松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

平岡公一・武川正吾・山田昌弘・黒田浩一郎監修『研究道:学的探求の道案内』(東信堂)を読了

標記の本を読了した。
この本は,目次を見ればわかるように研究活動を行う際の基本的な知識・態度について,特に従来黙示的に(師や先輩の姿を見て真似る等して)扱われたきた事項が解説されている。
執筆者は多様であり,それゆえそれぞれの執筆者の特徴が個々の章から読み取れる。
むろん,同じテーマを扱いつつも内容的に重複するような論稿もあるが,分野違いの研究者が集合しているのでむしろ当然と考えられる。
個人的にもっとも印象に残ったのは,第17章,鎮目真人先生による「量的研究における理論と計量モデルの対応関係の追求」であった。
この章では,量的研究においては理論と作業仮説との対応関係が重要であり,両者が乖離しすぎていないか,前者の後者への変換がうまくできているかといったことについて,ご本人が査読者から受けた指摘まで晒して解説されている。
さらに,年金政策へ制度論からアプローチされている視点については,偶然ではあるが自身の関心とも近く,「どんな本も読んでみることが大事だ」と偶然の出会いの大切さを改めて感じた次第である。

研究道―学的探求の道案内

研究道―学的探求の道案内