松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

「第6分科会:課程認定に係る近年の動向と留意事項等について」の記録@全私教協第36回研究大会

記録を置いておきます。
あくまでもメモですので,内容の全責任は私にあります。
記載することそのものに問題がありましたら,関係者の方ご連絡ください。
ブログのトップに,私のメールアドレスがありますので。
重要そうなところには,赤字をひきました。

第6分科会:課程認定に係る近年の動向と留意事項等について 山口大地氏(文部科学省初等中等教育局教職員課)

◇小中免許状の併有を支援するための教職課程認定基準の改正について

・同一学科で授業科目を共通に開設できる特例である
・改正前と改正後で小中間の共通開設可能な範囲が定められている
複数の校種の内容が両方授業内容に含まれている必要がある(複数の校種をまたがった内容が実施されているかどうか)
・適用されるには変更届が必要。変更届なしで自動的に移り変わるわけではないので注意するように

◇届出により設置される学科等にかかる教職課程認定審査の確認事項の改正について

学校教育法4条2項(学位の種類及び分野の変更が伴わないもの)でその他の要件を満たしていれば,課程認定は不要。ただし,最終的に適格かどうかは課程認定委員会で審査される
・届出による設置から認可申請による設置に変更になった場合は,改めて課程認定申請が必要となる
・学科の分割により授業科目や専任教員が大幅に減少する,科目名称や授業内容の全面的な刷新を行っている場合は不可
・1つの学科を複数の学科に分割する,又は複数の学科を1つの学科に統合していくケースでは,この変更届での対応ができない場合が多い
・カリキュラムの内容が新学科でどの程度維持されるのかが重要になる
・「従前の学科等の教職課程と概ね同一である」にはあまり期待できない。昨年の相談の8割がダメだった
・平成30年度開設予定学科の場合,提出期限は平成28年の9月30日となる。このスケジュールは,課程認定が必要かどうかを判断する猶予を含んでいる

◇課程認定審査に係る近年の指摘事項と課題

・まだ20大学ほど指摘が残っているが,5月末までには全大学に指摘する
・私立大学は76の申請が行われている。学部で指摘0はなかったが,10-70までの幅がある(エクセルの行の話)
・学部については,一般的には20-30の間で行う
・大学院については,形式的な要件が比較的緩やかなので,指摘件数は少なくなる傾向がある
・短期大学の指摘は20-30
・指摘箇所は4号様式とシラバスに集中する。4号は研究業績が文章化されて記載してくださいということ,シラバスは形式要件が大半である
シラバスの指摘要件は,たとえば,授業回数の1回がまるまる試験にあたえられている,単位数と授業回数の関係がわからない,等
・4号要件は指摘を減らしにくいと思うが,シラバスは減らすことができるので,事務職員の方は確認をお願いしたい
・2号様式についても指摘もかなり多い。該当区分の内容にはあたらないような科目が配置されているケースや,一般的包括的内容を含む科目のあてはめ方の問題等。4号と同じく調整は難しいかもしれないが,事前相談で対応可能である。できるだけ作りこんで事前相談に臨んでほしい。指摘箇所が多ければ20指摘うけている大学もあるが,0のところもあり,アンバランスである
・4号様式を様式に沿って教員に適切に書いていただくのが難しいのは承知しているが,本人の担当科目について,研究にふさわしい執筆が行われているかが近年のポイントである
・実際の審査では研究題目が授業科目と相当関係があるのかというところから始まる。数日前にも拝見したが,著書が生徒指導および教育相談の関連であったが,該当する科目は教育課程であった
・研究題目からその授業科目が想定されるかどうかがポイントになる

◇課程認定申請の要否について

・「要相談」については事実上3年前に行っていただかないと厳しい。現実に課程認定申請に回っていただくことが多いということを要睨みで対応いただくことになる

◇事前相談について

・事前相談を行っていただいた方が申請書提出後の指摘事項は減る

◇教員審査について

・設置基準上の資格要件を満たしていることと,教職課程の担当科目の実績を有していることが必要
・特に教職に関する科目は元々の法定科目区分ごとに業績が異なると判断している
教育心理学や教育相談では指摘が起こりやすい。前者では,カウンセラーとしての業績だけでなく,教育心理学(成長,発達,学習等)に関する教育研究業績が必要。後者では,カウンセラーとしての業績だけでなく,いじめや不登校等の諸問題及びそれらに関するカウンセリングの業績が必要。カウンセラーとしての専門的知識・経験を求めているわけではない。そこの第三者機関に繋げていくことは求めているが…。単独でできる部分にはおのずと限定がかかる
・教科の指導法についても,当該教科に関する学問の専門的な教育研究業績だけでなく,教科教育(教え方)に関する業績が必要

◇実務の経験を有する教員について

・学生に有益であることから登用されることが多いだろう。しかし,実務の知見の理論化や一般化が大学教員としてはほしいので,研究業績を求めている。実践的・実証的な研究成果として公刊されているものが必要という近年の指摘に繋がっている

◇研究業績書の様式について

・最大100枚に達しているのにほぼ業績がない人もいた。規定どおり3枚以内におさめていただきたい
・(変更点)発行所,発行雑誌等の欄において総ページを記載することになった
・共著の場合,全体の著作物の概要を書いた上で本人の担当部分はここである,というふうに,両者を判別可能なようにしてほしい
・監修・編集・翻訳ではなく本人の執筆。また,報告会や講演時の資料だけでなく,それをおまとめになっていることが必要
・学会の抄録もページ数が短いので,業績として弱く見るという傾向がみられる
・業績は担当科目にあたるものに精選をお願いしたい。また,区分は勝手に増やさないでほしい
・「考察した」「研究に加わった」等ではご本人が担当しかどうかわからず,理工系では実験のお手伝いのケースもあるので,ご本人がどの程度執筆に関わったのかの記載をお願いしたい

