松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。

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以前,教職課程や再課程認定関連の照会をいただいていましたが,継続します。
shinnji28.hatenablog.com

「大学職員になりたい」というご相談もお待ちしております。
shinnji28.hatenablog.com

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小笠原祐子(1998)『OLたちの〈レジスタンス〉:サラリーマンとOLのパワーゲーム』(中公新書)を読了

おススメいただいて,標記の本を読了した(麦山さん,ありがとうございます)。
本書は,OLを暫定的に「正社員として、現在及び将来にわたって管理的責任を持たずに、深い専門的もしくは技術的知識を必要としない一般事務的、もしくは補助的業務を行う女性」と定義し,彼女らが対概念となる正社員ないし総合職の男性といかなるパワーゲームを繰り広げているかについて,社会学的に分析した良書である。
本書の議論は,両者の差別-被差別の関係やその解決策を見出そうとするものには向かわない。
両者の関係がいかにして成立しているのかに関心を置く。
本書の焦点をひとことで言うならば,それは「構造的劣位の優位性」である。
OLは構造的に劣位に置かれているにもかかわらず,むしろその劣位を利用して優位にふるまうことになる。
これを「レジスタンス」を呼ぶが,実のところ,「レジスタンス」をすればするほど,皮肉にも構造的劣位が再生産されてしまうというのである。
加えて,かかる両者の関係が伝統的な家族—夫婦関係—に酷似していることを喝破している点も興味深い。
働き方の中で,多様性と公平性をどう担保するかを考えようとするならば,それは男女,年齢,雇用形態といったいくつかの要素に分解できるだろう。
このとき,システムを改良しようと思うと,劣位の立場がその構造を利用して「レジスタンス」を行うことは,むしろ逆効果ではないかというのは非常にシニカルではあるものの,重要な示唆である。
男女,年齢,雇用形態といった不公平をなんとかしたいならば,それらによって区切られるようなコミュニケーション(女子会,若手の会,云々…)からは,自ら脱却しなければならないのであろう。

OLたちの「レジスタンス」―サラリーマンとOLのパワーゲーム (中公新書)

OLたちの「レジスタンス」―サラリーマンとOLのパワーゲーム (中公新書)

2018年10月に読了した小説,エッセイ,漫画

そもそもなぜ自分が読了記録をつけているかというと,一度購入した本を再度買うという愚かなことをしてしまいがちだからです。
小説やエッセイに関しては学術書と違って単なる息抜きで,いちいち感想を書き留めるのがしんどくなってきたので,以後このように羅列するようにしたいと思います。

婚活中毒

婚活中毒

ガラスの殺意

ガラスの殺意

朝が来る (文春文庫)

朝が来る (文春文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(上) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

黒い紙 (角川文庫)

黒い紙 (角川文庫)

バカとつき合うな

バカとつき合うな

インベスターZ(1)

インベスターZ(1)

今月はマンガ多めでした。

大学職員は教員と仲良くしましょう

munyon74.hatenablog.jp
こちらを拝読して,タイトルを反転させつつ,思ったことを書いてみようと思い立ちました。

ただ、教員と職員、って、ある意味反対の仕事、だと思うのですよね。教員は「自由にやろうよ」「学生のためになるよ、こっちのほうが」みたいな意見をもっている一方、職員は「いや、そんなこと言っても、ルールがありますから」「管理しないと困ります」という主張になります。まあ、職種としては当然ですよね。

お互いのことを踏まえるためには,職員も「学生のためになるよ,こっちのほうが」って思ったり,逆に教員側が「それはやりすぎだろう」と言ったりして,やや逆のスタンスを意図的にとればうまくいくんじゃないかなと思っております。

なので、教員は、機会を見つけて、職員と少し話をしてみるといいな、と思っています。まずは「仕事、大変ですよねー」っていうあいさつとかでもいいのでは、と思います。あとは職員の仕事を考えてみると、こちらもどうしておけばいいのか分かることも多いです。そういうことを積み重ねると、職員側も教員のことを考えていろいろアドバイスしてくれたり、助けてくれたりします。

ぼくが意識していたり,人に勧めたりしているのは,一緒に仕事する先生の,
 ①教員総覧や研究者総覧を見て,
 ②できれば論文や本を拝読する,
ということです。
この点,教員から見た職員とのコミュニケーションより,はるかに簡単です。
なぜなら,全部公開されているから。
普段お仕事する先生のものは当然拝読していますし,もしあまり知らない先生と一緒に入試の出張に行くことになったら,少なくとも①はやります。
この理由は,その先生がどういう専門で,どんな研究をされているか,というのが会話の糸口になることと,専門の違いによって思考のクセみたいなものが異なるからです。
①は,普通の大学は公開していますし,②はオープンアクセスならgooglescholarやCiNiiで見ることができます。
つまり,タダで確認できるんです。無料だし簡単なんだから,やろうよ,というスタンスです。
あとは,教育は休講したら補講しないといけない(簡単に別の人が代替可能な仕組みになっていない)といったことや,
研究活動は,「自分の好きなことをしている」といった単純な論理では片づけられないこと,専門のことは分野外の人間にはわからないという謙虚さをもつこと,といったことが大事かなと思います。
ただ,事務的な手続きを教員が詳細に知らないというのもまた事実なので,ここは一緒かなと。
情報の非対称性を自分の利益のために使わない,ことが大切なのかもしれません。

