松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。

東日本大震災および熊本地震における学生ボランティアの引率について

今日は3.11である。
東日本大震災における学生ボランティアの引率*1というのは,自身の職務の中でも思い出深いものであり,今までも記事にしたことがある。
shinnji28.hatenablog.com
昨年の夏は類似した新しい仕事,つまり熊本地震を中心とした*2学生ボランティアの引率をさせていただいた。
www.kobegakuin.ac.jp
往復はフェリーであり,体力的には東日本大震災よりも楽であった。
できるだけ口を出さず,単にいるだけにしたい(本来はいない方がいい)というのがこの手の活動に対する自分の意見であるが,実際ついてきてしまっている時点で矛盾があり,この葛藤をどうするかは一番迷っていた。
東日本の頃は自身の年齢が25くらいであったので,行動を学生に溶け合わせることによって存在感を消すようにしていたが,この年齢になるとそれができない。
学生の方が自動的に気を遣うからである。今後,基本的に年齢が離れていくしかない中で,どのような関係性を構築するとよいのか,というのは一つの課題であり重要な問いだろうと実感した。

ところで,昨年の熊本の活動と,従来の自身が参加してきた活動とで一番違うのが,一部の活動がメンバーによって継続しそうなことであると思う。
従来は実際に行って,事後研修をして,単発で終わってしまう状態に近かった。もちろん単発で終えようという意図はなく,東日本との関係も現在まで続いているわけだが,主体は基本的には学生というよりも大学であると自分は考えるし,それ自体やむをないと感じている。
ところが,熊本の活動はそうではなかった。
初日の振り返りで,「活動の一回性みたいなものを大事にしたい(このメンバーで何かをすることは二度とないから)」みたいなことを話したわけだが,途中であれは間違いであったと気づいた。
具体的には,阿蘇神社門前商店街の皆様と協働して,阿蘇の魅力を発信しようというプロジェクトが継続しているのである。
この主体は学生であり,おそらくは中心メンバーが卒業したとしても,学生から学生へ引き継いでいけるように育てるのだろう。
自分自身,一緒に阿蘇神社門前商店街のいくつかのお店にお邪魔したが,学生の「受け入れられている感」がすごいと感じられた。
何らかの災害があったとき,学生が役に立ちたいと思うことはよくあるが,普通は歓迎されないことも多い。
それらの気持ちに嘘はなくとも,パワーに欠け,かつ大抵一時的なものに終わってしまうからである。
では,なぜ今回は「受け入れられている感」がすごいのか?もちろん,阿蘇神社門前商店街の皆様のお気持ちが大きいのは一番であろう。
しかし同時に,学生の誠意が本物であるということ,その誠実な人格が伝わるまで粘り強くコミュニケーションをもつ努力をしていることが大きいと感じている。
誠意の現れの一つが,学生でありながら修業年限を超えた長期計画を見据えていることにあるだろう。
一般論として大学生の活動はあくまでも卒業までの時限付であって,卒業後のことまでは考えない。
ではなぜ今回は長期計画を立てているのか。それは基点を自分たちではなく,熊本の復興に置いているからである。
このような目標設定は簡単ではないし,普通はできない。それこそが誠意である。加えて,この誠意を伝えるというコミュニケーションも怠っていない。

この2つの難しいことに粘り強く取り組むことによって,本来では難しいであろう活動を受け入れていただいているというのがぼくの解釈である。
報われるかどうかもわからないことに,純粋な気持ちで取り組むのは,非常にレベルの高いことであって,だからこそ自分などが支援できる範囲はずいぶん限られてしまう。
果たしてこのような行動が支援になりうるのか迷いもあったのだが,せめて自分にできることとして,彼ら,彼女らの活動を紹介しておきたい。
本ブログの累積PVは50万,月間のPVはおおむね10,000~20,000程度である。
この数値にどの程度の影響力があるのか,なんとも言えないが,読者の多くが大学関係者であることは間違いない。
したがってまずはこの行動によって,彼ら,彼女らの活動が大学関係者のみなさまの目に留まることを願う。
そして職場においては,仕事なのか,非仕事なのかに関係なく,自分にできることは継続してやっていきたい*3
asokobe.hatenablog.com

*1:いつも思うことだが「引率」という言葉が好きになれない。自分が担った,あるいは担いたい役割は「率いる」ことでは決してない。

*2:偶然直前に九州の豪雨災害が起きたため,学生の提案でそちらのボランティアを経由して熊本に向かった。

*3:この活動では,同窓会の皆様のご支援も本当に大きいことがご一緒してわかった。この場を借りて感謝申し上げたい。