ったのは,第1章と第2章である. ビースタは第1章でまず,教育は道具的問い(どのように)ではなく,規範的問い(なぜ)のもとに置かれなければならない,と喝破する. 規範的問いがあって初めて道具的問いが成立する…

気力みなぎる状態になるのに1週間かかる

正月から辛気臭い話で恐縮だが、自分は幼い頃から体が強い方ではない。 水泳をしたり剣道をしたりして、体育会を装ってきた時期もあるが、どう考えても体力はない方である。 27日から仕事が休みで、そのあと広島と岡山を経由して29日に実家に帰ったのだが、…

2018年に見た映画

すみません,真似しました. 一応見た順番ですが,スタートがこの映画だったかどうか曖昧です.ニューイヤーズ・イブ (字幕版)発売日: 2013/05/15メディア: Amazon インスタント・ビデオこの商品を含むブログを見るハイエナ・ロード(字幕版)発売日: 2016/1…

2018年12月に読了した小説,エッセイ,漫画

傍流の記者作者: 本城雅人出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/04/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る宝島作者: 真藤順丈出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/06/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文…

論文が出ました:「私立大学等改革総合支援事業の政策評価―タイプ1への申請・非申請に着目して―」『広島大学大学院教育学研究科紀要第三部(教育人間科学関連領域)』第67号,pp.227-234.

概要は以下のとおりです. 私立大学等改革総合支援事業タイプ1について,①どのような大学がタイプ1に申請しているのか.②タイプ1に申請すると,教育投資は増えるのか,の2つを明らかにしつつ,タイプ1に規定される代表的な取組みと,①②との関連の素描を試み…

牧原出(2018)『崩れる政治を立て直す:21生起の日本行政改革論』(講談社現代新書)を読了

標記の本を読了した. 本書の要諦は,小泉改革以降の政官関係を,官僚制組織の「作動」に焦点をあて,第1次安倍政権と民主党政権がその「作動」に失敗したと喝破したことにある. ここでいう「作動」とは,同じ改革を行うにしても,構造が「静かに変化が起こ…

佐藤郁哉編著(2018)『50年目の「大学解体」 20年後の大学再生:高等教育政策をめぐる知の貧困を越えて』(京都大学学術出版会)を読了

標記の本を読了した.序章と終章を含めると7章構成になっている. 我が国の大学「改革」の混迷や課題を指摘し,その合わせ鏡として英国の研究評価事業が必ずしもうまくいっていないことを示す. 本書は大学関係者ないし高等教育政策担当者にとっては,やや不…

ジェラルド・ガー二―,ドナ・ロピアノ,アンドリュー・ジンバリスト(宮田由紀夫訳)(2018)『アメリカの大学スポーツ:腐敗の構図と改革への道』(玉川大学出版部)

標記の本を読了した。 日本においても,日本版NCAA(大学体育協会)の構築が目指されているところではあるが,本場アメリカではうまくいっておらず,問題が多いというお話。アメリカの大学スポーツ: 腐敗の構図と改革への道 (高等教育シリーズ)作者: ジェラ…

中村高康・平沢和司・荒牧草平・中澤渉編(2018)『教育と社会階層:ESSM全国調査からみた学歴・学校・格差』(東京大学出版会)を読了

標記の本を読了した。 本書は,SSM調査(社会階層と社会移動全国調査)の教育版=ESSM「教育・社会階層・社会移動全国調査」(2013年実施)にもとづく分析結果をまとめたものである。 SSMでは教育の変数がごく限られているため,より教育に焦点化した形で社会…

定員充足率は何によって決まるのか:私立大学倒産言説と関連したいくつかの所感

「大学倒産」に言及した記事 標記の記事があった。前編と後編にわかれている。 忍び寄る「大学倒産」危機 2000年以降すでに14校が倒産している | ビジネス | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 倒産する大学の4つの特徴:地方、小規模、…