あとは、教員と職員は職種が違うだけで、上下関係はないので、フラットに付き合うことを意識しています。これ大事ですよね。

実は,職員の側は,「先生,先生」と立てつつも,管理という権限を使って,実質的に統制しようとするコミュニケーションをとることがあります。
管理する側とされる側,チェックする側とされる側,みたいな区別は,モチベーションを失わせます。
そのこともあって,「上に立てる」というのは,一見良いようでいて,実際には「下に見ている」ということの裏表だな,と感じることがあります。
同時に,今の若い先生は任期付であることが多いので,任期無職員である自分の方が,報酬も高く,立場も強いのだということは結構気にしています。
若く優秀な研究者を,強い立場を利用して応援できないかな,というのは,常に自分の中の大きなテーマの一つです。
(これは,職員組織内でも様々な身分形態があるので,その延長線上の話でもあります)


また,結局のところ,職員というのは,教員や学生に気持ちよく過ごしてもらってナンボ,みたいなところがあると考えます。
教員と仲が良くない(≒根本的なところで信頼されていない)と全く仕事にならない部門もあります。
ですので,何らかの提案を受けたら,一旦は「頑張ってうんと言う」(前向きに考える)ことを意識しているところです。


以上のようなことを考えるきっかけになったのは,某横田利久さんが仰っていたことです。
このお話を伺ったのはもうずいぶん前,就職したての,23歳くらいのときだったと思います。
内容はすなわち,
・学内行政の仕事に積極的に関与するのは,職員にとってはチャンスである
・だが教員にとっては,時間もリスクも自分持ち。なんなら,「研究ができないから行政に懸命なのだ」と揶揄されることすらある
・この事情を職員はきちんと知って,教員の専門のことも理解しつつ,火中の栗を拾う役割を担いなさい
ということでした。
教員は専門の学会において研究業績で評価されるのだから,自分たちと同じ原理で行動すると思わないこと,そして,彼らが職員に対して,「自分たちの職業文化を理解してもらえるだろうか」という根源的な不安を常に抱いていること,そういうことをよく知った上で,一緒に働きましょうねというお話でした。


そういうわけで,基本的には,一緒に働いている先生には,極力教育や研究という,大学のコアに注力していただく,そのための時間をいかに生むか,ということを重視する日々です。
(実際なかなかできていないこともあるので,心苦しいのですが)

廣瀬雅代・稲垣佑典・深谷肇一(2018)『サンプリングって何だろう:統計を使って全体を知る方法』(岩波科学ライブラリー271)を読了

統計数理研究所所属の著者がサンプリングについてわかりやすく解説された本。
第1章では,BB弾を例にしたサンプリングの説明に併せて,「理論的には確かにそうなのだけど,実際はこういう点がうまくいかないよね」という補足を行う。
(結局は,推定精度と作業負担のバランスで考えないといけないというお話)
第2章では,第1章と関連させて,社会調査を行う際のサンプリング(「層化」「多段抽出」)を解説する。
第3章では,生態調査を行う際のサンプリング(個体をカウントする「リンカーン-ペテルセン推定量」)を解説する。
中学生でもわかるように書いてある良書。
実際,子ども向けのサンプリングの勉強イベントを主催されているらしい。

サンプリングって何だろう――統計を使って全体を知る方法 (岩波科学ライブラリー)

サンプリングって何だろう――統計を使って全体を知る方法 (岩波科学ライブラリー)

報告を行います:「私立大学に対する競争的資金配分の動態と成果(仮題)」@2018年度日本高等教育学会研究交流集会

標記の会において以下の報告を行います。
もしよろしければお越しいただき,ご指導いただければ幸いです。
博士論文の執筆のための,大きな枠組みをいったん提出して,ご批判いただこうと考えております。

1. コメンテータ:
 浦田広朗先生(桜美林大学
2. タイトル:
 私立大学に対する競争的資金配分の動態と成果(仮題)
3. 概要:
 本報告では,私学助成の競争的配分をめぐる2つの分析を行う。第1では,私立大学等改革総合支援事業タイプ1への申請行動と成果を,機関の主観変数に着目しながら明らかにする。第2では,私学助成全体に焦点を拡大し,補助金が私学経営にどう貢献するかを時系列分析によって推定する。以上の分析を総合することで,私学助成の競争的配分の動態を描くとともに,政策の批判的検討を試みる。

rihe.hiroshima-u.ac.jp

募集終了→【ご案内】第2回 大学職員のための(I)Rゼミナール(11月18日(日)開催:大阪大学中之島センター)について

申し訳ございません。
あさがおMLに流したせいか,再び一瞬で埋まってしまいました。
地方開催の要望もいただいていますので,積極的に検討します。
定員が少なく(また,こちらの資源も多くないので),なにとぞご寛容ください。
(2018.10.31)

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前回好評を頂戴しましたので,第2回を行います。
内容は第1回と基本的に同じなので,前回参加いただいた方は不要かと思いますが,なぜか申し込まれている方が。。
rihe.hiroshima-u.ac.jp

【ちょっとだけネタバレあり】永井聡監督作品(2014)『ジャッジ!』を鑑賞

国際広告祭の裏事情を描いたコメディ映画を鑑賞した。
この映画の見所は,コメディに強い北川景子ツンデレ具合と,才能を発揮する妻夫木聡の演技である。
ただ,前半に比べて後半の質感がややチープに感じてしまった。
ところで,この映画の脚本を手掛けているのは電通の関係者だが,映画の中で絶賛されているCMは実は博報堂が作ったものであり,プロとして,「良いものは良い,悪いものは悪い」でいこう,の精神が反映されているという記事をみた。
もし本当ならなかなかかっこいい裏テーマのように思う。

ジャッジ!

ジャッジ!