松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

丸山文裕先生の集中講義で学んだことーColleges and Universitiesー

7月12日(日)の丸山文裕先生の集中講義で学んだことを、メモ程度で置いておきます。
丸山先生の講義をもとに、自分なりにまとめました。
なので、典拠は丸山先生ですが、編集の責任は私にあります。
めちゃくちゃ面白かったので、メモとして置いておきたく思いました。

大学の伝統、CollegeとUniversityの違い

CollegeとUniversityはどう違うのだろう。
日本では「単科大学」と「総合大学」というふうに形容されるが、大学の伝統からすると、この定義は少し違っている。

大学というのは、「Colleges and Universities」と呼ばれる。
Collegesの「Co」は「一緒に」という意味だ。
歴史的にはイギリスで発展した。ここで何を教えていたかというと、「道徳」である。
基本的には性悪説で教師主導であった。
要するに、学生には訓練が必要という発想だ。
道徳・教育中心であったことから、隔離されて田舎にあった。
隔離されているから「キャンパス」という概念があるのだ。
壁があって、門がある。これが「キャンパス」である。

一方、Universitiesはヨーロッパ、特にイタリア、チェコ、フランスで発達した。
「Uni」は「ひとつ」という意味だ。
「Versities」は「ベクトル」を意味する。
すなわち、Universitiesは同じベクトルを向く、という意味だ。
すなわち、学問や科学中心になる。
学生主体、学生自治がその特徴だ。
学生は一つのコミュニティを形成して都市にあった。
象徴するエピソードとして、大学内で自分たちが裁判をして自分たちで死刑を行った例もある。
伝統的なUniversitiesの例だが、わが国においてはたとえば日本大学がそうだ。
「Town&Gown」という言葉がある。
「Town」は、もちろん街。「Gown」は学問の象徴。卒業式の時に着るからだ。
この2つが混在しているのがUniversityなのだ。

みなさんの学生時代、授業の開始が当たり前のように遅れることがあったと思う。
なぜ遅れるのか?実は理由がある。
TownとGownによるUniversityでは、先生も学生も移動しなくちゃいけない。
移動には15分くらいかかるだろうということで、15分程度の遅れは許された。
これを、「アカデミック・タイム」と呼ぶ。
Universityでは、教員と学生の関係も対等だ。
ゼミが発生するのがこっちである。それはそうだろう。
対等の関係でないと、議論なんてできないのだから。
教員と学生の関係も対等:ゼミが発生するのがこっち

以上を踏まえると、アメリカにおける「Community Coleege」というのは特殊だ。
寮がないけど自宅から通える。
これは、Colleges and Universitiesの歴史的経緯を踏まえた場合に、ヨーロッパの人から見るとよくわからない仕組みなのだ。
折衷案であり、アメリカ独自の発明であると言える。