松宮慎治の憂鬱

'04京都橘高校卒→'08大阪教育大学卒、私立大学に職員として奉職→'17広島大学大学院教育学研究科博士課程前期高等教育開発専攻修了,そのまま後期課程在学中。とあるきっかけ(http://shinnji28.hatenablog.com/entry/2015/01/10/050000)があって、実名でブログを始めることにしました。特に憂鬱なことはないのですが、大学職員仲間がタイトルを考えてくれたので、そのまま使います。

キングカズに見る、今を生きる姿勢

キングカズですら、先のことは「本当に想像もつかない」

1月17日(土)に行われた阪神淡路大震災20年のチャリティマッチに、キングカズこと三浦知良選手が出場しました(私の大好きな柳沢敦鈴木隆行の代表無敗ツートップの結成という話題もあったのですが、それはまた別のお話)。
最後に元記事の引用を示しますが、インタビューの中で「これから」のことを問われたキングカズは、こう答えたみたいです。

まだ夢の途中ですから。夢の中で覚めないように。起こさないでください。
できたら、このまま死んじゃいたいもん。
(自分でも)どうすんのかなって、ずっと思ってる。本当に想像もつかないし、本当に考えていない。イメージも出てこない

先のことなんて全然わからないけど、今に精一杯ベストを尽くす。そしてそのことを愚直に積み重ねる。結果として人生が光輝き、多くの人に愛されているスーパースターがここにいます。

目的志向への疑問

世の中では、夢なり目標なり、なんらかの未来を明確に持ちながら、そのために現在で研鑽を積むという、いわば目的志向性が是とされています。
たとえば、会社の研修なんかでもよくありますよね。学生も、キャリア系の授業であるんじゃないでしょうか。そう、「何歳のときにこうなって、何歳までにこれをし、20××年までにこういうことを達成する」みたいな、アレです。
私はこの考え方に反対です。
「夢とか目標は?」「将来どうなりたいの?」と聞かれることがたまにありますが、そのたびに微妙な気持ちになります。
夢や目標のために今を犠牲にするのはおかしい。あえて言うなら、今この瞬間そのものが、夢の現在であると捉えるのがいいと思います。
私はもう今年度で29歳です。早生まれなので、たまたままだ28歳ですが。いずれにせよアラサーなわけです。人生はあっという間ですよね。35になり、40になり、そのたび「夢が…」「目標が…」と言っていたら、私にとってそれは大事な今という瞬間を一生かけて毎日捨て続けていることと同じです。じゃあ何歳までそういうことを言っていていいのだろうか?正解はありませんが、自分なりの答えは「今この瞬間まで」です。
「夢?今ですよ。今この瞬間が夢の現在です」。こう言い切る人こそが、輝ける大人だと思いますし、自分もそうありたい。キングカズの言葉を見れば自明のことです。
とはいえ、私も大学生のときは、クラブで遊び倒しながら「今が大事」と言っている友人に対して、こう思っていました。「そんなことしてたら将来苦労するのに。要は今と未来のバランスやろ」。
こういう考え方もありだとは思いますが、(まさに今、この瞬間に)振り返ってみると、あの気持ちは、精一杯その瞬間を楽しもうとする友人に対する、単なる嫉妬に過ぎなかったと感じます。
今が輝く、そのために精一杯楽しむことは、何より素晴らしいことです。努力が不要だと言っているのではありません。努力すら楽しめるんですよ、本来は。
そして、将来苦労するよとかいう他人の意見なんて「知ったことか」ですよ。他人の将来を予測するなんて、あなたは神様ですか、ちょっと傲慢すぎやしませんか、と学生時代の自分に言ってやりたいです。他人の人生を慮る前に、自分の人生にベストを尽くせばよかった。
今を楽しむ、楽しむ瞬間を積み重ねる、そしたら一生楽しかった、それでいいじゃないかと思います。
もっとこのことに早く気づきたかった。

人生の魅力は、「わからなさ」の中にある

夢や目標、将来どうなりたいかなんて、わかりませんよ。それは不安かもしれませんが、本当はその「わからなさ」が面白いし、楽しいんじゃないでしょうか。
たとえば、ある目標があったとして、それを50歳で達成するとして、そこを目指して小さく落とし込んだ具体的タスクを、ひたすら現在でこなしていくような人生、私はいやですね。だって面白くないじゃないですか。究極のところ、言ってしまえばそれは単なる作業だから。人生を作業ゲーではない。人生をタスクにはしたくない。
人の一生なんて、元々わからないものですよね。大仰に言えば、それが人生の本質じゃないでしょうか。ということは、実はそこに一番の魅力が隠されているんじゃないか、と思いませんか?
それに、今の時点で描ける未来なんて、結局今の自分の能力で想像できる範疇にしか収まりません。
自分が思うより、遥かにとんでもないところに行けるかもしれないのに、それを今の能力で一定の範囲に規定してしまうなんてもったいないです。
「人間が想像できる全てのことは、実現可能である」なあんて言葉が科学やSF、漫画の世界であったと思いますが、逆に言えばこの言葉は、今の自分の想像できる範囲が、そのまま自分の限界ラインになってしまう、という負の可能性を示しています。
だから、あえて想像をしない、未来の予測をしない、目標を立てない。今にベストを尽くし、そのことを愚直に積み重ねるだけ。
このスタイルが、一般的に世間で思い描かれている「輝ける夢的なもの」に到達できる行動様式に一番近いんじゃないかなあ、と「今の」私は考えています。
明日になったらまた、意見が変わっているかもしれません。でもそんなことを言っても仕方がない。詮無きことであり、かつどうでもいいこと。今この瞬間の自分は、そう考えている。その事実が、何より大切なことだと思っています。

元記事の引用

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150118-00000082-spnannex-socc
現役最年長Jリーガー、J2横浜FCのFW三浦知良(47)が18日放送のフジテレビ「ワイドナB面」(日曜前10・55)に出演。
ともに日本代表として戦ったサッカー評論家の前園真聖氏(41)の直撃に「まだ夢の途中ですから。夢の中で覚めないように。起こさないでください。引退試合とかやりたくないですもん」などと引退論を語った。
前園氏がカズのグアム合宿に参加。「カズさん、いつまで続けるんですか?」と質問をぶつけた。
カズは「できたら、このまま死んじゃいたいもん。テレビで三浦知良って出たら、ずっとサッカー選手って出たい。それが60歳とか65歳でも。元じゃなくて」と生涯現役を宣言。「チャンスがあったら、また海外に行きたいと思ってますし。ブラジルじゃなくても、アジアでもさ」と再び海を渡る希望までも口にした。
引退後のイメージについても「(自分でも)どうすんのかなって、ずっと思ってる。本当に想像もつかないし、本当に考えていない。イメージも出てこない」と語った。
周囲からは日本代表など監督を熱望される声も聞くが「自分の中では、そんなに簡単なものじゃないって分かってますから。自分には合ってないじゃないかって思ってますし」とした。