松宮慎治の憂鬱

タイトルは友人が考えたもので,某アニメのことはわかりません。

紅白歌合戦における安室奈美恵と平成のショービジネスの終焉

1998年の紅白歌合戦の曲順は以下のとおりであった。
第49回(1998年)紅白歌合戦曲順表
この年,産休明けの安室奈美恵が泣きながら歌ったことを子どもながらよく覚えている。
周りの大人はそれを見て,「この子は,紅白が自分のためにあると勘違いしているんじゃないか」と言っていた。
紅白もそれぐらい大きかった(つまり,国民のものとして扱われていた)し,一方でまた安室奈美恵もまた,そう揶揄されてしまうほどの,一人の(爆発的にではあったものの)売れた女性シンガーに過ぎなかったように思う。
明らかに,ワンオブゼムに過ぎなかった。1998年は宇多田ヒカル浜崎あゆみ宇多田ヒカルがデビューし,絶好調のSPEEDがおり,小室サウンドが徐々に下降していたからである。
20年前の音楽シーンは,紅白歌合戦では常に最新の楽曲が披露されていた。そして示された楽曲が,その年の流行歌として扱われていたし,事実そうであった。
1年前のトップアイドルは,半分は終わりかけていたので,涙を流すことにしらけた人もいたことだろう。
ところがいまはどうだ。出てくるアーティストが示す楽曲は,かつてのヒット曲ばかりではないか(たぶん,女性アイドルを除いて)。
あれから20年がたち,紅白歌合戦で歌う安室奈美恵を見て,平成のショービジネスは終わったと感じた。テレビはもう終わってしまったのだ。
安室奈美恵のファンもまた,紅白歌合戦ではなく,ライブに参加して彼女の最後を見届けようとするに違いない。
ぼくは彼女のファンでもなんでもないわけだが,やはり思い出の一部には冒頭のような記憶があり,「最後だから」ということでテレビに座らせるだけのパワーがあった。
同時に,試行錯誤しながら長い努力を続けていれば,ショービジネスに乗っかって売れたアーティストではなく,「平成の歌姫」と形容されるようになれるのだ,ということを学んだ。
ショービジネスの主役に仕立て上げた小室哲哉から離れ,テレビ出演もやめ,自らの方法論とライブにおける高いクオリティを追求したのち,潔く去ろうとする求道者の姿をそこに見た。
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