ぼくらの世代には年金など期待できず,生涯死ぬまで働き続けなければならないのは自明である。
そうした中で,現在の資産を維持しようとするいわゆる貯蓄,これにはあまり意味がないと感じている。
むしろ大切なのは,生涯働き続けることができるだけの健康と能力を維持できるか,というところにあって,このためにはやはりさまざまな自己投資が有効である。
特に若い頃はそうだ。仮に20代で多額の貯蓄をしたとしても,生涯働き続けることができなければあまり意味をなさない。
「若いときにしっかり貯金しておけ」的なアドバイスも受けたことがあるが,そういう人は先行逃げ切り型なのかもしれない。
卒業した大学の名前や若い頃の貯蓄など,若い頃の資産に頼りすぎると,「いかに逃げ切るか」という発想になりがちである。
それはそれで悪くないのだが,人生のピークが前半のうちに来てしまうという点で,ぼくから見ればつまならなく感じる。