◇学科等の目的・性格と免許状との相当関係に関する審査基準に係る教育課程の編成について

・認定を受けようとする免許状に関連する科目が相当程度含まれているかが問題である
・学位分野・名称,科目構成,履修方法等から審議会で総合的に判断する
・卒業要件科目に関係ない自由選択科目にほとんどの科目が配置されている,といったケースでは相当関係がないとして取り下げ勧告を受ける
・授業科目の配置は学位プログラムに近接したところでできるだけ実現してほしい
・地理歴史系や公民系に「教科に関する科目」が偏っていると,中学校社会との相当関係は認められにくい
・「人文学科」のようの大くくりの免許状では複数免の認定は受けやすいと思うが,限定していれば複数免のそれぞれと学位の分野等,学科等の教育研究分野との相当関係が認められにくくなる
・1,2年次だけで履修が終わってしまうような,基礎科目だけで認定だけで終わってしまうような配置も難しい。本来は,教科に関する科目を一般教育科目で構成するのはあまり望ましくない

◇その他

・教職の意義等に関する科目では,研修:服務,身分保障等が扱われていないケースがあった
・心身の発達および学習の過程では,発達しょうがいを含めた発達心理学が必要。今後の法改正で指導法的な内容が含まれてくるかもしれない
・指導法では教材研究,指導案作成,模擬授業が含まれていることが必要。また,テキスト又は参考書として学習指導要領が含まれていることが必要
・保育内容の指導法については,幼保連携が他認定こども園教育の指導要領も必要
・教育の方法及び技術のところでは,パソコンの操作方法や統計解析だけで留まっているケースも多い。教具の取り扱いやマイクロティーチングのような授業運営方法を学ぶことが想定されている
・名前の指摘はしたくないが,「○○研究」という名称で指導法になっていないケースがある

◇法改正のスケジュール

・免許法の方改正は本気の通常国会にはかけられなかった。次の臨時国会が良く年の通常国会になるが,学習指導要領の改訂が今年度末に行われることになっているので,これを踏まえて変更を行う必要がある
・平成29年度のいつの時点になるかわからないが,急こう規則の改正が行われて,平成31年度施行が最短になるが,それを見据えて再課程認定申請をすることになる
・今時点で「この内容をできるだけ行っていただきたいこと」ということが恐縮だが今言えない
・今年の年末あるいは年度末の審議会の動向にはご注意いただきたい

◇重大なミス

・教職に関する科目の必修単位数が不足していたことが年度末の一括申請時に発覚し,集中講義で対応した大学がある

◇今年の変更届について

・合計12箱きている。3月末に出していただいたところは指摘がおわった
・6月からは,後半に出していただいたところに指摘する
・年度をまたいで提出される場合は,日付にご注意いただきたい

■質問①教職センターについて

・教職センターの想定はどの程度か?
→求められている内容は大きく3点。①法令の内容に教育課程が違反していないかの点検②学生に対する履修指導(努力義務)③FD,その他:地域の対応にどの程度応えてもらえるのか。大学の中だけで完結するのではなく,教員育成指標にかかわっていくこと

■質問②制度改正のスケジュールについて(松宮)

・制度改正を見据えた見通しについて,「カリキュラム改正」を念頭に置いた場合のことをお伺いしたい
・担当者の本音としては,制度改正より前のタイミングでカリキュラム改正をしてしまうと,制度改正が起こったときにまた再課程認定申請をしなければならなくなる。これを避けたい
・一方で,私立大学の経営判断では,学生募集等の改善に向けて,早めに「カリキュラム改正」を行いたいということもありうる
・その上で,制度改正の時期は不透明だが,学位プログラムとの相当関係を深める方向性であれば,再課程認定申請でも大きな葛藤は生じないだろうと感じている
.・すなわち,目的養成は待った方がいいが,開放制は今すぐ改正しても大きな問題にならないだろうと思っている。感覚的な話になってしまうが,大きく間違っていないか教えてほしい
→正直答えにくい質問である
→今回の通常国会にかけられなかったので,法改正は話が進んでいない。したがって,審議会でどういう議論をしているのかをにらみながら行っていく必要がある
→独立するものは強めに審査が行われるが,カッコガキの部分は大丈夫だろう・・・
(あとで質問)
・カッコガキの部分というのは,教職に関する科目のことを指すのか?
→そうである
・ぶっちゃけた話,大学の裁量が増えることを趣旨として想定している。そうなれば,あまり大きな変更をすることなく再課程認定申請に対応できるだろうと考えている
→こちらとしてもそれを想定している。でないと無駄にしんどくなる

■質問③センターについて

・小規模な単科大学でも設けなければいけないのか?
→小規模な単科大学で設ける必要はない。無駄な組織は不要である。複数免許状を持つ大学で,全体がオーソライズされていないところがあったことがこの議論の出発点である

■質問④カリキュラムについて

・単一学科を多専攻型にする場合の基準はあるのか?
→単に科目を配置しているだけではだめ。コースや専攻等のなんらかの枠組みは示していただく必要がある
→たとえば,3つ専攻があって,2つはそれぞれ独立した体系があり,1つは複合的,これはOK
→免許教科別にある程度体系的なものが枠組みとして示せるかどうか,がポイント

■質問⑤制度改正のスケジュールについて

・専任教員数等はいつわかるのか?
→カリキュラムが固まっていないので,専任教員数もわかっていない
→こうした枠組みのところまでできていくのは,年度末ギリギリであろう。カリキュラムも法改正がなされないと考えらない