松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

【2018年3月までトップに掲載】教職関連,特に再課程認定申請関連のお問合せがある方はこちらへ → sanjyuumatsu@gmail.com

何かございましたら,いつでもお問合せください。
shinnji28.hatenablog.com

2016.12.4

どんな仕事も,待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代だよね

以下のブログが自分のツイッターのタイムライン等で,一瞬耳目を集めていた。
意見としては,「この待遇はごく一部」といったようにバイアスの大きさを指摘するもの,仕事のやりがいには触れずお金に言及することが,無駄に職業を貶めることに繋がるのではないかと批判するもの,等があった。
www.daigaku-syokuin.com
ぼく自身,自分がいくらもらっているのかということと,それに相応しいかどうかに関しては,かなり以前から内省的に考えてきた。
この理由は2つある。
第1に,自分の実力と釣り合わない待遇を得て,そしてそのことに気づかぬまま過ごすことのリスクを,高く評価してきたことである。
第2に,元官僚の宇佐美典也氏が,経済産業省時代に実名で自身の給与をブログに掲載したことに,今もなお尊敬の念を抱いていることである。
このようなことから,ブログで給料を公開したいという衝動にかられたことがあるし,そのことも記事にしてきた。
(全て古い記事なので,今読むとかなりの青臭さを感じてしまうが。。)
(ちなみに給料はツイッターで公開するという中途半端なことをした。。)
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冒頭のようなブログが公開され,色々な意見がつくことについて,ぼく自身は前向きに捉えている。
この記事を書いている方も,何らかの問題意識をもっていらっしゃるのだろう。
なぜそう思うかというと,そうでないとこのような記事を公開するのはリスクでしかないからである。
叩かれることもあるだろうし,特定される可能性もある。
単純に待遇に満足しているだけなら,わざわざリスクを負う意味がない。

その上で,10年間働いてきて思うのは,「どんな仕事も,待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代だよね」ということである。
待遇が良いに越したことはないけど,そのことを理由に働き続けることは難しい。
実際に,このブログ記事と同等かそれ以上の待遇の大学で,若くて優秀な人が辞めているケースは結構ある。
その人たちは当然あほではない。他の職種と比較して待遇が良いないし悪くないことは十分わかっている。
でも辞める。なぜ辞めるのか。そんな業界,「逆にヤバい」とも言えないか。
若くて優秀で,人間的にも優れた人が辞めるのは本当に苦しいものがある。
辞めても,この業界に留まってくれるならいい。それは単なる同業他社転職であり,業界の未来にとって悪くない。
しかし,新卒で就職したのに業界を捨てる人や,転職してきたのに病んで辞める人も,結構いるのである。
自分をはじめとして,それなりに長くこの業界で過ごした人間は,そのことの責任を問われなければならない。
そしてなぜそうなってしまうのか,原因がどこにあって,どうすれば今より良くなるのか,死ぬ気で考えないと先はない。
売り手市場だからといって,「代わりはいくらでもいる」的に考えていて発展するほど,世の中甘くないのである。

ぼくが就職した2008年頃は,「好きな仕事につく」という価値観は避けられていたし,実際自分も避けていた。
「ついた仕事を好きになる」という気持ちをもっていた。しかしこの10年,「好きなことを仕事につく」人は明らかに増え始めた。
多分,自分は間違っていたのだろうな,と最近では思っている。
個人の多様な選好が尊重される段階が拡大して,そしてこの先も縮小することはないだろう。
仕事だって1つではなく,いくつかのことをかけ持つようになるだろう。収入の入り口は分化してゆく。
そうなってくると待遇の優先順位は,マクロに見れば下がることはあっても今より上がることはないと思う。
待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代。
では,目当ての優先順位はどうなるのか?それは個人個人が,自らの価値観で選択することだ。
これからはそうなるし,今までも本当はそうであった方がよかった。
ぼくはその大きな流れを歓迎している。

【(再)課程認定に関するQ&A その6】業績書に記載する担当科目って,複数の課程で科目持ってたらどう書けばいいの?

今日のご質問は,「業績書に記載する担当科目って,複数の課程で科目持ってたらどう書けばいいの?」というものです。
さっそくいきましょう。

Q1

こんにちは。
××にございます、××大学××課の××と申します。
突然のご連絡で失礼いたします。

昨年から京都地区教職課程連絡協議会の勉強会に参加させていた
だいており、先の10月開催分でも松宮様の説明を拝聴し勉強させ
ていただきました。ブログでの情報ご提供も含め日頃より大変お
世話になり、ありがとうございます。

さて、本日松宮様にお伺いしたい事がありご連絡差し上げました。
内容は11/2(木)に配信された最新の「教職課程認定申請の手引
き【再課程認定】」p56①に記載がある“認定を受けようとする
学科等の教職課程”という文言の解釈についてです。

具体的には幼稚園教諭の課程、小学校教諭の課程といった風にあ
る学科における免許課程の一つ一つを指すのか、それとも当該学
科が持つすべての課程を指すのかについて判断できずにおります。

本学での具体例ですが、質問については以下のような場合の判断
となります。


1.
A教員
児童教育学科 幼稚園教諭課程で 科目Bを担当・・・審査対象
児童教育学科 小学校教諭課程で 科目Cを担当

この場合科目Cも業績書記載対象科目となるのか?

2.
D教員
児童教育学科 小学校教諭課程で 科目Eを担当・・・審査対象
法律学科   中学校教諭課程で 科目Fを担当

この場合科目Fは業績書記載対象科目ではない。(で良いのか?)


