松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

論文が出ました:「私立大学の教職課程における「センター組織」の実際」『大学事務組織研究』第6号,pp.45-53.

残念ながらオープンアクセスではありませんで,有料で頒布する形式になっています。
大学事務組織研究会 » Blog Archive » 大学事務組織研究会「大学事務組織研究(第6号)」 頒布のお知らせ。
抜刷はありませんが,冊子が三冊ほどありますので,仰っていただければ先着順でお送りします。
要旨は以下のとおりです。
執筆をご用命いただいた寺尾謙さんに感謝します。

私立大学の教職課程における「センター組織」の実際を実証的に素描するために,①どのような大学が「センター組織」を設置しているのか,②「センター組織」の設置は教員採用に貢献するのか,という2つの問いに答えることを試みた。結果からは,「センター組織」設置に集権志向の違いは効果をもたず,教育学部等の目的養成課程を保有,教員採用への志向性,規模の大きさ,偏差値の低さが効果をもつことがわかった。また,「センター組織」の設置は教員採用に貢献するように見えるものの,より大きな効果をもつのは,目的養成課程の保有であることがわかった。つまり,「センター組織」は,集権志向とは無関係に,教育学部等の目的養成課程を保有する大学で設置されている傾向があり,その傾向が「センター組織」設置を媒介して,教員就職者数にも効力を有していると考えられた。これらのことから,「センター組織」は,実効的役割というよりも,目的養成課程を有する大学による政策ないしステークホルダーの説明責任としての機能を果たしていることや,大学ガバナンス改革の文脈とは異なり,組織の設置自体は集権志向とは無関係であること等を指摘した。