松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大学行政管理学会大学事務組織研究会編(2018)『大学事務職員の履歴書』(学校経理研究会)を読了

読後の感想 標記の本を読了した。最近はうまく貢献できていないが,大学行政管理学会にお世話になってきた自分は買って読まねばなるまいと思ったのである。 大学行政管理学会の「重鎮」9名による回顧録が収録されている。 おそらくこの手の本によくある批判…

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何かございましたら,いつでもお問合せください。 shinnji28.hatenablog.com2016.12.4shinnji28.hatenablog.com shinnji28.hatenablog.com

2月2日(金)第8回公開研究会『「可視化」「数量化」される大学を再考する:東洋経済新報社『大学四季報』を活用した大学ガバナンス・財務経営分析の試み/薬学教育改革以後の薬学部における機関別アウトカムに関する考察』開催報告

以下の研究会の内容報告があります。 shinnji28.hatenablog.com もしよろしければご高覧ください。rihe.hiroshima-u.ac.jp

見なくなった高校野球

その試合は行き詰まる投手戦で,スコアボードにはたくさんの0が並んだ。 どちらのチームの投手も,今大会注目のエースと評されていた。 片方は滋賀県のチームで,もう片方は沖縄県のチームだった。京都府に住んでいたぼくは,だからなんとなく,同じ関西とい…

ロナルド・ドーア(2014)『幻滅:外国人社会学者が見た戦後日本70年』(藤原書店)を読了

本書は知日家の社会学者ロナルド・ドーアが自身の日本のかかわりの歴史を振り返るとともに,近年の日本の体制を批判するものである。 批判の対象としては,「株主主権」のコーポレート・ガバナンス,官僚制度改革,アベノミクス,外交等,偶然にもごく最近に…

友枝敏雄・浜日出夫・山田真茂留編(2017)『社会学の力:最重要概念・命題集』(有斐閣)を読了

標記の本を読了した。 本書は,社会学の方法,概念構成(ミクロ社会学,メゾ社会学,マクロ社会学),命題構成(メカニズム,トレンド)の3部建てで,社会現象を分析するための「力」を提供しようとするものである。 項目としては70あり,それぞれが2ページ…

高田里惠子(2006)『文学部をめぐる病い:教養主義・ナチス・旧制高校』(筑摩書房)を読了

標記の本を読了した。 本書は,教養主義,ナチス,旧制高校,東京帝国大学独文科などをキーワードに,ドイツ文学者を中心とした文学研究者のメンタリティを描いたものである。 自分にはやや難解であったが,ドイツ文学者が戦中・戦後にどのような葛藤の渦中…

東日本大震災および熊本地震における学生ボランティアの引率について

今日は3.11である。 東日本大震災における学生ボランティアの引率*1というのは,自身の職務の中でも思い出深いものであり,今までも記事にしたことがある。 shinnji28.hatenablog.com 昨年の夏は類似した新しい仕事,つまり熊本地震を中心とした*2学生ボラン…

再課程認定申請書の提出単位について

自分自身がしばらくわからなかったため,困っていました。 自明のことかもしれませんが,提出直前に混乱された担当者の方のお役に立ちますように。 ・申請書の単位は法人ではなく,学校である ・学校が併設している場合は1冊,併設していない場合は別冊であ…

髙木聖・村田雅之・大島武(2006)『はじめて学ぶ社会学』(慶應義塾大学出版会)を読了

標記の本を読了した。 社会学とは何で,いかなる概念から構成されているかを平易に紹介した,(おそらくは)大学生を主要ターゲットとしたテキストである。 特に印象に残ったのは,社会学でいう現代というものが,行き詰まりつつある近代とまだ訪れてはいな…

永井道雄(1965)『日本の大学:産業社会にはたす役割』(中公新書)を読了

標記の本を読了した。 日本の大学で働くものの一人として、ここ数年間、私の頭を去らないのは、大学の現状はこれでよいのかということである。教育の内容も充実していないし、大学や学生の数が多いわりには、世界的な研究の成果に乏しい。そのほか、人事の面…

アーノルド・ピコ―,ヘルムート・ディートル,エゴン・フランク(2007)『新制度派経済学による組織入門:市場・組織・組織間関係へのアプローチ』(白桃書房)を読了

標記の本を(十分ではないのだが)読了した。 自分が特に精読したかったのは,組織の経済理論の「新制度派のアプローチ」(pp.46-148.)である。 本書で示されている新制度派経済学のアプローチは,(1)プロパティー・ライツ理論(2)取引費用理論(3)プリ…

高橋伸夫編著(1999)『生存と多様性:エコロジカル・アプローチ』(白桃書房)を読了

標記の本を読了した。 本書は企業の生存(寿命)と多様性(多角化)について経営学のアプローチから論じるものである。 用いているのはイベント・ヒストリー分析は,経営学の分野では組織生態学における,組織の死亡率を扱う研究で用いられてきたらしい(p.7…

楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(東洋経済新報社)を読了

標記の本を今更ながら読了した。 本書では「戦略ではないもの」(p.109)を抑えた上で,戦略(「持続的な利益」p.163)を考えるという構造をとっている。 その前提として,競争戦略の課題は「 競争があるにもか変わらず儲かるという不自然な状態」(p.111)…

戸村理(2017)『戦前期早稲田・慶應の経営―近代日本私立高等教育機関における教育と財務の相克―』(ミネルヴァ書房)を読了

標記の本を読了した。 本書は早稲田と慶應の経営について,資金の調達と配分を歴史的に考察しつつ,それらが教育機能の発展といかなる因果で成立しえたのかを実証したものである。 対象の時期としては「明治後期から大正期」が設定されているが,これは「創…

五島綾子(2007)『ブレークスルーの科学』(日経BP社)を読了

標記の本を読了した。 本書の問題意識は,「日本にはブレークスルー(革新的・独創的)の科学研究のシーズが生まれているのに、育てられていない」(p.4)という一言に集約されよう。 その上で,ブレークスルーのシーズを産む場所としては,分野の最先端と,…

片山悠樹・内田良・古田和久・牧野智和編(2017)『半径5メートルからの教育社会学』(大月書店)を読了

標記の本を読了した。 本書に通底しているのは学校で当然と考えられていることを問い直す(「教育の「当たり前」を問い直す」)ことである。 テーマとしては初等中等教育を基点としつつ,大学への進学(学力)やいじめ,少年犯罪等,学校や若者を取り巻く身…

反対解釈ってどう考えたらいいの?―品川皓亮(2015)『日本一やさしい条文・判例の教科書』(日本実業出版社)を読了して

標記の本を読了した。まさしく「日本一やさしい」と思う。 第1部が準備編,第2部が条文編,第3部が判例編となっており,ステップアップしながら学習できるようになっている。 自分の仕事に使うことを考えれば,第2部までで十分であった。ところで,ぼくは以…