業績書の提出対象となった教員が“認定を受けようとする学科等
の教職課程”で別の科目も担当している場合、その全ての科目を
業績書に記載する必要がある事は認識しておりましたが、実際に
教員に作成依頼を行う段階になり、この言葉の解釈について改め
て考えるうちに不安になった次第です。

教職の用語が分かっておらず、非常に基本的な質問となり大変
お恥ずかしい限りですが、ご見識についてお教えいただければ
幸いです。

お手数おかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

私の回答は以下のとおりです。

A1

お問い合わせいただきありがとうございます。

> 具体的には幼稚園教諭の課程、小学校教諭の課程といった風にあ
> る学科における免許課程の一つ一つを指すのか、それとも当該学
> 科が持つすべての課程を指すのかについて判断できずにおります。
私は後者だと思います。

ご質問の趣旨を私なりに解釈すると,課程をまたがって複数の科目を担当していた場合,
どのように記載するのかということになるでしょうか。
もしも,課程の一つ一つを指す場合,教員の業績も課程ごとに記載することになりますよね。
しかし,今回の様式はそうなっていないので,上記のように考えます。

その上で,科目の記載順をどうすればよいかということについては,
「新旧対照表の記載順」(p.58,『手引き【再課程認定】ver.H29.11.2 送付版【見え消しなし】』),
ということになるように思います。

これに対して,追加の質問をいただきました。

Q2

××大学××課の××です。
大変お世話になっております。

早速お返事をいただき大変恐縮です。
本当にありがとうございます。

様式から判断する考え方で良く理解することができました。
また、質問の趣旨が分かりづらい形となっておりましたが、汲み
取っていただき、記載順についても手引きの該当ページをご教示
いただきありがとうございました。

なお、重ねてのご確認で恐縮ですが、様式が個人で1式しかない
ことからすると先のお尋ねメールに記載した事例2の場合も学科
・課程をまたぎ全ての記載するという認識で良いのでしょうか。

念のためお伺いをさせていただきました。
再度お手数をおかけして申し訳ございませんが、ご教示のほど
よろしくお願い申し上げます。

これに対する私の回答は以下のとおりです。

A2

事例1,2も,課程をまたがっているという意味では同じです。
ですのでたとえば,お示しの学校種の例以外にも,よりありうる例として,
中一種免(社会),高一種免(地歴),高一種免(公民)のように,
免許教科で複数の科目を担当していた場合も同様に考えられると思います。

要するに,その先生が担当する科目が申請する課程に入っていたら,全部書けということです。
たしかに,学校種を超えた複数の課程を同時に申請することは少ないですし,ある意味再課程認定で,おや?となるケースかもです。
一方,社会,地歴,公民のように近接領域でまたぐことは当然想定されますが,学校種またぐことってそんなにあるのかなーと思いつつ。
幼小免詳しくないので,そのあたりのリアリティを自分は持ってませんでした。

【再課程認定】「シラバス」「業績書等」の提出パターンを更新しました(2017.11.17)

以下,最下部の更新部分をご確認ください。
ちょっと細かすぎるところかもしれませんが。
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【朗報】本日,新教育職員免許法施行規則がついに公布されました!

kanpou.npb.go.jp

長かった……9ヵ月待ちました。
関係のみなさま,おつかれさまでした&ありがとうございました。
また,施行規則の公布に伴い,教職課程コアカリキュラムと外国語(英語)コアカリキュラムも決定しました。
担当部門には,文書に先んじてメールがいっています。
もし入手できない方がいらしたら,ご連絡いたければ提供します。

【再課程認定】「シラバス」「業績書等」の提出パターンを更新しました(2017.11.13)

以下のとおり,更新しました。
最下部の更新部分をご確認ください。
shinnji28.hatenablog.com

以前示した自身の疑問を,上記の更新で解決したつもりです。
shinnji28.hatenablog.com

ところで,11月2日(木)に配信された最新版で,この「シラバス」「業績書等」の提出パターンが大幅に更新されていました。
上記の枠組みが未だ適用可能か検証中です。ご利用は自己責任でお願いします(あんまりこれ書きたくないんですが,さすがにこの時期にここまで表現が変わると,不安になります)。
しかし,ほぼ問題なさそうです。ここにきて突然提出を要する書類が変わるわけもありませんので。
ただ,最新版の記述は意味がわからないという方も多かろうと思います。
ありていに言うなら,より精緻に,漏れのないようにと考えた結果,詳細すぎて極めてわかりにくくなってしまった,というのが私の感想です。
たとえば,いきなり定義なく登場した「事項①」「事項②」の意味がわからず,私自身も他大学の友人の助言で理解しました。
あの「事項①」「事項②」というのは,当該頁で対照するためだけのツールであるようです。
その一方,「事項」というのは施行規則で用いられる言葉ですから,あの用いられ方では混乱を来してしまいます。
最低限,初出の前に定義もしくは表の参照方法の説明が必要です。
率直にいって,この時期に手引きを(かつての大学入試のように)読み解かなければいけない状況は,あまりにも厳しいです。
途方に暮れてしまった方をフォローすべく,「サルでもわかるシリーズ」を11月中にアップすることをお約束します。
最初にすべきことは,いったいその言葉が何を指すのか,用語の定義づけを確認していくことかもしれません。

飯尾潤(2007)『日本の統治構造―官僚内閣制から議員内閣制へ』(中公新書)を読了

標記の本を読了した。
筆者の問題意識は,議院内閣制が分権性(≒三権分立)と結び付けられるていることの,国際通用性のなさ,そこからくる独自性への批判(≒どっちつかずの議院内閣制)に帰結している気がした。
ただ,初版が政権交代前であったがゆえに,歴史的分析が55年体制のそれに留まっていることが残念である。
民主党への政権交代,及びその後の再交代を筆者がどう評価されているのか知りたい。

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)