松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

大学院入試の面接の内容を公開

広島大学大学院教育学研究科(博士課程前期)高等教育開発専攻の、9月入試の面接の内容を公開したいと思います。終わった直後でメモしたので、ほぼ正確だと思います。が、さすがに先生のお名前は伏せておきます。時間は20分くらいでした。順番は必ずしもこのとおりではありませんでしたが、、

【内容】

①中途退学に関して統計分析のようなことやっているが、どのような手法でどういう結果が出たのか関心があるので教えて欲しい

→教務システムからcsv.でデータを抽出し、修業年限で卒業した者としなかった者に対する判別分析を、spssで行った。高校時の評定平均が高い者ほど修業年限で卒業してくれるという結果が出たが、量的データが評定平均だけで、残りは全て質的データだったので、そうなると細かく範囲を刻んでいる量的データの項目がどうしても重要であるかのような結果が出るという指摘を最近もらった。手法をきちんと学んでいるわけではないので、出た結果についても懐疑的な視点をずっと持っている。

②IRの人材に注目するのは個人的に非常に面白いと思うが、人材育成をやりたいのかIRをやりたいのかどっちだ?

→正直に言うと自分でも混乱している。IR人材の育成について明らかにしたいと思っているので、焦点は絞れていないかもしれない。

③入学が許可された場合の指導教員の希望は?

→今のテーマを考えると、どうしても大学職員とは何か?ということが重要になってくると思うので、●●先生にお願いしたい。

④職場の許可はとっているか?先輩でそういう人はいるか?

→職場の承認を得ている。職場の先輩で働きながらの大学院進学者は全然いない。

⑤いつから大学院進学を考えていたか?

→25歳くらいの時から考えていた。

⑥うちで学べば、IR的なことは必ずできるようになる。ので、人材育成を見ていくのもいいのでは?これは質問ではなく情報提供です。

⑦IRの人材育成に関する先行研究はどうなっているのか?

→最新の小林先生らの調査では、組織に着目していて、人材については今後の課題だと記載されていたと記憶している。また、IR人材の養成は先行研究ではOJTが中心となっていて、具体的な方法はあまり明らかでない。ただし、最近九州大学が大学院においてIR養成プログラムを提供しており、外部に研修等を提供し始めた。

⑧入学が許可された場合の通学について。土日中心か?職場の補助はあるのか?

→本学は休暇もとりやすいので、できるだけ休んできたい。また職場の補助はなく、全て自費である。

⑨職場からIRを担当するように言われているのか?

→特に言われていない。

⑩統計分析の手法は自分で学習したのか?spssは使えるか?

→心理学科の教員に教えてもらったが、その教員も忙しいので、基本的なポイントとフォローはしていただいたが、自己学習した部分もある。そしてら素人が自己学習することの限界を感じている。また、自分のような素人でもソフトを使えばそれらしい結果が出ることから、逆に今の状態はまずいと考えている。

⑪本研究科を志望した理由は?

→直接のきっかけは、倉部史記さんというNEWVERYというNPOのフェローにおすすめいただいたことである。また、見学にきたときに先輩に非常によくしていただいたり、先生方によくしていただいたりしたことも理由の一つである。また、他の研究科も考えたが、働きながら柔軟に通える研究科は多くなく、職場に支援制度がないという限定された条件の中でも通える研究科だったことが大きい。

大阪教育大学を卒業しているが卒論は書いたか?テーマは?

幸田露伴の娘である幸田文の作品「おとうと」をとりあげ、そこから見える幸田文の生活に対する姿勢を研究した。

⑬教員免許は持っているか?持っているとしたら何を?

→高等学校の国語を持っている。(出身はゼロ免なので潰れそうですと言うと笑いが、、)

⑭就職されてからどんな仕事をしてきたか、そしてそのこととIRを関連づけて説明してほしい

→新卒で入職して今が7年目である。最初の4年は学生課のような部署で学生生活支援を行った。その後直近2年は教務のセクションで働いている。異動して最も驚いたのが教務の見られるデータの多さ、その権限の大きさである。他方、こうした自分たちしか触れないデータがあるのに教務の職員は生かしているのかと感じたことがIRを考えることになったきっかけである。

⑮入学が許可された場合のこちらの指導体制のことを考えていたが、IRをやりたいのか人材育成をやりたいのかで変わってくるがどうか?

→どちらか一方を選ぶとするとやはり人材育成かなと考えている。研究を自分だけの利益にするのではなく、同僚や一緒に活動する仲間、業界全体といった世の中全体に還元することを考えると、やはり人材育成をとりあげた方がいい気がする。他方、大学職員としてIRを担うパイオニアに自分がなれるのではないかという期待もあって、研究したいテーマと自分が仕事でやりたいことの区別がうまくできていない気がする。

⑯個人的に●●先生の名前が出たが●●先生何かコメントは?

→彼のことは以前から知っているので特に言うことはない

⑰IRのことをやる場合に、勤務先の大学のことをやりたいのか、日本の大学のことをやりたいのか、その範囲は?

→日本の大学のことを、と考えているが、何らかの条件で範囲を限定する必要性は感じている。

⑱なぜIRの人材を取り上げるのか?

→特に私学の場合は専従の職員や部署があると補助金事業で加点される。そうした政策誘導から形式が先行しているのではないかと考えている。新しいことを始める際に形式が先行するのは仕方ないと思う。これから実質化を目指して中身を入れていく段階にあると感じている。では中身を入れるために何が必要かというと、誰が担うのか、どういう人なら担えるのかといった人材の部分であると考えたことがその理由である。