松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

「平成26年度教職アドバンスト実習成果発表会」に参加

以下のとおりメモ程度ですが報告します。掲載にあたり許可は得ておりませんので、掲載そのものに関する問題や、修正の必要等ございましたらご連絡ください。
これは、何度か本ブログでも取り上げている連携GPの中の、教職アドバンスト実習という重要なプログラムの参加者の報告会です。
なので、是が非でも参加したいと思いました。久しぶりに公用車で行きましたが、加東は遠かった、、

名称:平成26年度教職アドバンスト実習成果発表会

日時:平成26年12月19日(金)13時~15時

場所:兵庫教育大学総合研究棟3F大会議室

ポイント

・教職アドバンスト実習の成果発表会であった
・次年度から本学の大学院生も参加するため、特に「学部時代の実習との違い」を参加した学生がどのように考えているかを知る必要があった
・参加した学生は「学部時代の実習との違い」について、より現実の教員の立場に近いところで過ごしたということや、学校全体に対する視点を得られたこと、あるいは自身の関心に基づいた研究ができた等の声が聞かれた

内容

【実習成果発表】
①岡浩次郎氏(教育内容・方法開発専攻、行動開発系教育コース)

●実習前における実践課題
・授業と通して、自分のできている所、できていない所を明確にすること
・生徒の実態を把握し、個人差に応じた指導を行うこと
・担任としての学級づくりにおける注意点、工夫、コミュニケーションの取り方などを学び、自らも実践すること
・生徒指導や体育大会などにおける体育教師の役割、また学校全体における体育教師の井位置づけ、役割を学び、把握すること
●具体的実践
・1週目、2週目は体育祭の練習、3週目は授業実践と研究授業を行った
・部活動は3週間通して女子バスケットボール部の観察を行った
●成果と課題
・今まで気がつかなかったことや見えなかった部分が見えるようになった
・学校の行事は生徒主体でやっているが、最初と最後には話をし、任せるところとそうでないところがはっきりしていた
・体育祭でけがをさせない綿密な計画、準備、配慮を理解した
・個人差に応じた指導をテーマに授業を行った。教具の使い方だけではなく、褒めることや助言することも個人差に応じた指導につながると感じた
・授業を作ることばかりに意識がいったことで、声掛けや助言が自分の課題だと感じた
・実習前と実習後では、学級経営や学校経営の部分で成長した。学部の実習のときはわからなかったが、何のために何がなされているのかを理解できるようになった
・他の教師との連携・協働の大切さは理解できていたが、主体的に連携・協働をすることができなかった
・生徒を十分に観察していなければ、評価もできない
・リフレクションセミナーでは、自分では気がつかないことを指摘してもらえた。例えば、地域性によって学校の雰囲気が違うこと、組体操が巨大化していることと安全性の関わりを問われる等
・グループ演習では、自分の課題のヒントとなるようなことが学んだ。ICTを用いることの大切さ、教員自身が楽しむこと等
・学部の実習とは違い、より教師の立場に近いところで参加させていただいたので、緊張感があった

佐藤裕美子氏(教育内容・方法開発専攻、文化表現型教育コース(音楽))

●実習について
・実習は3週間、主に音楽科として合唱コンクールにつき、また1年生の学級経営について学んだ
・メンターの先生は、伴奏をひきながら、各パートを歌う、前奏や間奏をしながら次のフレーズに関する声掛けをしたり、集中していない子どもへ声をかけたりしていた。全体を見渡すことの大切さを知った
・学級経営では、読書活動という地道な活動が生徒の心を豊かにしていくことを実感した
・メンターの先生の全体に向けた講評は勉強になった。また、合唱コンクールは同僚の協力があってのもので、教員同士の良好なコミュニケーションが学校全体の明るさにつながっていくと感じた
●成果と課題
・放課後に毎日合唱コンクールの指導計画を立てることができた
・課題は、評価指導・学級指導とともに、全体への指導であると考えている。生徒と信頼関係を作るためには一人ひとりとのコミュニケーションをとりたいが、限られた時間で確実に響く言葉で伝えなければいけないことは、至難の業だ
・だから、言葉を意識したコミュニケーションを大切にしていきたい
●実習を終えて
・「もし自分が教師になったら」というシミュレーションをしながら実習をすることができた
・学部のときと違って、集団への言葉のかけ方を中心に、欠けているものが何かわかってきた
・メンターの先生は、全校集会でも音楽科ならでの、歌を使ったレクレーションを入れていた。そのようなことをやりたい
・メンターの先生は、自分の人生のメンターとなった。教壇に立つ前に、もう1度実習記録を見直したい

