松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

河合雅司(2017)『未来の年表:人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)を読了

標記の本を読了した。
本書は産経新聞社の論説委員産経新聞紙上で展開した連載「少子高齢時代」にもとづき執筆されたものである。
第1部では,「人口減少カレンダー」として,人口減少に伴って生じる20の問題を時系列に示す。
第2部では,第1部を踏まえた処方箋を示す。
といっても,割合としては第1部が8割を占めていることから,人口減少に伴って生じる諸問題を,公表データを基本としつつ,市井にリアルにイメージしてもらうことを目的としたものだと言えよう。
たとえば,合計特殊出生率が改善したとしても,人口ピラミッドの構成上出生「数」が増えるわけではないこと,そしてむしろ「率」ではなく「数」の方が問題であるといった指摘は重要だと思われた。
一方,取り上げている問題の数がそれなりに多く,その反面深度が浅くなっているように感じた(もちろん,本書の意図は大きな写真を示すことなので,意図は達成されていると思うが)。