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このように批判的なことを一方的に述べるのではよくないので,著書を拝読することにした。
もしかしたら,学生のときに読んだことがあるかもしれない。という気はした。
しかしながら,全然覚えていない。印象にのこった箇所を3つ,記してみる(赤字は筆者)。
大学人は国民の期待にこたえているか?
(p21)
人口5000人のお寺の町に警察署があって、49263名(2009年5月1日現在)の児童、生徒、学生、院生を抱えている立命館には交番の一つもなく、一人の警察官もいない。日本の大学はどこでもそうでしょう。なぜかと言えば、日本の国民が、大学は、違法行為、脱法行為、犯罪行為などというものと無縁であるという前提を信頼してくれているからです。それでは、大学はそれに応えているでしょうか、国民に信頼してもらえる大学たるよう、自分たちの大学を大切にしているでしょうか?
「学生・生徒のため」という原則
(p36)
そのときに何を基本にして困難な状況を克服するのか、次の段階へ進んでいくためのバネ、土台は何であるのか。私は困難で状況が厳しく、なかなか道を見つけ出すことができないときこそ、「原則に還る」、あるいは「原点に還る」ということが重要であると考えています。私が半世紀にわたる経験から学んだ一つの哲学がこれであり、それこそが最も重要なことであると思っています。
それでは、教育・研究機関である大学、学校における原点は何かと言いますと、非常に単純明快で、「学生・生徒のため」であり、それ以外にはないと思います。学生・生徒のためということを原点に据えない限り、大学も高等学校、中学校、小学校も成立しないと思います。もし、学生・生徒がいなければ、学校は成り立たないのです。
力のある職員を育てる方法
(p99)
職員は自分が配置されたところの課題を、直ちに、徹底的にマスターするという基本的姿勢を持たないといけません。繰り返しますが、勉強の仕方は、例えば立命館の財務に来たら、私学会計のあり様、財政のあり様を全部マスターして、財政計画をつくれる力をつける。そういう力量をつけたら、私学全体の財政問題を議論できるような人間になる。さらに日本経済、国際経済を論じる人間になる。課題を研究し深めることによって、その分野を普遍的なものにする。個別から普遍へ、という勉強の仕方をすることだと思います。
なぜ,「学生のときに読んだ気がした」のか?
それは,3つ目の考え方が自分の中に深く根付いている気がしたからである。
ある部署に配属されたら,そこの仕事のプロになることが大事だと思っている。
プロというのは,その分野で全国的に一番である,ということだ。
上記の立命館の財務の例でいえば,「立命館にいる●●は全国の財務担当者の中で一番だ」という共通認識が,全国の財務担当者にあることが必要だ。
徹底的にマスターする,ということはそういうことだと思っている。
自分も毎日,どうしたら全国の教職課程担当者の中で一番になれるのか,研鑽とポジションの修正を繰り返している。
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