松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

グレアム・T・アリソン著,宮里政玄訳『決定の本質ーキューバ・ミサイル危機の分析』(中央公論社)を読了

標記の本を読了した。
第2版があるようだったが,ひとまず第1版を読んだ。
結論からいえば,読んだ感想は,難しい!というもの。
主に自分の勉強不足のせいで。世界史の勉強を真面目にしていなかったことが悔やまれる。
キューバ危機の文脈がわからないと,読むのに時間がかかるし,いまいち頭に入ってこない。
構成としては,アリソンの3つのモデル,すなわち,
1.合理的行為者モデル
2.組織過程モデル
3.政府内政治モデル
の3つについて,それぞれモデルの説明と実証分析を行うというもので,わかりやすい。
おそらく本書の示唆で重要なことは,これらのモデルが第1モデルの不足を第2モデルが補い,さらにそのまた不足を第3モデルで補うという形で発展してきたのは事実であるが,どれが一番優位ということはなく,互いに不可分であるというところにあると思う。
リアリティを追求した結果モデルが深化したと。しかしそれは元々のモデルを切り捨てることとは異なっている。
また,そういったモデル間の不可分な関係をおさえた分析が課題であることが,まさに最終章で示されていた。

決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析

決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析