読書(大学)
本書は,教育,研究,スポーツの3つを中心に,大学におけるそれらの取組みが商品として売り出されることに警鐘を鳴らすものである。 大学の取組みが商業化することによって失われるものがあり,さりとて商業化から常に距離を置けるわけでもない,という難し…
標記の本を読了した。 教育社会学会を中心とした教育社会学の戦後の歩みと主要論点が整理されている。 教育社会学の定義(第1章),理論と方法(第2章),近年の課題(第3章)というまとまりで枠づけされており,わかりやすかった。 高等教育研究は教育社会…
標記の本を読了した。 筆者の問題意識は,議院内閣制が分権性(≒三権分立)と結び付けられるていることの,国際通用性のなさ,そこからくる独自性への批判(≒どっちつかずの議院内閣制)に帰結している気がした。 ただ,初版が政権交代前であったがゆえに,…
政策評価の基本的なことを知りたくて,標記の本を読了した。 BASIC公共政策学の第9巻とあって,門外漢にやさしい構成となっていた。 「政策」とは,「評価」とは何かといった基本的なことから,日本における政策評価制度の展開まで, 基礎→応用と勉強になっ…
標記の本を読了した。 自分にはまだ難しすぎたが,統計分析を用いて社会経済システム(制度)を分類していることは理解できた。 本書で示されているシステム(資本主義モデル)は,次の5つである。 ・市場ベース型経済 ・社会民主主義型経済 ・アジア型資本…
標記の本を読了した。 本書で最も勉強になったのは,第Ⅰ部の「認識論」である。 特に,存在論の2つの立場(基礎づけ主義と反基礎づけ主義)と認識論の3つの立場――実証主義(positivism),解釈主義(interpretivism),批判的実在論(critical realism)――の…
標記の本を読了した。 本書では,新学習指導要領とコア・カリキュラムという直近の英語教育政策を批判的に検証し,対案を示す試みがなされている。 第1章では,小学校への英語の「教科化」(「外国語活動」からの転換)にはエビデンスも一貫性もないことが批…
結構前のことにはなるが,標記の本を読了した。 本書は,専門を高等教育論に限らない論客が集合し,90年代以降のさまざまな「大学改革」を批判的に検討するものである。 テーマとしては,PDCAサイクル,産学連携,補助金,社会との接続,大学の大衆化,大学…
標記の本を読了した。 結論からいえば,新制度論のことを勉強するとき,ディマジオとパウエルやマイヤーとロワンを読む前に,こちらの書籍を読むべきであった(笑) というくらいわかりやすく,新制度論のエッセンスが詰まっている。 特に理論をイメージした…
標記の本を読了した。 本書は中国の高等教育財政が中心なのかなと思って拝読したが、良い意味でそうではなかった。 中国の話題は2割くらいで、残りは財政支出と調達の国際比較であり、さらにあまり取り上げられることのないインドとブラジルの事例も収録され…
標記の本を読了した。 この本は,フィールドワークを行うにあたり,現地の方にいかに迷惑をかけてきたか,また迷惑をかけるとしたときにどのような迷惑のかけかたがありうるのか,といったことについて述べられている。 具体的には,「「調査をしてやる」と…
他大学の先生にツイッターでおすすめされて読了した。 帯には,センセーショナルに,「2000年以降、激動の理由 食いモノにされる教育行政」という言葉が踊っている。 本書では,55年体制にあって政府自民党が教育政策をどのように決定してきたのか,文部科学…
標記の本を読了した。 本書を読んだ理由は,リンドブロムの提唱した「漸増主義(インクリメンタリズム)」について,基本的な確認をしておきたかったからである。 インクリメンタリズムというのは,端的にいえば政策形成過程において,すべての利害関係者の…
標記の本を読了した。 第2版があるようだったが,ひとまず第1版を読んだ。 結論からいえば,読んだ感想は,難しい!というもの。 主に自分の勉強不足のせいで。世界史の勉強を真面目にしていなかったことが悔やまれる。 キューバ危機の文脈がわからないと…
標記の本を読了した。つらつらと感想をば。本書では,世の中でまことしやかに信じられている言説,たとえば「日本人は英語下手」とか,「女性は英語好き」であるといったものに対して,データ分析にもとづいて批判的考察を加えている。 「日本人は英語下手」…
標記の本を読了した。 事前・事後指導をどのように充実させるかについて悩んでいた自分にとっては,参考になった。 勤務先では,事前指導は3日間の集中講義を行い,徹底的に行っていると言っていいと思う。 しかし,事後指導については実践演習も始まったこ…
