松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

久々に思い出す,ガラケーの問い合わせ機能について

今でこそ電波の良し悪しは問題にならないが,かつてはそうではなかった。
電車がトンネル等に入ると簡単に電波がなくなってしまっていた。
キャンプ等に行くと,むしろ電波がないことが当然であった。
そういった環境において活躍したのが,ガラケーにおける「問い合わせ機能」である。
つい先日,何の脈絡もなくこの機能のことを思い出していた。
「問い合わせ機能」を使うと,溜まっていたメールが一挙に届くのである。
自身の通っていた大学は山奥にあったので,しょっちゅうこの機能にお世話になっていた。
よく考えれば,Wi-Fiというのもなかなかすごいものだ。要するに,街角に電波塔ができるようなものである。
「問い合わせ機能」を使っていた頃は,電波の供給が少なかったが,今となっては受給バランスが逆転してしまった。
何しろ,Wi-Fiは自分でも持ち歩けるので。

ほんの10年程で世の中はずいぶん変わったものだなと思う。
10~15年前のNTTドコモauソフトバンクは,争うようにガラケーの新機種を出し,そのこと自体が話題をさらっていた。
しかし今となっては,主役はハードではなくソフトになったので,入れ物はよりシンプルで機能的,かつスタイリッシュであることが良しとされるようになった。
この変化を大学に援用すると,建物やキャンパスはできるだけシンプルなものがよくて,中身を自由に配置・出し入れできるようになっていることが望ましいということになる。
大学というのは元々そういうもの,つまりハードではなくソフトからできているので,この変化の波はあまり受けていないような気がするが,
一方で設備活性化事業等でアクティブ・ラーニングの部屋を作るための税金が投入されるなど,ハード面での資源を投じすぎではないかという思いもある。
おそらく,ハード→ソフトの移行は止まらないので,時代が変わっても使えそうな入れ物としてのシンプルなハードが,箱として用意されていた方がよいのではないかと感じる。
可動式の机・椅子はともかく(すぐに撤去できるし,入れ替えられるから),大規模な電子機器は将来が心配である。
本質的にはただのモニターに過ぎないかもしれないものに大金をかけて,5年後すぐ撤去するような事態が,全国の大学で生じてしまうのではなかろうか,などといったことを,「ガラケーの問い合わせ機能」の回顧から,上から目線で言ってしまうのである。