松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

牧原出(2018)『崩れる政治を立て直す:21生起の日本行政改革論』(講談社現代新書)を読了

標記の本を読了した.
本書の要諦は,小泉改革以降の政官関係を,官僚制組織の「作動」に焦点をあて,第1次安倍政権と民主党政権がその「作動」に失敗したと喝破したことにある.
ここでいう「作動」とは,同じ改革を行うにしても,構造が「静かに変化が起こるように仕組まれ」ていることを指す.
一般に政治主導を謳い,官僚制機能を瓦解させたのは民主党政権であるとされていると思われるが,本書では第1次安倍政権の時点で既に失敗していると指摘しているのも興味深い.