松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

大学で業務改善を試みたときに言われがちなこと(と,それへの反論)

①そんなことはできないと聞いた!

今,こうこうこうすれば,こうできるのでは,ということを調べてお示ししています。
前はできなかったもしれませんが,今はできるようになったのかもしれません。
状況は変わるものだから,前の状況が今も続いているとは限りません。
ですので,いつでもゼロベースで再考することが必要ではないかと思います。

②今までのやり方を否定するのか!

否定というより,批判的に考えています。
改善は批判的に考えることからしか生まれません。
「本当にこの方法で良いのだろうか?」と率直に思うことが,「もっとこうすればうまくいくのでは」という前向きな提案に繋がります。
出発点はいつでも批判的思考であり,これは大学で学生に促さねばならぬ学習の一つでもあります。

③以前からこうしている!

これは事実の提示であって,反論ではありません。
以前からこうしている!だからこれからも続けよう!という発想ですと,極端に言えば,組織ぐるみのリコール隠しをしていた某クルマメーカーのようになってしまう可能性があります。
彼らは監査がくるたびに,書類を倉庫に隠すということを皆でやっていたのです。
普通に考えれば一人くらい,「こんなこと変じゃないか」と思いそうなものですが……
なぜバレたかといえば,隠すことが当たり前になって,横着をして隠す場所を倉庫から個人ロッカーにした者がいたからです。


大学は官僚制であるため,前例踏襲が得意です。
そしてそのことが,永続的な安定に繋がっています。
一方で,官僚制には逆機能もあることを認識しつつ,上手にバランスをとることが必要です。
たとえば,常に上記3つのようなことを言われ続けてしまうと,たとえば中途採用や新卒採用などで入ったばかりの人も,よほど空気を読まない人でなければ萎えてしまい,改善意欲を失います。
このことの責任は,その組織により長く所属している側にあると思います。
したがって,組織により長く所属する側の人間こそが,積極的な(やや無理筋と思われるものまで含んで)改善提案を行う,あるいはそうした提案を受けたときに,頑張って「うん」と言う,といった態度を持つとよいと感じています。