松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

日本教育社会学会編『教育社会学のフロンティア1――学問としての展開と課題』(岩波書店)を読了

標記の本を読了した。
教育社会学会を中心とした教育社会学の戦後の歩みと主要論点が整理されている。
教育社会学の定義(第1章),理論と方法(第2章),近年の課題(第3章)というまとまりで枠づけされており,わかりやすかった。
高等教育研究は教育社会学を大きな源流としており,かつ教師教育も主要に取り扱ってきた。
このことから,いつか体系的に理解しなければならないと思っていた。
「初めて」「体系的に」教育社会学を理解したい人にとっては必読の書と思う。

章立ては以下のとおりである。

序章 日本の教育社会学の七〇年……中村高康

Ⅰ 教育社会学の再検討

1 教育社会学と隣接諸学……広田照幸
2 〈近代化〉としての社会変動と教育……苅谷剛彦
3 政策科学への遠い道……矢野眞和
4 教育社会学と教育現場……酒井朗

Ⅱ 教育社会学の理論と方法

5 教育社会学と計量分析……中澤渉
6 教育社会学における質的研究の展開……北澤毅
7 日本の教育社会学の理論……久冨善之
8 教育社会学と歴史研究……今田絵里香

Ⅲ 教育社会学の新たな課題

9 「貧困」「ケア」という主題の学問への内部化……倉石一郎
10 アイデンティティ概念の構築主義的転回とその外部……仁平典宏
11 国家・ナショナリズムグローバル化……岡本智周
12 少子高齢化社会と教育の課題……木村元
13 「変容する産業・労働と教育との結びつき」へのアプローチ……筒井美紀

まとめと展望 教育社会学の「総合評価」の試み……本田由紀

学問としての展開と課題 (教育社会学のフロンティア 1)

学問としての展開と課題 (教育社会学のフロンティア 1)