松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。

どんな仕事も,待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代だよね

以下のブログが自分のツイッターのタイムライン等で,一瞬耳目を集めていた。
意見としては,「この待遇はごく一部」といったようにバイアスの大きさを指摘するもの,仕事のやりがいには触れずお金に言及することが,無駄に職業を貶めることに繋がるのではないかと批判するもの,等があった。
www.daigaku-syokuin.com
ぼく自身,自分がいくらもらっているのかということと,それに相応しいかどうかに関しては,かなり以前から内省的に考えてきた。
この理由は2つある。
第1に,自分の実力と釣り合わない待遇を得て,そしてそのことに気づかぬまま過ごすことのリスクを,高く評価してきたことである。
第2に,元官僚の宇佐美典也氏が,経済産業省時代に実名で自身の給与をブログに掲載したことに,今もなお尊敬の念を抱いていることである。
このようなことから,ブログで給料を公開したいという衝動にかられたことがあるし,そのことも記事にしてきた。
(全て古い記事なので,今読むとかなりの青臭さを感じてしまうが。。)
(ちなみに給料はツイッターで公開するという中途半端なことをした。。)
shinnji28.hatenablog.com
shinnji28.hatenablog.com
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冒頭のようなブログが公開され,色々な意見がつくことについて,ぼく自身は前向きに捉えている。
この記事を書いている方も,何らかの問題意識をもっていらっしゃるのだろう。
なぜそう思うかというと,そうでないとこのような記事を公開するのはリスクでしかないからである。
叩かれることもあるだろうし,特定される可能性もある。
単純に待遇に満足しているだけなら,わざわざリスクを負う意味がない。

その上で,10年間働いてきて思うのは,「どんな仕事も,待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代だよね」ということである。
待遇が良いに越したことはないけど,そのことを理由に働き続けることは難しい。
実際に,このブログ記事と同等かそれ以上の待遇の大学で,若くて優秀な人が辞めているケースは結構ある。
その人たちは当然あほではない。他の職種と比較して待遇が良いないし悪くないことは十分わかっている。
でも辞める。なぜ辞めるのか。そんな業界,「逆にヤバい」とも言えないか。
若くて優秀で,人間的にも優れた人が辞めるのは本当に苦しいものがある。
辞めても,この業界に留まってくれるならいい。それは単なる同業他社転職であり,業界の未来にとって悪くない。
しかし,新卒で就職したのに業界を捨てる人や,転職してきたのに病んで辞める人も,結構いるのである。
自分をはじめとして,それなりに長くこの業界で過ごした人間は,そのことの責任を問われなければならない。
そしてなぜそうなってしまうのか,原因がどこにあって,どうすれば今より良くなるのか,死ぬ気で考えないと先はない。
売り手市場だからといって,「代わりはいくらでもいる」的に考えていて発展するほど,世の中甘くないのである。

ぼくが就職した2008年頃は,「好きな仕事につく」という価値観は避けられていたし,実際自分も避けていた。
「ついた仕事を好きになる」という気持ちをもっていた。しかしこの10年,「好きなことを仕事につく」人は明らかに増え始めた。
多分,自分は間違っていたのだろうな,と最近では思っている。
個人の多様な選好が尊重される段階が拡大して,そしてこの先も縮小することはないだろう。
仕事だって1つではなく,いくつかのことをかけ持つようになるだろう。収入の入り口は分化してゆく。
そうなってくると待遇の優先順位は,マクロに見れば下がることはあっても今より上がることはないと思う。
待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代。
では,目当ての優先順位はどうなるのか?それは個人個人が,自らの価値観で選択することだ。
これからはそうなるし,今までも本当はそうであった方がよかった。
ぼくはその大きな流れを歓迎している。