松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

矢野眞和・濱中淳子・小川和孝著『教育劣位社会―教育費をめぐる世論の社会学』(岩波書店)を読了

標記の本を読了した。
去年の12月に発売された新刊。
たしか,去年の高等教育学会で濱中先生がご報告された内容のはず。
「キレキレやな~かっこいいな~」と感じつつ拝見していたのを覚えている。

本書の中で,一番社会に知られるべきなのは,第8章の矢野先生による,
高等教育に対する資金配分における逆進性言説に対する批判であろう。
すなわち,「大学教育は、裕福な者に消費されるから、大学教育費を税金で賄うと裕福な者が得をする」という考え方(p.179)を批判する。
具体的には,実は無償化されれば低所得者層の進学率が上がり,むしろ累進的であるということをエビデンスを用いながら論じている。

教育劣位社会――教育費をめぐる世論の社会学

教育劣位社会――教育費をめぐる世論の社会学