③吉田成利氏(教育内容・方法開発専攻、認識形成系教育コース(数学))

・「生徒との信頼関係をどう作るか」を課題にした
・学部実習との違いは、職員室の中で実習をさせてもらえたこと。多くの先生のお話を聞けた
・高校現場では、授業外での関わりが少ないと感じた。その機会を自ら作る大切さを実感した
・信頼関係あっての生徒指導だと思ったが、なかなか深い生徒指導はできなかった。したがって、現場の先生方の生徒指導を感じた
・先生方は、組織として対応するという役割分担をされていた。観察していく中で、自分がしっかりとした指導観をもち、ぶれないことが大切だと感じた
・生徒指導については、実習前と実習後で伸び悩んだ。実践を積んでこその生徒指導であると理解した
・保護者や地域との連携について。保護者との信頼関係ができていることで、体育祭が平日であったにもかかわらずたくさんの保護者が参加していた
・組織の中に自分を入れていただいたことが伸びた要因だ。学年会議にも参加させていただき、その中で進路指導に関する対処法を議論できた。また、職員室の中で、気になる生徒の授業や部活での様子を報告しあう様子を見て、高校教師のイメージが変わった
・なんとなくでは通用しない。日常の一つひとつの仕事の意義を考えながら現場に入れたことは大きい。高校現場で働きたいという思いが一層強くなった

④野間千夏氏(人間発達教育専攻、教育コミュニケーションコース)

・第1週は主に観察実習、始業式・課題考査等の観察、最終日には授業観察を行った。学級経営実習は3週間を通してSHR、清掃等を担当した
・第2週、第3週は授業実践を行ったが、自身の専門性を十分生かせなかった
・実習における自己の課題として、授業実践の経験を積むこと、生徒に考えさせる授業を展開すること、生徒指導・学級経営の場に触れることを挙げる
・実習前後の自己評価についてだが、授業研究と他の教師との連携・協調に関しては自己評価が向上した。後者は自分でも意外だった。実習期間を通して、授業だけでなく行事などでより多くの先生とかかわったからだと思う
・グループ演習から、「自分が何を分かってないのか」がわかった。できるようになったことはもちろん大事だが、自分に不足しているものを正しく認識することも大切だと感じた
・教職アドバンストプログラムで、資質やスキルをより向上できるだろうと考えていた。しかし、むしろ課題の方がより見えてきて。このことが収穫であったと思っている

⑤小菅貴紀氏(教育内容・方法開発専攻、認識形成系教育コース(社会))

・もっとも力を入れたのは、先生方のヒアリングだ
・1週目はいろんな先生の授業を観察した。2週目以降は、興味のもった2名の先生のヒアリングをおこなった。生徒の心をわしづかみにする国語の先生と、教員からも生徒からも信頼されている国語の先生に特に興味をもった
・学部時代は教育困難校に実習に行ったため、先生方が忙しく、なかなか先生方にお話しを聞くゆとりがなかった
・毎日1~2時間くらい先生をつかまえ、根掘り葉掘りいろんな話を伺った
・観察、ヒアリングを通して、課題を生かしていくことが容易ではないということがわかった
・生徒指導や子ども理解の部分が課題になった
・リフレクションセミナーで、授業の技術については自分の努力や経験によってかなり改善すると知った。メンターの先生にも、板書の部分で成長したのではないかと褒めていただいた
・伸びなかった生徒指導や子ども理解の部分だが、高校ではなかなか生徒と接する時間が少ない。3週間の実習の中では苦しかった
・生徒指導・生徒理解はものすごくエネルギーを必要とするが、教師を続ける限り努力を継続しなければならないと感じた
・言いたいことを言ってもらえるような人間関係を作ることが大事だと感じた
・実習生同志のグループ演習では、他の実習生の課題は自分の課題でもあると感じた
・アドバンスト実習では2回目の実習ということもあり、自分の中にゆとりがあった。また、自分を少し客観的にみることが可能となり、何が不足しているのかを自覚できた