標記の本を読了した。
野村先生のことは不勉強で存じ上げなかった。
大分大学の元学長であり,今はなき教育職員養成審議会の委員や,課程認定委員会の委員等をおつとめになられた先生である。
したがってこの本は,地方国立大学の改革を描いた部分と,教員養成政策の展開について記した部分とに分かれるわけであったが,大変勉強になった。
この本を読んだ理由は後者への関心からであったが,むしろ前者も勉強になった。
情熱と,当事者意識を感じる一冊であった。
人間、誰しも、長い人生の間には、失敗して落ち込んだり、問題状況に遭遇したり、悲嘆の淵に身を置くことが、必ず何度か起こる。その失意の底から立ち上がらせ、あるいは人生の亡羊に戸惑い、岐路的状況にある時、その道標となってよりよい選択をさせてくれるのは、セピア色の古い写真のような原風景である。その決定的瞬間に原風景がフット頭をよぎり、決断をさせてくれるのである。(p.222)
- 作者: 野村新
- 出版社/メーカー: 一莖書房
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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