◇小室直樹(1974)「社会学における統計的モデルをめぐる諸問題」『現代社会学』第1巻第2号,pp. 24-55. ◇篠田雅人・日下田岳史(2014)「人文科学系学科における卒業論文の意味するもの―学科における現状認識と、操作変数法による執筆効果の推定から―」『大…
標記の本を読了した。政策過程研究の大元の理論を確認したいと思ったからである。 本書で参考になったのは2か所である。 まず,政策過程分析でよく使われるモデルが,実証方法も含めて並んで示されていた点である。 具体的には,細谷モデルと福井モデル,ア…
標記の本を読了した。 この本は,目次を見ればわかるように研究活動を行う際の基本的な知識・態度について,特に従来黙示的に(師や先輩の姿を見て真似る等して)扱われたきた事項が解説されている。 執筆者は多様であり,それゆえそれぞれの執筆者の特徴が…
標記の本を読了した。 小方先生の集中講義を受けられたので,その際に直接指導いただきつつ拝読できた。大学から社会へ 人材育成と知の還元 (リーディングス日本の高等教育 第4巻)作者: 小方直幸出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2011/02/04メディア:…
標記の本を読了した。 去年の12月に発売された新刊。 たしか,去年の高等教育学会で濱中先生がご報告された内容のはず。 「キレキレやな~かっこいいな~」と感じつつ拝見していたのを覚えている。本書の中で,一番社会に知られるべきなのは,第8章の矢野先…
標記の本を読了した。 こちらは,立教学院の職員の自主勉強会において寺﨑先生がされた講話集録を中心として,後半には参加者のエッセイが掲載されたものである。 立教さんの内部で自主勉強会を継続されていたことは個人的に知っていたし,現在共通教育の新…
標記の本を読了した。 主に,第6章の「助成を中心にみた私立大学政策」を拝読するために・・ 私学助成の研究をみていると,黒羽先生の論稿は何度も登場する。戦後大学政策の展開作者: 黒羽亮一出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 1993/03メディア: 単行…
標記の本を読了した。 学会設立から10年の記念号であり,特集が組まれている。 高等教育研究が,歴史,比較研究,経済,財政,社会学の各ディシプリンの影響をどのように受けたかがよくわかる。[高等教育研究] 高等教育研究の10年 (高等教育研究 第 10集)作…
標記の本を読了した。昭和58年とやや古いので,時代を感じるものの,教育サービスの公的・私的受給やそれらの提供主体の様態について簡潔にまとめられており,大変勉強になった。教育サービスと行財政 (1983年) (教育管理職講座〈2〉)作者: 市川昭午出版社/…
標記の本を読了した。2014年の学会誌である。 羽田先生の学長リーダーシップ論の批判が収録されている。大学教育のマネジメントと革新 (高等教育研究 第 17集)作者: 日本高等教育学会出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2014/06/10メディア: 単行本この…
標記の本を読了した。2012年の学会誌であるが,自分にとって非常に重要な一冊である。 特に両角亜希子先生の「私立大学の財政―現状と課題」については,ハンドも拝見してきた。高等教育研究 第15集 特集:高等教育財政 (高等教育研究 第 15集)作者: 日本高等…
2001年の学会誌である標記の本を読了した。 このうち,吉本圭一先生の論稿「大学教育と職業への移行—日欧比較調査結果より」は, 日本→学歴,欧州→職業別,という労働市場が,実は近接しつつあるのではないかという仮説に基づくもので,大変勉強になった。大…
標記の本を読了した。2009年の学会誌である。 この中で何度も拝読したのが,水田健輔先生の「日本の高等教育をめぐるマクロ財政フローの分析」である。変容する大学像 (高等教育研究)作者: 日本高等教育学会研究紀要編集委員会出版社/メーカー: 玉川大学出版…
標記の本を読了した。 筆者は,高等教育財政について,「国または地方公共団体が高等教育に関する目的を達成するために必要な財源を確保し,公共経費として配分し,管理する活動」と定義している。 この定義に基づき,論点として「支出論」「負担論」「受給…