松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

「教職課程認定申請書 様式8号ア」を書くときに気をつけたい3つのこと

「様式8号ア」というのは、申請する教職課程の設置理念を記載する書類で、近年重視されていると言われています。
重視されると言われながら、書き方がわからずお困りの方がいらっしゃるかもしれませんので、自分なりの考えを記しておこうと思います。
なお、この考えはあくまでも2015年2月14日時点のものです。
そして、正しいかどうかも不明です。恐縮ですが、私はこうしているということに過ぎません。

①読むのは、その分野の素人です

まず前提としてわかっておかなければいけないのは、この書類を読むのはその分野の素人だということです。
よって、素人が読んでわかる文章を書く必要があります。
イメージとしては、科研の申請書と新聞への投稿との間くらいの感じで書けばよいと考えています。
科研の申請書は一応、当該分野の専門家(それでも広いですけど)が見ることになっているので、そこまでではない。
かといって、新聞のように一般市民の視点が必要かというと、そういう方よりは大学や当該学問分野に関するリテラシーは一定程度持っている。少なくとも、なんらかのリテラシーを背景に、しらない分野のことも理解する力がある。
こういう人を読者に想定して書けばよいと考えています。

②なによりも、わかりやすいことが大事です

読者の想定が済んだら、どのように書くかを考えるわけですけど、多分冗長なのはダメです。 
読者は、同じ書類を100枚とか150枚とかいうレベルでたくさん見ることになるからです。
パッと見て読む気がするかどうかという、<第一印象で整っている感じ>が最低限必要ではないでしょうか。
あとは、完結、論理的でわかりやすく、かといってやる気を疑われるレベルで短すぎないくらいを私はイメージしていました。
6枚以内ということになっているので、分量としてはやはり5枚くらいは書いた方が無難だろうと考えています。

③「この学部学科の学びは、申請する教科の指導にどう役立つのか」がメインテーマです

気づいたら、ひたすら「その学部学科で何が学べるのか」が羅列されてしまうときがあります。
しかしながら、この申請書は、教職課程を置かせてくださいと申請するためのものです。
「その学部学科で何が学べるのか」をひたすら書く、それが必要なのは学部設置の申請書です。
本様式で真に必要なのは、「その学部学科で学べることは、申請する免許教科を学校現場で教えるときにどう役立つのですか?」という問いに対する答えです。
「何が学べるのか」ではなく、「その学びがどう免許教科に繋がるのか」が大事だということですね。
とはいえ、「何が学べるのか」が全くないと、初めて読む人にはわかりにくいので、私はこの両者の割合を3:7くらいに調節していました。


「その学びがどう免許教科に繋がるのか」は、なかなか書きにくいかもしれません。
でも、申請する免許教科が今現在教育現場において抱えている課題を検討し、その課題を解決できる人材を育てられるんですよ、という趣旨のことを書く。これをイメージすれば書きやすいと思います。
まあ、課題を検討するといっても、「現在の学校現場において、この教科の指導にはこういう課題がある」と文中で明示はしたりはしませんけどね。現状の批判はここで書くべきことだと思いませんので。
あくまでも、書くためのとっかかりとして利用しましょうということです。
私の場合は、たとえば英語なら「今学校における英語教育にどんな課題があると思いますか?」という問いを教員に投げかけ、議論をしました。
これは私のやり方ですが、本様式は課程の設置理念を説く、他の様式の基礎となる部分なので、ここをどう教員として形づくっていくかということは、事務職員の腕の見せ所だと考えています。