松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

『平成26年度教職課程認定大学等実地視察報告書』を読了しました―おもな指摘ポイントをまとめてみたー

指摘のポイント

昨日、標記の報告書が手元に届いたので読みました。
後日、各大学への個別の指摘については、後日文科省のホームページにアップ予定だそうです。
指摘ポイントをまとめると、大体以下6点でしょうか。

①全学的組織に基づくカリキュラム編成やその検討が行われているか
②教科の専門性が担保されているのか
③教職課程認定基準を満たしているか
④教職支援センター等を設置し、全学的な指導体制を構築できているか
⑤課程認定を受けていない学科で免許状取得が可能であるかのような広報がなされていないか
⑥教育実習以外に、現場を経験できる機会を教委や学校と連携しながら設けているか

以下は補足です。
・②に関連して、複数免許状をとれるとき、場合によってはコース制への変更が必要
・③については、特に共通開設科目の取扱いと専任教員数の確保が焦点

***委員のコメントで印象に残ったところ
以下は、見習いたいなあと思ったところ、印象に残ったコメントです。いいことなので、大学名出しても良さそうなものですが、念のため伏字にしておきます。

・元気で活気があり、かつ礼儀正しい学生が多いことは評価できる。(A大学)
・保育・指導資料室において、教育実習に実際に行った学生の直筆の報告書が実習先ごとにファイリングされ、在学生が閲覧でき、参考にできる環境が整っている上、学習指導案等においても同様の取組を取り入れることを検討していることは、特筆すべき取組であるといえる。学生が参考に閲覧できるというだけではなく、教員が学生を指導する上での手段として活かされるよう、引き続き工夫していただきたい。(B大学)
・学生が大変活発で挨拶がよくでき、よい気風であることは評価できる。(B大学)
・「教職実践科学研究センター」において、定期的な研修会を実施し、卒業生も含めた教育技術向上の仕組み作りがなされており、引き続き、当該取り組みを推進・充実させることを期待する。(C大学)
・障害をもつ学生が相談や学習を行うスペース「障害学生学習支援室」が開設されているが、さらに安全かつ他の一般学生との交流が可能となるよう、配置の工夫等を通じて、一層の充実に努めていただきたい。(D大学)
・通学課程の学生については「manaba folio」、通信教育課程の学生については「STTnet」という電子ポートフォリオを運用しており、学生の自己評価と指導教員の記述を電子的に蓄積できるようにするとともに、学生が履修した各授業科目と、大学の教員養成の到達目標とがどのような対応関係となっているのかを明示することとした点について評価できる。今後も、履修カルテの有効活用及び更なる充実に努めていただきたい。(E大学)
・グループ授業を行うための座席配置がなされている教室で教科教育法の授業を行うことができるなど、充実した設備が確認できた。(E大学)
・児童教育学科に関しては、我孫子市との連携を整備されており、母校実習ではない仕組みが整えられていることが確認された。中学校及び高等学校の教職課程に関しても同様の仕組みが整備されつつあるので、さらなる充実に努めていただきたい。(F大学)
・地域の小学生の学修をサポートする「アジアの風塾」の活動は評価できる。体制、規模をより一層拡充し、その取組を発信していただきたい。(G大学)
・中高の教職課程で実施されている教育実習の事前の合宿というのは、良い取組であり、学生のモチベーションや責任感を高める上でも非常に有効である。(H大学)
子育て支援センター「ぴっぴ」は、地域連携という意味でも非常に貢献度の高い施設であると見受けられた。そこで学生が実習を行うという仕組みは他大学も見習うべきことだと言える。(H大学)
・中高の教職課程については、ほとんどの教職課程履修者がボランティアを行っていることが確認された。ボランティア活動を通じて教職に対する動機付けを高め、一人でも多くの学生が履修を続けられるように努めていただきたい。(H大学)
・「教職チューター教員」制を導入し、教職を志す学生に対して、面談・相談を行うなどの手厚い支援や丁寧な教職指導をされていることは高く評価できる。このような取組みにより、教職を目指す学生全員に対して一定の水準以上の教職指導が実施されるように、体系的かつ組織的に指導を行うための体制を御検討いただきたい。(I大学)
・地域密着型の養成課程としての実績をあげており、地域社会参加活動等、大学の取組を全国に発信していくことが期待される。(J大学)
・講義・演習のほか、富山の特色ある地域での活動に参加する「地域社会参加活動」は、活動報告を冊子として取りまとめ、教員及び学生同士が共有できる仕組みとなっており、優れた取組である。このほか、「富山に学ぶインターンシップ」において、教育、保育、福祉の実践現場で就業体験を行っており、地域と連携してボランティアを積極的に実施している状況が確認できた。(J大学)