松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人には,誰しもその人なりの「学びたいタイミング」というものがあるのではないか?

現在のわが国の教育制度は,18歳までにたくさん勉強することが前提に組み立てられている。 18歳までの勉強の成果を大学入試選抜で計られ,威信(偏差値)に応じた大学に進学することとなる。 もちろん,現在では間口が広がり,特に私立大学においては学力層…

読了した文献(41)

◇浅野茂・黄文哲・小林雅之・森利枝・山田礼子・劉文君(2014)『大学におけるIR(インスティテューショナル・リサーチ)の現状と在り方に関する調査研究 報告書』(東京大学,平成成24-25年度文部科学省先導的大学改革推進委託事業) ◇天野郁夫(2003)『日…

英語論文が読めなさ過ぎて泣ける―サボったことは必ず返ってくる。因果応報―

高校生の頃,授業中は基本的に寝ていた。 「授業なんて聞かなくても,予習復習なんかしなくても,自分で勉強すれば点はとれる」と思っていた。 「文句があるなら,俺が聞きたくなるような授業をしてみろ」と思っていた。 テスト勉強は一応していたけど,全部…

【ご案内】ワークショップ「大学図書館で楽しく身につく使える英語」(国立大学図書館協会中国四国地区協会主催)で後輩が講演をします

もう申し込み期日が過ぎているのが残念ですが…。多分,後援会参加だけなら当日でもなんとかなろうかと思います。 場所が場所だけに,伺えないのが無念。 どなたかがハッシュタグ作って実況してくださることを期待します。(ライブラリアンの会では,結構ふつ…

読了した文献(40)

◇青山佳代(2006)「アメリカ州立大学におけるインスティテューショナル・リサーチの機能に関する考察」『名古屋高等教育研究』6: 113-130. ◇秋山高志(2014)「ネットワーク分析を用いた組織間関係の形成メカニズムに関する考察」『商学論集』82(3): 23-42.…

「社会は厳しい」は本当か?―大学生のみなさんへ―

「社会」で働く,「社会人」といった言葉が嫌いである。 それらは「会社」で働く,「会社人」である。 まるで職業を持つということが社会に生きることの条件であるような表現だから好きではない。 赤ん坊だって社会を構成しているし,リタイアしたおじいちゃ…

ブログを毎日書くのは難しいことではない

たまに, 「よく毎日書けるね」 「自分も書いてるけど,さすがに毎日は無理」 みたいなことを言っていただきます。 しかしながら,厳密にいえば自分のブログの書き方は,「1日1記事」なのであって,毎日書いているわけではありません。 予約投稿等を駆使して…

ねこの日

ご存知のとおり、今日はねこの日です。 ねこというのは本当に羨ましいですね。 何しろ1日中寝ているのに、それだけでかわいがられる。 実家のねこは私が高校1年生のときに来ましたので、もう15歳くらいです。 SNSのアイコンにもしているんですが… 癒されま…

池井戸潤著『七つの会議』(日本経済新聞出版社)を読了

不祥事を隠蔽しようとする中堅メーカーの悲哀を描いた物語です。 このようなことは,大なり小なりどこの組織でもありますね。悲しいことです。 話としては面白いものの,「なんだかなあ…」という気分になります。半沢直樹しかり。 知らなかったですが,ドラ…

剣道の練習後に行う黙想の意義や意味について

私は中学高校と剣道部だったのだが,練習の終わりには「黙想」をしていた。 主将が, 「姿勢ただして。。。。。。もくそーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!」 と叫び,全員が一列になって正座をし,手を前で組んで瞑想をするあれである。 中…

「「同一労働・同一賃金」の実現は120%不可能である」という記事を拝読したが,これは典型的なゼロイチ思考ではなかろうか?

尾藤克之氏の標記の記事を拝読した。 agora-web.jp 氏は,同一労働・同一賃金が実現しえない理由として, ①日本の人事制度になじまない ②正社員と非正社員は労働や待遇以外にも差がある ことの2つを主に挙げています。 ①については,既存の人事制度になじま…

デイル・ドーテン著,野津智子訳『仕事は楽しいかね?』(きこ書房)を読了

年末に標記の本を読了しました。 たしか,IPS細胞の山中先生の愛読書だとかで有名な本だったと思いますが,おすすめです。 飛行機が止まってしまった空港で,マックス・エルモアというおじさんに話しかけられる中で,さまざまな教訓のようなものをもらうとい…

目的志向への疑問―大きくて重要なことであればあるほど,ゴールではなくプロセスが大事になる―

こちらのブログを拝読して考えたことを書いてみたい。 kazuniver.hatenablog.com 仕事の仕方として, (1)ゴール(期日、納期)を設定する ↓(2)ゴールまでのプロセス(段取り)を設定する ↓(3)他の業務や周囲と調整をして(1)・(2)を確定させる…

新庄耕著『ニューカルマ』(集英社)を読了―「給料とは別に、百万円入ってきたらいいと思いませんか」―

昨日以下のようなブログを書きました。 shinnji28.hatenablog.com これを書いたのは,この本を読んで思い出したからです。 この本は,若いビジネスマンがあるネットワークビジネスにハマり,生活を壊し,会社をやめ… という物語です。 「堂林さんは、何か夢…

ネットワークビジネスに勧誘された話

ネットワークビジネスに勧誘された話をします。 やはり学生と社会人のギャップは、ネットワークビジネスに勧誘され始めるということが一つあるのではないでしょうか。 何度か友人とネタにして笑ったことがあります。 とはいえ、実際にハマってしまったという…

