松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

【資料提供】大学行政管理学会 大学改革研究会 2016年度第8回ワークショップ「ともに学ぶ!実務者のための教員免許状更新講習」

shinnji28.hatenablog.com
こちらのワークショップについて,自身の報告内容をアップします。
別途配付資料がご入用でしたら,個別にご用命ください。
お忙しい時期に参加いただいたみなさま,場を与えてくださったJUAM大学改革研究会の関係者のみなさま,会場を貸してくださった名城大学さまに感謝します。

www.slideshare.net

小方直幸編『大学から社会へ―人材育成と知の還元』(玉川大学出版部)を読了

標記の本を読了した。
小方先生の集中講義を受けられたので,その際に直接指導いただきつつ拝読できた。

大学から社会へ 人材育成と知の還元 (リーディングス日本の高等教育 第4巻)

大学から社会へ 人材育成と知の還元 (リーディングス日本の高等教育 第4巻)

矢野眞和・濱中淳子・小川和孝著『教育劣位社会―教育費をめぐる世論の社会学』(岩波書店)を読了

標記の本を読了した。
去年の12月に発売された新刊。
たしか,去年の高等教育学会で濱中先生がご報告された内容のはず。
「キレキレやな~かっこいいな~」と感じつつ拝見していたのを覚えている。

本書の中で,一番社会に知られるべきなのは,第8章の矢野先生による,
高等教育に対する資金配分における逆進性言説に対する批判であろう。
すなわち,「大学教育は、裕福な者に消費されるから、大学教育費を税金で賄うと裕福な者が得をする」という考え方(p.179)を批判する。
具体的には,実は無償化されれば低所得者層の進学率が上がり,むしろ累進的であるということをエビデンスを用いながら論じている。

教育劣位社会――教育費をめぐる世論の社会学

教育劣位社会――教育費をめぐる世論の社会学

浅田次郎著『黒書院の六兵衛(上)(下)』(文春文庫)

標記の本を読了した。
江戸から明治に時代が遷移するときの江戸城無血開城の際,ただひらすら居座り続けた旗本がいたという話。
読了したあとになって,後ろの方に江戸城内の見取り図がついていたことに気づいて残念。

英語を読むときのコツに関する自己暗示

ぼくは昔から英語が苦手である。
もう少し正確にいえば,英語を勉強することが苦手で,この結果として英語が苦手になっている。
言語なんて時間をかければ誰でも一定レベルまでは上達するわけで,自分はそれだけの時間をかけるという労力を節約してきた。
実は大学受験までの勉強では,さして英語がわかっていなくてもなんとかなったりする。
センター試験なんかも,ぼくのときですら裏技的問題集が出ていたりして,そのとおりやれば点数がとれたりした。
小手先でちょこちょこっとやって,それで済ませる。今思えばなんて愚かなことをしたのかと思っている。
そういう反省がある中,最近は本当に苦労している。
とりあえず英語が全然読めない。時間がかかる。いわんや英語論文をや。
しかし,時間をかけるしかないのはわかっているので,できない自分を嘆きながらなんとかやるしかない。

そうしたときに,どんな文章が読めるのだろう?と楽しみにするメンタルを持つと,なんとなく続くような気がしている。
具体的には,読み始める前に,「楽しみだなー」と心の中で思ったり,読み進める中で,「何が書いてあるんだろう?」とワクワクしたりするのである。
本当はこれは,無理やりそう持って行っているだけの話で,心から思えているわけではないのだが。
そうでもしないと,全く読めない。
また,苦手意識もあるけど,要するに普段の仕事や生活の中で英文を読む必要性がないので,勉強できないのだな,という気持ちもある。
「研究に必要」というので頑張らないといけないけど,時間の使う場所はやはり仕事が大きいし,その次に生活は生きていくためにしないといけないし,どうしてもその2つに勝つことは難しい。
なんだかんだいって上達するには,「生活に必要」「仕事に必要」のどちらかで,今の自分にはそのどちらもない。
なんとかして,生活か仕事のどちらかに英語を組み込みたい。
そういう意味では,自分の場合は留学生とかかわる部門で働けば,できるようになるのかもしれない(全く考えたこともないけど)。
あるいは,よく言われることだが英語圏の人と仲良くなるか(いろいろな意味で)。
もしくは,最近忙しくてできていなかったのだけれど,昼休みは必ず図書館で英語論文を読む,電車の行きかえりはトイックの勉強,というように,生活の中に割り当ててしまうか。
これは結構疲れるのだが,ある一定のレベルになるまで(楽しくなるまで)は我慢するしかないのだろうか。

筒井淳也・水落正明・保田時男編『パネルデータの調査と分析・入門』(ナカニシヤ出版)を読了

標記の本を読了した。以下にお邪魔するにあたって,ほとんど勉強せずというのも恐縮だったからである。
shinnji28.hatenablog.com
本書の構成は,まずパネル調査とは何か,その現状と概要を説明した上で,実際の分析の説明に入る前に,回帰分析の解説とその限界が指摘される。
具体的には,回帰分析ではバイアスの問題に十分対応できないということが示されている。
なんとならば,バイアスの多くは個体特性に起因するのに,変化しうる属性(たとえば,個人の能力や体力)は観察できないからである。
p.39に,

パネルデータの強みを活かせる分析とは,基本的に変化する変数で変化する変数を説明するものである。

とあるが,この記述もわかりやすい。例として「夫婦の労働時間の変化が家事分担に及ぼす影響」が挙げられている。
こうした原理・原則を踏まえて,具体的な分析手順が基礎編→応用編で示されてゆく。
加えて,パネルデータ固有の問題である,サンプルの脱落についても説明されている。
最後に,具体的な分析事例が7つ掲載されている(論文体で)。
なかなか一発で理解するのは困難で,何回も読み直す必要性を感じているが,素人でもよくわかる内容であった。

パネルデータの調査と分析・入門

パネルデータの調査と分析・入門