先日発刊されたばかりの標記の本を読了した。
結論からいえば,本書を前提とすると,「多くのxを投入する重回帰自体,やめた方がいい」ということになるだろう。
ちょっと自分には難し過ぎたが,以下のようなことが書いてある(と理解した)。
①yをxで予測するといったときに,xの標準偏回帰係数が正の値だからといって,必ずしも正の影響をyに与えているとは限らない(一般にxの間には相関関係があるから)
②xが2つしかない場合は,完全な予測が可能だが,複数になると解釈が絶望的(かといってxを減らすと意味の薄い分析になる)
③この問題を解決するために,yを直交化する方法を提案する(統計手法を工夫してなんとかするのではなく,データの取り方を変える)
①については,数理的にはそうなのかもしれないが,自分のこれまで読んだテキストには,そのようなことは書いていなかった…。
マルチコがなければOKと書いてあるテキストもあるが,それは間違いとバッサリ切られている。
また,yとxの相関係数と,標準偏回帰係数とを明確に区別して解釈していない論文はダメだと書いてあるが,
誤用のないように解釈する具体例が書いておらず,「え~じゃあどうすればいいんやろ・・」という気持ちになった。
③については,なんとなく方法はわかったが,自分の研究課題に引き寄せた具体的なイメージがわからない。
さらに既にとってしまったデータに対しては無力と思われたので,非常に悩みが深くなってしまった。
これから先どうしよう……。
- 作者: 豊田秀樹
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 2017/06/08
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