山崎豊子著『不毛地帯』(新潮文庫)を読了

標記の本を読了した。 旧日本軍の大本営参謀であった人物が戦後シベリアに抑留され、帰国したのちに商社マンとなり、自衛隊の戦闘機の売買や中東の石油開発に携わった大きな物語である。 軍のトップで生きてきた人間がその商社マンとしてトップマネジメント…

読了した文献(39)

◇市川昭午(2004)「私学の特性と助成政策」『大学財務経営研究』(1),pp.169-185. ◇米澤彰純(1992)「高等教育政策と私立大学の行動:供給側からみた拡大・停滞」『教育社会学研究』50(0),pp.325-344. ◇吉田香奈(2007)「アメリカ州政府による大学評価と資…

読了した文献(38)

◇内田良(2009)「児童虐待の発生件数をめぐるパラドクス」『愛知教育大学教育実践総合センター紀要』第12号,pp.269-277. ◇川島啓二(2010)「大学教育の革新とFDの新展開」『国立教育政策研究所紀要』第139集,pp.9-20. ◇山田剛史(2010)「大学教育センタ…

私淑する人々

私淑する人々というのを作って,彼らの言動を少しずつパクっている。 やはりなかなか,特定の一人を大いに尊敬して,憧れ,スタイルを全く真似てしまうということは自分の性格上難しい。 人間にはいいところと悪いところがあるので,良いところだけを少しず…

「先行研究を鵜呑みにしない」「批判されたときに簡単に引いてはいけない」

この2つは,大学院に進学して先生方から言われて印象に残った言葉の一つである。 前者については,課題の文章を書く中で指摘されたことである。 端的にいえば,「君は先行研究の言っていることを鵜呑みにしすぎているね。もう少し批判的に見た方がいいよ。実…

城繁幸氏のコラム『29歳の働く君へ―今からでも遅くない!』を読み始めて,8年の歳月が経ってしまった

こちらの城氏のコラムを新卒1年目の頃から読み続けて,気づけば「29歳」も終わろうとしている。 www.j-cast.com見ていただければわかるが,8年もの時間で非常に上質なコラムが積み重ねられた。 こういったものは早め早めに読んできたのだが,これからも読ん…

江國香織の『デューク』という作品

国士舘大学の入試問題で『ジョジョの奇妙な冒険』第3部が出題されたというニュースを見た。 同じニュースで,かつてセンター試験の国語(小説)で,江國香織の『デューク』の全文が出題されて受験生の涙を誘った,という記載があった。 久々に思い出したので…

個人か,組織か

「個人か,組織か」どちらがより重要かといえば,私は個だと思っている。 より詳細にいえば,「個と組織は共犯関係を結ぶべき」だと考えている。 これは,個と組織がどちらが上,どちらが下ということはなく,まったくフラットであることを前提にしている。 …

(一部訂正)京都橘大学の勢いがすごいと書いた記事

今朝がた標記の記事を投稿しましたが、一部訂正します。 くだんのプレスリリースをよく読むと、最後に次のようなことが書いてあります。 国際英語学部を設置した場合、人間発達学部英語コミュニケーション学科は2017年4月から学生募集を停止します。 つまり…

京都橘大学の勢いがすごい―国際英語学部(仮称)を設置計画中―

京都橘大学の勢いがすごい。 先日もすごいプレスリリースが出ていた。 少し長いけれど引用しよう(赤字は引用者)。 京都橘大学(京都市山科区、学長・細川涼一)は、2017年4月開設に向けて同大6つ目の学部となる「国際英語学部(仮称)」の設置準備を進めて…

宇野維正著『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)を読了ーーアラサー必見の書ーー

標記の本を読了した。 端的にいえばこの本は、宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみという日本を代表する女性「アーティスト」を巡って、CD売り上げが音楽史上最高の売り上げとなった(そしてそれは、これからずっと塗り替えられないことを指す)1998年…

仕事で博士論文の公聴会の事務手続き等をしている

仕事で本学人間文化学研究科研究科の博士論文の公聴会にかかわる手続き等をしている。 今年は例年になく、論文博士も含めて5名の方の学位授与がかかっている。 既に4名の課程博士の方の公聴会を終えたが、大変勉強になった。 どのような分野であれ、それが研…

「ユーチューバーになれる学部」という発想のあほらしさ

昨年末だったか、東洋経済オンラインの記事で、就職を意識した高校生のための進路相談と題して、「Youtuberになるには、どんな学部がいいのか」というものがあった。 端的にいえば、ユーチューバーになるには情報系の学部に行った方がいいのか?という相談で…

勉強をすることは本当にいいことなのか?知らない方が幸せということもある

一年以上前から考え続けていることだが、勉強をするということは本当にいいことなのだろうか? 自分の幸せというものを考えたときに、「知らない方がいい」ということもあるのではないだろうか?たとえばこういうことだ。 私の地元である京都府八幡市は、必…

マーチン・トロウ著,天野郁夫・喜多村和之訳『高学歴社会の大学―エリートからマスへ―』(東京大学出版会)を読了

標記の本を読了した。 かの有名な,エリート・マス・ユニバーサル概念の提唱者であるマーチン・トロウの論文3編を訳してまとめたものである。 大学職員でこの概念を知らぬ者はほとんどいまい。私自身,入職したての研修で教えられたりもした。 ただ,単に概…