松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

この春に新卒で大学職員になった方向けのアドバイスとしての資産運用のことなど

新卒の方にとって,資産運用の方法って結構大事なトピックでは?

新卒で働き始めた人というのは大変で,色々と気を遣うことが多い。
さまざまなしたり顔のアドバイスをまじめに聞かなければならないのは気の毒である。
仕事に与える年齢の貢献度は相対的にどんどん小さくなっているし,なんならITリテラシーや柔軟な思考という観点では当然若い人の方が優秀であろう。
加えて思うのは,仮にアドバイス的なことがあるとすれば,むしろ生活の知恵的なこと,たとえば資産運用のことなんかを助言してあげればよいのに,ということである。
働き始める前に一財産築いてきましたみたいな人もいるかもしれないが,さすがにまだ少数派であろう。
ただ投資は自己責任なので,そのあたりの塩梅は難しいが……。
また,誰にアドバイスを受けようかというときに,リテラシーに差がありすぎることが問題になる。
たとえば,ぼくは親に財形貯蓄的なものは定額でしておくといい,そして残った金額を使えばいいというアドバイスを就職するときにされたので,10年間私学共済で積立をしてきたが,正直あまり意味がなかったな,と後悔している*1
まず,そもそも浪費家ではなく,「ある分をある分だけ使う」というタイプではないので,「まずは貯金」みたいな厳格な考えを貫く必要がなかった。
かつ,私学共済の年利は現在0.25%であり,仮に1千万預けたとしても25,000円増えるだけである。
ほぼノーリスクで0.25%なら悪くないと思うかもしれないが,ぼくの感覚では「銀行に預けるよりマシ」という程度である。
0.25%では,運用する上でもっとも大切な時間の積み重ねによる複利の効果を実感できない。
その上で自分が特に意識しているのは,「その道のプロのアドバイスを素直に聞く」ことである。
ここで大事なことが2つある。
1つは,その道に精通している人ということの第一条件は,当然だが「自分でもやっている」ことである。
よく考えれば,自分の親は自ら運用などしていなかったし,なんなら投資など危険だと考えていたことと思う。
親の世代では郵便貯金の利率が7%とかあったので,その感覚ではわざわざ商品を購入して運用するなど危険そのものであり,必要がないという意見は正しい。
ことほどさように,アドバイスを聞く相手はよく選んだほうがよい。
もう1つは,「素直に聞く」ことである。
他のことでもそうだが,プロのアドバイスを素直に聞く人は意外に少ない。
「こうすればよいんだよ」とプロがアドバイスをしても,大半の人はそのとおりやらない。
逆にいえば,素直に,すぐに言われたとおりやれば,またそのプロの人は新しい助言をくれるのである。

自分がやっていること

以下に自分がやっていることを示しておく。
採用するもしないも,自由であるが,自己責任でお願いします。
なお,上記のとおり自分はプロのアドバイスを素直に聞くようにしているので,全てが自分で得た知識ではないことを付記しておく。
(1)確定拠出年金
2017年1月から対象者が拡大となり,私学共済加入者も対象となった。
限度額が年額14.4万円と上限があり,金額的には大したことがないのだが,全額所得控除対象になるので,節税になる。
やる以外の選択肢はないと思われる。
やらない(やれない)パターンとしては,毎月1万2千円を拠出するだけの余裕がない場合だけである。
cerise.hatenadiary.jp
(2)インデックスファンドの積立投資
実質コストが低いことのみを基準に,先進国株式と先進国債券のインデックスファンドを毎月積立で購入している。
国内株式や国内債券を選んでいない理由は,給与を日本円でもらっているからである。
www.toushikiso.com
(3)投資ロボの活用
ウェルスナビ,THEOという2つの投資ロボットを使っている。こちらも毎月定額を積み立てている。
これと(2)の運用成績を比較し,ロボットの方が効率がよさそうなら,(2)はやめるかもしれない。
ぼくは別に投資が趣味という人間ではなく,できるだけ自分の人生に時間を使いたいので,全自動の運用は魅力的である。
www.wealthnavi.com
theo.blue
(4)ソーシャルレンディング
投資型クラウドファンディングに限りなく近いサービスであり,融資を必要とする業者に銀行ではなく個人が資金を貸し付けることができる。
「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われることもあるが,おそらく他の金融商品と比べればハイリターンの部類に入るだろうと思う。
www.crowdport.jp
(5)暗号通貨
新しい技術がどう変化するのか見るために身銭を切っている。
身銭を切っていないと人間情報はとらないということから,相当額を投資している*2
coincheck.com
(6)自己投資
なんだかんだ言って若いうちは自己投資が最強である。
大学院に行くというのは,それを越えようと思うと留学しかないというレベルの高コストである。
何しろ今まで学費だけで250万くらい広島大学に課金しているし,ある時期まで毎週末広島に行っていたので,もはや計算するのも恐ろしいほど使っている。
しかし,そこで得たものは誰にも奪うことができないという意味で最強だと思う。
ただ,そこまで高いコストを払わなくても,働きながら勉強する(できれば仕事以外の時間で)というのはそれなりに難しく,しない人も多いので,ほんの少し,仕事の時間以外で何かを学ぶ習慣をもつだけで十分違いを生み出せると考える。

他の人がやっていること

以下は同業者のブログだが,お金や寄附,節約や税金のことについて淡々と記述されていて参考になる。
money-soliloquy.com

お金に対する自分のスタンス

組織にぶらさがることを避けたいと思っていて,そのための手段として上記のようなことをしている。
組織にぶらさがることを避けたいのは,ぶらさがってしまうと交渉力が下がるからである。
交渉力が下がると,良い仕事ができない。
いわゆる「栽培マン」「バイト脳」「勤め人」マインドで良い仕事をするのは難しい。
良い仕事をするためには,自活していることが重要である。
もちろん,幻冬舎の箕輪さんのように,「たとえ給料が0円でも幻冬舎に所属して働く」と言えるほど自活できれば良いが,自分の実力ではまだ難しい。
そして大切なことは,自分の世代は死ぬまで働かなければいけないので,死ぬまで働けるだけの健康とそのための基礎体力,および他の組織に移管可能な資質能力を有し,利害関係の異なる関係者と目的を一にしながら協働できることである。
なので,アーリーリタイアしたいのでもなければ,やはり自己投資が最強であろう。
今後も精進が必要であると改めて感じる。

*1:こういうことを書くと私学事業団から矢が飛んでくるかもしれないのだが,個人の感想としては事実なので,ごめんなさい。

*2:ただし,タイミングがまずくてめちゃくちゃ損をしています。今は放置中。