松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

剣道がオリンピック競技になるのは難しいと思う

剣道のオリンピック種目化は、連盟が拒否しているってほんと?

この間、チャゲ&飛鳥ASKAさんが、2度ほど剣道のオリンピック種目化に言及されている。

剣道 - aska_burnishstone’s diary
剣道 2 - aska_burnishstone’s diary

彼が剣道の達人であることはよく知られている。
その彼いわく、剣道がオリンピック種目化することについては、全日本剣道連盟が拒否しているという。
これって本当ですか?
オリンピック種目化の打診を拒否するなんて、ありうるのだろうか。
個人的には、それは連盟の悲願ではないかと思ってきたが……。

剣道のオリンピック種目化は難しい

ぼくは中高の6年間多少嗜んだだけの素人だが、正直剣道のオリンピック種目化は難しいと思う。
その理由は簡単で、「経験者以外が見て面白いものではなさそう」と思うからだ。
端的にいえば、剣道の有効打突(いわゆる一本)は、それがなぜ一本なのかがきわめてわかりにくい。
柔道のように投げたら一本、レスリングのようにおさえたら有効、のようなわかりやすさが全くない。
https://youtu.be/DGcUQNE6v7U
たとえば上記は全日本の大会の一本集だが、これだけ見るとそんなもんかも思うかもしれないが、
https://youtu.be/Ji4GPKVlzWk
上記と見比べたりすると、一本になりうるものとならないものの差が、経験者でない方にはまるでわからないのではないか。
経験者であればなぜかなんとなくわかったりするのだが、正直にいえばぼくも、上記の動画の中では速すぎて見えないものがある。
剣道の場合、この「一本がわかる」ということ自体が、その人のレベルの高さを示す。
だから、上位大会の審判はそれなりの人がやる。
また、剣道の有効打突は単に当たればいいというものではなくて、「心技体」が一致している必要があり、打突したあとの「残心」(打ち終わったあとも気を抜くことなく、反撃を想定して一定距離を離れて構えるさま。なお、残心が不十分な相手には追い掛けて打突すると逆に一本となることも…)も必ず求められる。
もちろん、ガッツポーズなどをすると一本が取り消される。
さて、このようなことが、気楽にテレビで観戦したい人に受け入れられるだろうか?
さらにいえば、「なぜ一本かがわかりにくい」ということは、「その人がなぜ強いかもわかりにくい」ということである。
例えば体操の選手などを見ると、レベルが高いかどうかは素人が見てもなんとなくわかる。
しかしながら、剣道はそうではない。
上記の動画に出ている選手など、仮にぼくが対峙してしまったら、構えた時点で漏らしてしまい、一歩も動けずボコボコにされるレベルのオーラを放っているのだが、そういうのは多分伝わりにくい。

以上のことから、剣道のオリンピック種目化は、そのわかりにくさ、魅力の伝わりにくさの点から難しいと思う。
たまに、「柔道のように本質が失われてしまうとイヤだ」的な意見もあるが、それは日本人選手が高い精神性を保って勝てばいいだけのこと。
個人的には、そうして大衆化していくことの方が日本の剣道にはメリットが大きいと思うし、元プレーヤーとしてはそれが嬉しいが、
既述の理由からちょっと難しいのではないかと考えている。