松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

中井俊樹・宮林常崇編著(2019)『大学SD講座3 大学業務の実践方法』(玉川大学出版部)を読了

本書は,大学の事務職員が大学の業務をどこのように遂行すればいいかについて,広く平易に記載したものである。
本書で,「おっ」と思った箇所が2ある。
1つは,「第3章 基本的な姿勢」の中にあった,「清潔感を常に意識する」の一部である(p.28)。

 職場では清潔感を意識しましょう。清潔感とは服装だけでなく、所作や言葉遣いなども含まれます。たとえば、受験生が大学案内をもらいに来た場面で、スリッパを履いた大学職員が、片手で「はい」と小さな声で渡したとすると、受験生はどのように感じるでしょうか。大学職員は、周囲に不快な思いをさせないようにするだけでなく、受験生や学生・教員・地域の方などから信頼されるために、常に清潔感を意識して立ち振る舞うことが求められます。

あまりこのようなことをはっきり書いた文章を見たことがない。
「服装だけでなく」とあるが,もっともわかりやすいのは服装であろう。
たとえば芸大ではバリバリにピアスをあけていることがあったりするが,それも全然OKだと思う。そう,気を使ってさえいれば。
気を使っていない,まるで自宅にいるかのようなだるんだるんのパターンもあったりするので,それはさすがにどうなのかなと思う。
(うまく説明できないのだが,たとえばスウェットでも,清潔感のあるスウェットとそうでないものがあるように)
もう1つは,「第8章 業務の見直しと改善」の中にあった,「内部のおもてなしに注意する」である(p.95-96.)。なかなかいいことが書いてあると思ったら村山さんだった。

 業務改善の事例として、「職場内おもてなしの廃止」を行っている組織があります。職場内おもてなしとは、同僚向けに必要以上に労力を割くことをいいます。たとえば、会議の参加者に直接関係のない人まで入れたり、必要以上に職場用の資料を作成したり、失礼のないように丁寧すぎるメールを発信したりすることなどです。そのような行為を廃止することで、本来の組織の目的に注力することができます。職場内における過度な気遣いは弱みになりうることを理解しておく必要があるといえるでしょう。
 特に、職員はしばしば過度に「教員おもてなし」をしてしまう傾向があります。教員は職場の同僚であることを意識し、学生に対してよりよいサービスの提供ができるように努めるべきです。また、上司や他部署の職員に対しての過度な気遣いも必要ないでしょう。

ここでは,「職場内おもてなし」と呼んでいるが,自分は「社内営業」と呼んできた。「社内営業」は極力しないと決めている。
というか,「社内営業」をしている余裕がない,というのが正直なところである。
そういったコストの問題に留まらず,その営業が,社内向けなのか社外向けなのか,常に自覚的であることが望ましいとは思う。
でないと,外部(たとえば保護者)の方に対して同僚たる教員を「●●先生」と呼称したりするようになってしまうのである(個人的に,対外的には「●●」と呼び捨てるのが正解だと思うが,いかがだろうか。同僚なので)。