松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

全国からどうぞ:2021年度神戸学院大学教員免許状更新講習(オンライン)の実施について【受付期間:~6月7日(月)】

ご案内

以下のとおり受付を開始しております。
感染症の拡大にできるだけ制約されることなく,質の高い講習を実施する一方で,同時に受講者の負担の軽減したいと考え,オンラインによる実施に取り組むことにしました。
よろしければ,お越しいただければ幸いです。
オンデマンド講習(YouTube or MP4による)は,7月26日(月)から8月20日(金)までの間に視聴可能としています。
リアルタイム講習(Zoomによる)は,これと並行して8月2日(月)から6日(金)の間に実施します。
その際,神戸学院大学の教職課程履修学生が用いているクラウド教育支援サービス「manaba」(開発:株式会社朝日ネット)を,無償で受講者の皆様に開放し,教材の配付,講師への質疑等をできるようにしつつ,受講者の皆様同士の交流も促進する予定です。

このような形式ですので,受講者の皆様は,自身の興味関心だけではなく,ご負担や時間的効率を考えあわせながら,受講したい講習をマネジメントできます。
たとえば,オンデマンドとリアルタイムのどちらに重点を置きながら規定の30時間を終えようとするのか,ご自身の裁量によって配分できます。
また,申込から講習受講に至るまで,基本的にはすべての工程がオンラインで完結することもメリットです。
唯一,申し訳ないのですが修了(履修)認定試験のみ,8月20日(金)の消印有効として(制度上の限界からやむをえず)郵送により行います(ただし,1講習をのぞく)。
オンラインですので,むろん場所に縛られず,全国からお越しいただけます。
2021年度神戸学院大学教員免許状更新講習(オンライン)募集要項|教員免許更新講習|社会連携|神戸学院大学


オンライン講習の実施を決意したわけ

勤務先である神戸学院大学には,通信教育のノウハウがあるわけではありません。
しかし,学生を対象に実施してきたいわゆる「オンライン授業」の強みを,教員免許状更新講習の受講対象の皆様に展開できると考えました。
そこで,優れたオンライン講習を実施できるであろう学内の教員と,講習の開催を準備しているところです。

本来,教員免許状更新講習は,直接のステークホルダーをキャンパスにお招きし,普段の教育研究の成果をアピールできる貴重な機会でもありました。
ですから,できれば積極的に対面で実施したいと考えていました。

とはいえ,対面による講習を実施しようとすると,目の前に次のような問題が山積することに気づきます。
まず,感染症対策のために,受け入れさせていただく人数を初めから絞らざるをえなくなります。
教員免許状更新制には,従来から需要に対して供給が乏しいという課題が指摘されてきました。
となると,課題に貢献するためにもっとも重要なのは,より多くの受講者の方を受け入れることでした。
事実,そうした認識のもと,数年かけて開設講習数を増やし,より多くの受け入れを企図してきました。
具体的には,のべ500~600人から3倍の,のべ1,700名に5年かけて増やしました(対面を実施していたときは……)。

ところが,今般の感染症の拡大状況からは,対面講習を敢行しようとすると,定員を抑えつつ,かつ枠を超えた受け入れはしないという判断を行うことになってしまいます。
かように苦労して講習を開設したとしても,たとえば実施期間中に偶然緊急事態宣言が発令されるようなことがあれば,中止せざるをえない可能性が生じます。
受講者の皆様にとって,受けられるはずの予定であった講習が突然受けられなくなることは,修了確認期限(有効期間の満了の日)の存在を踏まえると,著しい不利益になりかねません。
たしかに,修了確認期限(有効期間の満了の日)は,延期または延長できる措置がとられていますが……。
制度のことを考えたときに,修了確認期限(有効期間の満了の日)の延期または延長は,需要の先送りに他ならず,仮に感染症が終息(収束)したとしても,その時点で過去に先送りされた需要に十分な供給を,全国の開設者が用意できる保証がありません。
さらに,それらの諸問題がクリアされたとしても,今もなお不透明である感染症の終息(収束)時期を期待しながら座して待つというのは,わたしには耐えがたいことでした。

今現在,政府で教員免許状更新制の見直しが,抜本的なところまで含めて検討されていることはわかっています。
中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会の,教員免許更新制小委員会で議論が始まったところです*1
が,一度制度化された仕組みは,おそらくそう簡単になくなることはありません。
更新制の是非や見直しがずっと議論され続けてきたことは,受講対象者の皆様の方がよくご存じのことと思います。
もちろん,大学の開設する講習内容が,ときに批判の対象となっていることも承知しております。
中教審の小委員会でも,「大学は受講者の評判はいいと言うが,あれはリップサービスである」という(自己?)批判が行われていました。
それでもなお,社会貢献の意味で,オンラインの講習を開設し,できるだけ多くの方をお招きすべきであると判断しました。
内容にご批判があったとしても,現時点で受講を希望されている方が,なかなか受講できないことの方がより大きな問題だ,と考えたからです(内容の向上に不断の努力を重ねることは当然として)。

今年度の事業を円滑に進めるため,2020年度の秋から冬にかけて,ほぼ同様の形態による講習を小規模な形で試行もしました。
自信はありますので,より多くの方にお越しいただけると大変ありがたいです。

*1:第1回(4/30)は傍聴しましたが,当然,まだまだ先行きは見えておりません。