松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

ピーター・M・センゲ(2011)『学習する組織―システム思考で未来を創造する(訳:枝廣淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子)』(英知出版)を読了

わりと今さらですが、少し前に標記の本を読了しました。
本書で紹介されているのは、「システム思考」「自己マスタリー」「メンタル・モデル」「共有ビジョン」「チーム学習」という五つの基本的な<ディシプリン>です。
自分の研究に援用できないかなあと考えて読んだのですが、どこをどんな風に使うのか、が結構難しいですね、、

以下、メモ的なものです。下線は引用者です。

①「システム思考」とは何か?
・線形の因果関係の連なりよりも、相互関係に目を向ける
・スナップショットよりも、変化のプロセスに目を向ける
→出来事ではなく、根底にある構造を見ることを学ぶのが第一歩
→システムの挙動を変えるためには、制約要因と特定して、それを変えなければならない
成功には組織内の権力を再分配することへの真摯な努力と、一方的な統制をやめることへの覚悟が求められる
②「自己マスタリー」とは何か?
・個人が学習することによってのみ組織は学習する。個人が学習したからといって必ずしも「学習する組織」になるとは限らない。が、個人の学習なくして組織の学習なし、である。
・ここで述べている「学習」というのは、知識を増やすという意味ではなく、人生で本当に望んでいる結果を出す能力を伸ばすという意味だ。それは生涯つづく生成的学習である。学習する組織は、あらゆる階層でそれを実践する人がいなければ成り立たない。
・人の発達を組織の目的達成の手段とみなしてしまうと、個人と組織の間に存在し得る関係の価値を微妙に損ねることになる
③「メンタル・モデル」とは何か?
・どんな組織でも、意思決定の中枢にある人たちが共有しているメンタル・モデルこそ最も重要
・メンタル・モデルのディシプリンの実践がめざすところは、必ずしも合意や意見の一致ではない
・結局のところ、学習プロセスがオープンで全員が誠実に行動する限り、自分の言い分を話し、それでも別の考えが実行される状況にも人は満ち足りて生きられる
・高い地位につくにつれて、直面する問題は個人的な経験以上に複雑で多様になる。うってかわって他者の洞察を引き出すことが必要になり、学ぶことが必要になる。そうなると、主張のスキルは逆効果になり、私たちが互いから学ぶ機会を奪う可能性もある。必要なのは、主張と探求を融合させて、協力的な学習を促すことだ。
④「共有ビジョン」とは何か?
・注意深く見てみると、ほとんどの「ビジョン」は一人の人間(あるいは一つの集団)のビジョンを組織に押しつけたものだとわかる
・ただ敵を打ち負かすだけにもとづくビジョンに頼っていると、長期的には組織が弱体化することになる。
・共有ビジョンは個人ビジョンから生まれる。…何かを大切だと思う行為は個人的なものだ
・共有ビジョンを築くことに熱心に取り組んでいる組織は、個人ビジョンを築くようメンバーを絶えず励ます。自分自身のビジョンをもっていなければ、誰かのビジョンに「参加」するしかないからだ。その結果は追従であって、決してコミットメントではない
・個人ビジョンを育む気風をつくるための積極策はある。その最も直接的なものは、ビジョンに意識のあるリーダーが、皆がそれぞれのビジョンを語りたくなるような方法で個人ビジョンを伝えることである
・本当の意味で共有されるビジョンが生まれるには、継続的な対話が必要
・多くの経営者が直面する最も厳しい教訓は、結局のところ、他者を参画、あるいはコミットさせるために自分ができることは一切ないということ
・(「成長の限界」構造)多様化と二極分化が進むことによってビジョンの普及を制約するバランス型プロセスと相互に作用する
・既存の方針や行動がいかに今の現実をつくり出しているかを組織にいる人々が学び始めれば、ビジョンが育ちやすい新しい土壌ができてくる。新しい自信の源泉が生まれるのだ。
⑤「チーム学習」とは何か?
・チーム学習とは、メンバーが心から望む結果を出せるようにチームの能力をそろえ、伸ばしていくプロセスである
・チームのIQ(知能指数)は個人のIQをはるかに上回る可能性がある
絶えず学習しているチームの何よりも信頼できる指標の一つは、考えの対立が目に見えること…優れたチームと平凡なチームの違いは、対立をどう直視し、対立につきものの自己防衛にどう対処するかにある
・学習するチームの特徴は、自己防衛がないことではなく、それにどう向き合うかにある。
・才能あるアスリートを集めても優れたスポーツ・チームにならないように、個々に学ぶ才能のある人を集めても必ずしも学習するチームにはならない
・チームのスキルを伸ばすのは個人のスキルを伸ばすよりも難しい

学習する組織――システム思考で未来を創造する

学習する組織――システム思考で未来を創造する