部屋の片づけをしていたら、ちょくちょく読んだあとの本が出てきます。
古い(いらない)本とか、マンガとか捨てないとな、と思ったり。
この本は、浅田次郎の新作が文庫になったものです。
前も書いた気がするのですが、浅田次郎は「独り語り」形式を使うのがめちゃくちゃうまいです。
この物語は、明治元年の「解き放ち」が題材になっています。
「解き放ち」というのは、火事が牢獄に迫ってしまったときに、重罪人を解き放つことです。
時は、明治元年暮。火の手の迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった訳ありの重罪人たち―博打打ちの信州無宿繁松、旗本の倅岩瀬七之丞、夜鷹の元締め白魚のお仙。牢屋同心の「三人のうち一人でも戻らなければ戻った者も死罪、三人とも戻れば全員が死罪」との言葉を胸に、自由の身となった三人の向う先には……。幕末から明治へ、激動の時代をいかに生きるかを描いた、傑作時代長編。
この三人プラス関係者が章ごとに登場して、「独り語り」を始めるというスタイルです。
見事な作品でした。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/12/22
- メディア: 文庫
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