松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

フィリップ・アリエス(杉山光信,杉山恵美子訳)(1980)『〈子供〉の誕生:アンシァン・レジーム期の子供と家族生活』(みすず書房)を読了

標記の本を読了した。
本書では,〈子供〉という概念はそもそも自明ではなく,中世以降に社会的・制度的・文化的に縁どられてきたものにすぎないことが述べられている。
筆者によれば,17世紀までの中世芸術を紐解くと,〈子供〉の存在は描かれていなかったという。
すなわち,中世までは「子供期」という観念が存在していなかったのである。
では,そうした〈子供〉の概念がいつのどのように誕生したのかというと,教会や貴族といった枠組みの中で,文明的な習俗を望むモラリストに期待される形であった。
このことが,のちに家庭の中の子供といった道徳観念に繋がり,〈子供〉概念が完成したらしい。
所与の概念を疑うこと,あるいはある概念がどのようなプロセスを経て形成されるのか丹念にフォローすることの意義を学ぶことができた。

〈子供〉の誕生―アンシァン・レジーム期の子供と家族生活

〈子供〉の誕生―アンシァン・レジーム期の子供と家族生活