松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

成人学習におけるマタイ効果ーー学ぶ者はますます学び、学ばない者はますます学ばなくなるーー

8月上旬に勤務先で教員免許状更新講習が実施された。
この件については既に何度かまとめた通りである。
「教員免許状更新講習ってなに?」のver.2をアップしました。 - 松宮慎治の憂鬱
神戸学院大学における教員免許状更新講習の全日程が終了しました。 - 松宮慎治の憂鬱
教員免許状更新講習期間の日々のようすについて - 松宮慎治の憂鬱
それで、ぼくは勉強のために、そして仕事のために、必ず講習の内容を拝見するようにしているのだが(内容も知らないのにいい仕事ができるわけないという価値観のもと)、そういうことをしていると、結構印象に残るキーワードを聞けたりする。

表題の言葉は、そのうちの1つだ。
マタイ効果というのは新約聖書の中の言葉で、富める者はますます富み、奪われる者はますます奪われる現象を指すのだという。
ある講習では、講師の本学教員が、「成人学習でも、同じことが起きる」と言っていた。
すなわち、学ぶ者はますます学び、学ばない者はますます学ばない。結果として、学びに格差が生まれていくということである。
だから、「学生さんには、どんな形でも学習を続けなさい」と言うようにしている、とも。

ぼくはこの話に、いたく感銘を受けた。これは本当のことだが、あまり誰も教えてくれないことでもある気がした。
たとえばうちの学生の中には、関学落ちました、甲南落ちました、本当は国公立行きたかったです、そんな子がたくさんいるだろう。
しかし、そんなことは大して重要ではないのだ。もっとも恐ろしいことは、学習を継続せず、大人になって学びを放棄することだ。
ぼく自身は、学生時代は勉強が嫌いで、やりたい科目だけ(倫理と数学と国語とか)やるクセがあったのだが、働き出してからはそのようなことはなくなった。
現実に向き合う中での課題にアプローチするという要素が、学びに向かう上で自分の場合不可欠であったようである。
一方で、働き出してからあまり学ばなくなるケースというのもかなり見聞きしていて、なぜそうなるのだろうという疑問をもってきた。
学歴(学校歴)なんてOSみたいなもので、たしかに一時点では価値があるが、アップデートしないと錆び付いていく。
ここ最近、学歴(学校歴)にまつわるイヤな話をいくつか聞く中で、成人学習におけるマタイ効果を思い出した次第である。