松宮慎治の憂鬱

このブログの情報は古く,今後更新しませんので,特に教職課程関連の参照元とすることは避けていただければと思います。ご迷惑かけます。2023.2.19

私論

「(私学助成)が1人あたり152万円と国立大を上回る事例もあった」(日経新聞)→それは私立医科大学です

「経常費等補助金が1人あたり152万円と国立大を上回る事例もあった」は本当か? 少し前に気になる記事がありました。 それがこちらです。(赤字は筆者) www.nikkei.com 国立大の1人あたり交付金、12倍の格差 山形大調査 山形大学は8日、国立大学の運営費交…

大学職員は教員と仲良くしましょう

munyon74.hatenablog.jp こちらを拝読して,タイトルを反転させつつ,思ったことを書いてみようと思い立ちました。 ただ、教員と職員、って、ある意味反対の仕事、だと思うのですよね。教員は「自由にやろうよ」「学生のためになるよ、こっちのほうが」みた…

大学で業務改善を試みたときに言われがちなこと(と,それへの反論)

①そんなことはできないと聞いた! 今,こうこうこうすれば,こうできるのでは,ということを調べてお示ししています。 前はできなかったもしれませんが,今はできるようになったのかもしれません。 状況は変わるものだから,前の状況が今も続いているとは限…

振れ幅の大きさとそのコントロール

振れ幅の大きさ(1)生活 よく,「一度上げた生活水準を下げられない」と言う人がいる。 これは厳しい。 なぜなら,この手の性格だと,生活水準を一定に保ち続けるだけでは満足度が維持できないので,上げ続けるしかなくなるからである。 一方,上げた生活水…

「パッと言えてしまうようなこと」の重要性

「パッと言えてしまうようなこと」 以下の記事を拝読した。 パッと言えてしまうようなことを言ってみる:8月5日朝日朝刊「折々のことば」に寄せて | 群衆の居場所 こちらで述べられていることは,「パッと言えてしまうようなこと」が卑下されつつ,互いに「…

ポイントカード・ハラスメント

「ポイントカードはよろしいですか?」 最近,というよりもずいぶん前から,コンビニやスーパーで精算する前,「ポイントカードはよろしいですか?」と聞かれることが増えた。 いや,「増えた」どころか,ほぼ間違いなく聞かれるようになっている,と言って…

モチベーションで飯は食えない

peingでいただいた質問 本日,peingで以下のような質問をいただきました。 今猛烈にやる気が出ないのですが、モチベーションを維持するためにどんなことをしていらっしゃいますか? | Peing -質問箱- 回答は次のとおりです。 元々やる気はないタイプなので、…

「まずは本務を」論の難しさ

以下の記事を拝読した。 photon28.hatenadiary.jp この手の話題は半ば食傷気味でもあるのだが,いい機会なので自分の考えをまとめておきたい。 「本務ができている状態」は明確に定義できない 上記の記事は非常に示唆的で,本文中に答えめいたものがある。 …

過剰な経験志向と人事異動信仰

はじめに 一般に,大学職員も含めた行政的組織の総合職では,いくつかの部門を定期的に「回す」,いわゆる人事異動が行われているものと思う。 もちろんこの前提は,「人事異動によって経験を得ることが,仕事にとってプラスである」ことにある。 しかしなが…

未来のわからなさを楽しむために―「大学冬の時代」論への異議―

未来のわからなさを楽しむために―「大学冬の時代」論への異議―*1 1.はじめに―こうなることは、前からわかっていた― まあこうなることは、わかっていたことじゃないですか。ぼくの中では少なくとも。ぼくらの中では、売れなくなるのは間違いないと。で、こ…

業務改善で意識している7つのこと

(1)小さく始めて,大きく育てる いきなり大きなレベル,高いレベルで改善を実施しようとすると失敗する。 まずできる範囲で小さなことから始めればよい。そして大きく育てればよい。 これを「雪だるま方式」という。 「雪だるま方式」に依拠すれば,大きさ…

「他人の金で,生きていく」プロ奢ラレヤーから見る,価値の相対化について

先日,アベマTVに「プロ奢ラレヤー」が出演していた。彼の存在を知らなかった自分が恥ずかしい。 「プロ奢ラレヤー」であるところの中島太一氏(21歳)は,「他人の金で,生きていく」すなわち日々奢られることで生活をしている。 「奢っていいよ!」といっ…

この春に新卒で大学職員になった方向けのアドバイスとしての資産運用のことなど

新卒の方にとって,資産運用の方法って結構大事なトピックでは? 新卒で働き始めた人というのは大変で,色々と気を遣うことが多い。 さまざまなしたり顔のアドバイスをまじめに聞かなければならないのは気の毒である。 仕事に与える年齢の貢献度は相対的にど…

落合陽一氏による「ワーク・アズ・ライフ」と政府主導の「ワーク・ライフ・バランス」を繋ぐもの

ワーク・アズ・ライフ 「ワーク・アズ・ライフ」というのは落合陽一氏の造語である。 具体的には,人生のポートフォリオを時間によって組むのではなく,ストレスによって組むことを推奨する。 自分がストレスを感じるものは何なのか,あるいは感じないものは…