報告資料をアップしました:「私立大学に対する競争的資金配分の動態と成果」@2018年度日本高等教育学会研究交流集会

2018年12月8日に行う予定の下記報告の, shinnji28.hatenablog.com 資料を以下にアップしました。 https://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=217490 内容は,私立大学等改革総合支援事業タイプ1と経常費補助金の2つを対象とした分析を行い…

S. スローター,G. ローズ著,成定薫監訳(2012)『アカデミック・キャピタリズムとニュー・エコノミー:市場,国家,高等教育』(法政大学出版局)を読了

本書は,アメリカ高等教育のアカデミック・キャピタリズム的な知と学問の現状,発展,課題について包括的に論じたものである。 本書の重要な指摘は,単にアメリカの大学の商業主義を批判しているのではなく,それらが「政策、媒介組織と新しいすき間組織、ア…

数理社会学会監修(2004)『社会を〈モデル〉でみる:数理社会学への招待』(勁草書房)を読了

本書は,社会をミクロ・メゾ・マクロにわけ,それぞれを数理社会学的なモデルで見るために,具体的な事例を44個紹介したものである。 大きくは,①行為のモデル②過程のモデル③構造のモデル,の3つであり,詳細には, 1. 合理的選択理論 2. 期待効用理論 3. 確…

粕谷祐子監訳・ポーリピアソン著(2010)『ポリティクス・イン・タイム:歴史・制度・社会分析』(勁草書房)を読了

本書の論点は,政治学を初めとする社会科学において,時間的次元をどのように,なぜ組み込むのかというものである。 章立ては以下のとおり。 第1章 正のフィードバックと経路依存 第2章 タイミングと配列 第3章 長期的過程 第4章 制度設計の限界 第5章 制度…

2018年11月に読了した小説,エッセイ,漫画

ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)作者: 柚月裕子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2018/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログを見るホイッスル (光文社文庫)作者: 藤岡陽子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2016/11/09メディア: 文庫この商品を含むブロ…

論稿が出ました:「再課程認定申請直前のポイントと今後の対応」『東海北陸教師教育研究』第32号,pp.59-70.

標記の論稿が出ました。 今年の2月10日(土)にお招きいただいた,東海・北陸地区私立大学教職課程研究連絡懇談会2017年度第3回定例研究会(於:椙山女学園大学星が丘キャンパス)において報告した内容にもとづき,研究会報告として作成したものです。 法改正…

「(私学助成)が1人あたり152万円と国立大を上回る事例もあった」(日経新聞)→それは私立医科大学です

「経常費等補助金が1人あたり152万円と国立大を上回る事例もあった」は本当か? 少し前に気になる記事がありました。 それがこちらです。(赤字は筆者) www.nikkei.com 国立大の1人あたり交付金、12倍の格差 山形大調査 山形大学は8日、国立大学の運営費交…

小笠原祐子(1998)『OLたちの〈レジスタンス〉:サラリーマンとOLのパワーゲーム』(中公新書)を読了

おススメいただいて,標記の本を読了した(麦山さん,ありがとうございます)。 本書は,OLを暫定的に「正社員として、現在及び将来にわたって管理的責任を持たずに、深い専門的もしくは技術的知識を必要としない一般事務的、もしくは補助的業務を行う女性」…

2018年10月に読了した小説,エッセイ,漫画

そもそもなぜ自分が読了記録をつけているかというと,一度購入した本を再度買うという愚かなことをしてしまいがちだからです。 小説やエッセイに関しては学術書と違って単なる息抜きで,いちいち感想を書き留めるのがしんどくなってきたので,以後このように…

大学職員は教員と仲良くしましょう

munyon74.hatenablog.jp こちらを拝読して,タイトルを反転させつつ,思ったことを書いてみようと思い立ちました。 ただ、教員と職員、って、ある意味反対の仕事、だと思うのですよね。教員は「自由にやろうよ」「学生のためになるよ、こっちのほうが」みた…