標記の本を読了した。
筆者は本書で,
戦前(1934-36年)の私大財政は,ノーサポート・フルコントロール
戦後(1952-70年)の私大財政は,ノーサポート・”ノー・コントロール”
戦後(1970-76年)の私大財政は,サポート・アンド・コントロール
であると整理ししている。
戦前(1934-36年)の特徴は,学費依存,文科系の学部学科への依存,私大の都市集中というものであり,にもかかわらずその結果は少数エリートの創出であったという。
また戦後(1952-70年)の特徴は,戦前(1934-36年)の特徴が変わることなく,国家の関心だけが(少数エリート養成の養成という観点から)遠のいたというものである。
その後,戦後(1970-76年)では,私大の質的な位置づけが不正確なまま経常費補助がはじまったとされ,「公共性」と「私事性」の矛盾を抱えたまま,助成による「誘導」ないし「調整」によって,私大が国家の一元的な包摂の下に組み込んでいくのではないかという警鐘が鳴らされている。
- 作者: 尾形憲
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1978/12
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