松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

太田肇(2010)『日本人ビジネスマン「見せかけの勤勉」の正体:なぜ成果主義は失敗したか』(PHP研究所)を読了

標記の本を読了した。
本書で特に印象に残ったのは,第2章における意欲を失わせる要因の分析である。
そして,管理監督者はこの意欲を失わせる要因をできるだけ取り除けばいい,とある。
要因は「足かせ」として,5つ示されている。

足かせ1 〈くすぶる、残業への不満〉
足かせ2 〈定まらない目標〉
足かせ3 〈過剰な管理〉
足かせ4 〈まだら模様の人間関係〉
足かせ5 〈不公平な評価、処遇〉

本書の基本的な考え方は,従来の日本人ビジネスマンの勤勉は「見せかけ」に過ぎないが,これからの時代は「見せかけ」でやっていけるほど甘くないというものであり,
ではどのようにすれば「見せかけの勤勉」から脱することができるかが述べられている。
これがビジネス書なのか,超ライトな研究書籍なのかわからないが,ぼくはこれほどわかりやすく,日本の組織人の問題を指摘しているものを見たことがない。
おすすめである。(ただし,この本を読むような人は,実はこの本を読む必要はないのではないか,という疑問もある)

「見せかけの勤勉」の正体

「見せかけの勤勉」の正体