松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

夙川学院 コンサル会社を提訴 「大学新設で虚偽申請」―申請業務って外注できるの?-

標記のようなニュースがありました。

神戸新聞NEXT|社会|夙川学院 コンサル会社を提訴 「大学新設で虚偽申請」

 大学新設に関する業務を委託したコンサルタント会社が文部科学省に虚偽申請をしたため損害を受けたとして、学校法人夙川学院兵庫県西宮市)は19日、高等教育総合研究所(東京)を相手取り、約1億6千万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴したと発表した。提訴は18日付。
 訴状などによると、2007年春に開校した神戸夙川学院大学(神戸市)の認可申請を同社に委託。同社は、基準を満たす運動場を整備しないまま、内容虚偽の申請書を文科省に提出したとしている。
 同年10月、文科省の調査で不正が発覚。夙川学院側は「虚偽申請で、日本私立学校振興・共済事業団から補助金をカットされるなど、損害を受けた」と主張している。
 同社は「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。

申請の仕事って外注できるんですね。
委託先となっている「高等教育総合研究所」を調べてみたところ、事業内容に「文部科学省への大学設置申請、届出業務支援」がはっきり謳われていますね。

事業内容

大学、学部、学科の設置、改編にあたっては『大学設置基準』に基づいた申請、届出業務が必要です。これら煩雑な業務をプロのアドバイザーが的確にナビゲートし、確実に認可が取得できるように導きます。当然のことながら、募集力向上のための「中身づくり」を視野に入れながら申請、届出内容を構築していきます。

事実関係を知らないのであまり多くを述べてはいけないと思うのですが、あくまでも「支援」というタイトルになっていることを考えると、主は当然に学校法人になるでしょうから、コンサル会社の責任を追及することは難しいのではないでしょうか。
ありうるとしたら、コンサル会社が本来共有すべき情報を共有していなかったパターンくらいでしょう(ちゃんとやっている法人には言いつつ、実はやっていないとか)。

以下は夙川学院さんのことを離れて、一般的なことととらえたときの個人的見解です。
補助金の申請書を書いてくれる会社があるとか、教職課程の認定申請書を書いてくれる会社があるとか、風のうわさでは聞いたことがあります。
私の勤務先が同様のことを万が一していたら面目ないのですが、そうしたことには反対ですね。
委託することがダメだとは思いませんが、中身やコアのところは大学の教職員が考えないと、たぶん丸投げになってしまいます。
何を委託するのかをよく考えようということですね。
前述のコンサル会社が言うところの「煩雑な業務」だけを委託するのならいいと思いますが、コアのところや意思決定まで丸投げしてしまうと、委託先に足許を見られて搾取されたり、気づいたら中身のスカスカな教育内容が跋扈したりして、いつかどこかでボロが出る気がします。
丸投げした結果享受する利益は麻薬のようなもので、恐ろしいと思います。