平岡公一・武川正吾・山田昌弘・黒田浩一郎監修『研究道:学的探求の道案内』(東信堂)を読了
標記の本を読了した。
この本は,目次を見ればわかるように研究活動を行う際の基本的な知識・態度について,特に従来黙示的に(師や先輩の姿を見て真似る等して)扱われたきた事項が解説されている。
執筆者は多様であり,それゆえそれぞれの執筆者の特徴が個々の章から読み取れる。
むろん,同じテーマを扱いつつも内容的に重複するような論稿もあるが,分野違いの研究者が集合しているのでむしろ当然と考えられる。
個人的にもっとも印象に残ったのは,第17章,鎮目真人先生による「量的研究における理論と計量モデルの対応関係の追求」であった。
この章では,量的研究においては理論と作業仮説との対応関係が重要であり,両者が乖離しすぎていないか,前者の後者への変換がうまくできているかといったことについて,ご本人が査読者から受けた指摘まで晒して解説されている。
さらに,年金政策へ制度論からアプローチされている視点については,偶然ではあるが自身の関心とも近く,「どんな本も読んでみることが大事だ」と偶然の出会いの大切さを改めて感じた次第である。
- 作者: 平岡公一,武川正吾,山田昌弘,黒田浩一郎,須田木綿子,鎮目真人,西野理子,樫田美雄
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2013/05
- メディア: 単行本
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