若ければ若いほど賢いはずなので,若い人から多くを学ぶ

自分の持論として,「若ければ若いほど賢いはず」というものがある。 たしかに,「若くても年寄りみたいな人もいる」「年配でも若い人はいる」みたいな反論,つまり大切なのは実年齢じゃなく,精神だろうという批判はありうるのだが,そういう現実はあるにせ…

どんな仕事も,待遇だけを目当てに働き続けるのは難しい時代だよね

以下のブログが自分のツイッターのタイムライン等で,一瞬耳目を集めていた。 意見としては,「この待遇はごく一部」といったようにバイアスの大きさを指摘するもの,仕事のやりがいには触れずお金に言及することが,無駄に職業を貶めることに繋がるのではな…

仕事の「できる(できない)」「やる(やらない)」と「方法」「内容」について

kakichirashi.hatenadiary.jp こちらの記事を拝読しました。 彼の言いたかったことは,ぼくなりに解釈すると,「世の中にそんな特別な仕事なんかそもそもねえんだよ」「だからそんな思い上がられてもウザいんだよ」といったあたりのことを仰りたかったのでは…

なしたいコトと原体験(3)育った町と社会階層

shinnji28.hatenablog.com ぼくが上記のようなことを思うようになったきっかけがあります。 それは中3の冬のことです。 ぼくは担任の先生から,他のクラスの友人に勉強を教える係をしなさい,という指示を受けました。 なぜなら自分は私立高校に進学するこ…

なしたいコトと原体験(2)橘紳士

shinnji28.hatenablog.com このホームカミングデーに参加した当時の自分は,職場でイヤなことがありすぎて毎日「辞めたい」と思っていました。 しかし,過去の自分に笑われている気がしたこの日から,スイッチを入れることに決めました。 具体的には,仕事で…

なしたいコトと原体験(1)なじめなかった大学生活

先日の以下の記事ですが, shinnji28.hatenablog.com なんとなく,大学院のことを書いちゃったので研究活動に熱心という風に見えたかもしれませんが,それは誤解です。 たしかに今現在の自分にとっての優先順位において高い方に位置づくのは事実ですが,あく…

経験志向と年功序列

大学も含めた歴史の古い日本的組織は,経験志向であることが多かろうと思う。 具体的には,Aさんはxという部門にt年在籍したから,経験豊富なベテランである,ということが前提になる。 「いや,Aさんはt年その部門に在籍したけれども,全然仕事をせず付加価…

私立大学に対して競争的資金配分を行うことの問題点

私立大学に対する競争的資金配分について,いくつかのニュースが続いた。www.nikkei.com www.kyobun.co.jp1つめは経済財政諮問会議における議論,2つめは昨年3月から行われてきた「私立大学等の振興に関する検討会議」のまとめ案の話なので,違うものだとい…

できないことを増やす勇気について

できないことを増やす勇気について考えている。 「できないことは、増えているか」と自分に問いながら、増えていればOK、増えていなければアウトだと感じている。 できないことが増えているということは、何らかのチャレンジ、背伸び、トライを意味すると思…

誰も興味のないことだと思いますが、ブログの毎日更新は諦めました

誰も興味のないことだと思いますが、ブログの毎日更新は諦めました。 正確には、1日1記事更新ですね。それを諦めます。 まあ、これまでに2回ほど、昨年の3月と9月に数日間途切れているので、実質不完全だったわけですが。 仕事の息抜き等に見ていただいてい…

英語を読むときのコツに関する自己暗示

ぼくは昔から英語が苦手である。 もう少し正確にいえば,英語を勉強することが苦手で,この結果として英語が苦手になっている。 言語なんて時間をかければ誰でも一定レベルまでは上達するわけで,自分はそれだけの時間をかけるという労力を節約してきた。 実…

今よりよくなるように働く

以下は自分の職場のことではないという前置き付であるが、働く中で何かを良くしようとすると、「そんなこと言ってもそれは1ではない」といった指摘を受けることはないだろうか。 まあ、ここでの働くというのは職場にかかわらず、仕事をめぐる学内外のことと…

権限がないとやりたいことができないという仮説について

職場において、「このレベルのことは自分では決められない」といった言説を聞くことはないだろうか。 あるいは、「やりたいことができるようになるためには、えらくならないといけない」、もしくは「今は平社員だから、やりたいことができない」等と。 こう…

河野太郎議員の問題提起をめぐる先行研究の確認(1)そういうことをしてみてはどうだろうという話

ここ一か月ほど,主にツイッター界隈で河野太郎議員に対して,大学における研究費の使い道などの様々な問題を指摘できる状況になっている。 nlab.itmedia.co.jp 指摘された問題点に対して逐一河野太郎議員が回答を戻していることから,改善の期待とともに盛…

手持ちのカード(選択肢)が増えるのはいいことばかりではない

以下の記事を拝見した。 kakichirashi.hatenadiary.jp こちらで書き散らし氏が指摘するように,手持ちのカードを増やすということは重要である。 手持ちのカードが増えるということは選択肢が増えるということで,選択肢が増えるということは自分で決められ…

好きな仕事につくのではなく、ついた仕事を好きになりたい

唐突ですが、就活の思い出話です。 ぼくが就職活動をしたのは2006-2007年にかけてで、リーマンショック前の好景気でした。 特に金融機関はすごく積極的に採用活動をしていた印象です。 そんな中、学生時代終始ものぐさに過ごしてきたぼくは、どんな仕事をし…