松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

「大学改革を加速するIRの可能性」(第2回大学ソリューションセミナーin大阪)に参加

標記の会に参加してきました。
3時間におよぶワークショップもあったのですが、ひとまず福島先生の講演部分だけを記します。

日 時:2015年9月26日(土)13:00~17:00
会 場:梅田センタービル31階
講 師:福島真司先生
テーマ:大学改革を加速するIRの可能性
 

内 容:

開会の挨拶

西澤昭男氏(株式会社ワオ・コーポレーション代表取締役社長)

・塾というのは、毎月違う塾に行くという選択がある
・最近東京の若い経営者と話していると、インターネットのビフォー、アフター、SNSのビフォー、アフター、アフターを使いこなさないといけない。アフターの若い人を経営に使っていかないといけない。その人たちの感性。そういうものをどんどん引き上げないといけない

「大学IRとエンロールメント・マネジメント」(福島真司先生)

・「定量的なデータ報告・学生調査等(Reporting&Research)」と「データ分析を活用した戦略的計画の立案(Institutional Planning)」、「学修成果の可視化・アウトカム的分析(Institutional Effectiveness)」の3つの機能を合わせたものがIRである
・アメリカのIRでも型は決まっていない。総ずればこういう機能をもっている、というだけである。必要な機能を個々の大学が必要な分だけもっている
・日本ではあまり言われていないが、データ・プレゼンテーションが非常に重要である。アドミッションの専門家がさまざまな難しい統計分析を使ってプレゼンをされても、意思決定権者には判断できない。意思決定をする方にとってわかりやすくデータをもっていく必要がある
・アメリカでもIRの仕事はアカウンタビリティ対応に追われていて、とにかくルーティン・ワークであり、クリエイティビティが低いことが問題だと言われている
・大学は経営資源が限られている一方、部局自治による部分最適が必要とされ、かつ全学的な意思決定を迫られるというジレンマの中にある
非営利組織にこそエンロールメント・マネジメントが必要である。EMは「学生価値創造、学生価値最大化のための組織一体となったダイナミックな活動」である
・科学的調査分析のためにはデータベースの存在が不可欠である。そうでないと意思決定が思い込みでなされている
経営資源が限られている中で私たちはどこにフォーカスするのかを考えなければならない。どのグループのどの学生にターゲットを絞り、マーケットの中で戦略的にポジションをとっていくかを議論しなければならない
・部署間を横断したコミュニケーションをするために、会議が増え、コミュニケーションコストが増加してしまう。そのコミュニケーションに厭わず取り組むのがEMである。みんなが納得しないと進まないが、膨大な時間がかかってもやらねばならない。小さい組織、危機感のある組織の方がやりやすい
・理想的なことを言うが、学生インターフェイス部分(学生と接する部署)が生き生きとする必要がある。部課長や学長はその学生インターフェイス部分を支えるサーバント・リーダーシップが重要である。ボトムアップ型というよりも、学生と接する部分がどう生き生きとできるか
・ビジョンや価値の共有が求められる。効率化・合理化モデルではないから、時間がかかる手法である
・色々な分析をやったとしても、それですぐ解決するわけではない。そこから先は議論が必要になる。ただし、何もないと議論すらできない。主役はデータではなく、議論である。統計分析ができる者が専門家なのではなく、現場で疑問をもったり、もっとよくしたいと思ったりしている方が専門家である。学生に対する思いとファクトが重要である。データを共通言語として会話や議論を行い、合意形成を行うことが重要